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嬉しいことなのにどうして涙がでるの

結婚式の受付を済ませて会場に着席したら、都はるみの「愛は花、君はその種子」がかかってて泣く。その次の「時には昔の話を」加藤登紀子で泣く。新郎新婦入場前から泣いてるのは初めて、大丈夫か、私。

紹介ムービー、新婦ちゃんが生まれたときの家族写真で泣く。妹ちゃんが生まれたときの新婦ちゃん(4)がめっちゃ新婦ちゃんの原型ありで可愛くて泣く。
高校の冬服で撮った写真館でのピン写、見覚えのある写真すぎて笑う。

その後の友人代表スピーチ大号泣事件。
マイクの前まで出ていくまでは笑顔。みんなの前でお祝いできるのが素直に嬉しい。仕事ではお客さんの前で喋っていたりするし、ファシリテーターもやってるし、しっかりちゃきちゃき話ができるんじゃなかろうか。大いなる勘違い。

「新郎さん、新婦さん、ご結婚、」の出だしから泣きそうになる。「おめでとうございます。」の声が既に震えてる。原稿を持つ手も震える。言葉を発するだけで泣くレベル、ああどうしよう、手で顔をパタパタ扇ぐ。会場ややウケ。

「初めまして!18歳の私です。」から始まる、新婦ちゃんが昔書いた手紙の代読を始める。「未来の旦那さんへ」「お嫁さんになった私へ」の2本立て。ウケを狙ってたとこでちゃんとウケる。
ママ、パパ、から続く文章の代読はきつい。絶対に泣く。絶対に。詰まりつつ読む。
タイムカプセル代読後の自分の文章に呑まれる。1番気持ちが入った言葉だから。泣く。言葉が詰まる。振り絞って震え泣き。マスクしててまだよかった。ハンカチ手に持ってきててよかった。
新婦ちゃんが泣いてるやん。気づいてまた泣く。

〜〜これをもちまして、お二人へのはなむけの言葉とさせていただきます!
ありがとうございました!
パチパチパチパチ
席に戻る。同じテーブルの人たちの顔、恥ずかしくて見れない。ハンカチで目を抑える。隣のテーブル全員泣いてる。
そのあとも私の涙腺バグったまま。

スピーチ時間5分を意識しすぎて原稿の内容としてはあっさりだったの、正解。
でもご参列の皆さまは、高校生の頃の新婦ちゃんの人となりがわかるエピソードをもっとききたかったはず。私しか知らない新婦ちゃんのこと、たくさんあったのに。

でも本当は、私たちの1番の思い出って何だろうって考えたときに、ありすぎて選べなかったんだよ。私にとっては何気ないあの時間全てが愛しいの。今から考えたら毎日同じ教室にいたことが夢みたい。生物の授業で私たち2人だけが先生のギャグに笑って、毎日楽しかった。けど新婦ちゃんは家族のことや介護、手術、お仕事も、いろんなことを乗り越えてきたよね。そう、乗り越えてきた今だから、「これからいろんなことを乗り越えてね」って18歳の新婦ちゃんからのメッセージがもう涙で読めなくなっちゃったんだよ。

新婦ちゃん、元気でいてくれてありがとう。
本当におめでとう。お祝いさせてくれてありがとう。今までで一等賞に綺麗だったよ。

なんで嬉しいことなのにこんなに涙が出るんだろう。こんなに幸せなんだよと18の私たちに教えてあげるとき、時間を遡っていくときに涙が出るのかもしれない。嬉しいことの背景にはいろんなことがあって、その過程を涙なしには振り返れない。しかもそれは走馬灯のように勝手にやってくる。

泣かないように気張る、と思っていたことすら笑えてくるぐらい、大号泣してごめんね。高校のときから新婦ちゃんの胸を借りて何度も大号泣してきたのに、結婚式だけ泣かないなんてことないのよ。今だって書きながら泣いてるよ。新婦ちゃんが主役の、おめでたい式に呼んでくれて本当にありがとう。またすぐに会おうね。

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