blue_scene

伝えたくなったら来ます。Twitterで2つのアカウントを持ち、撮った写真を並べていま…

blue_scene

伝えたくなったら来ます。Twitterで2つのアカウントを持ち、撮った写真を並べています。

最近の記事

  • 固定された記事

五月

どこからともなく花の香りがする 昼間にまっすぐな光が降り注ぐ かき立てられるような 躍動感ある風が巻き起こる ゴールデンウィークの頃 新生活の慌ただしさを乗り越えて迎える休暇は 皆を自然と笑顔にする 大空を悠然と泳ぐ鯉のぼりを眺めて そんな季節、五月が好き

    • 満ちた朝に

      大きく伸びをする。 深く息を吐く。 この一年、とある仕事を与えられていた。それが昨日ようやく終わった。 長い長いトンネルの中にいるかのように終わらない重圧の日々。結局睡眠時間を減らす事でしかこなせなかった。特に年明けからは本当に大変で、正直布団にも辿りつけず何度床で寝落ちしたことか。 ああ、でもそれもちゃんとやり遂げる事ができた。長くて暗いトンネルは終わりを告げ、流れる景色の中で背景に溶けてゆく。遠く小さくなりながら、過ぎてゆく。終わってみたらなんと短い時間だったんだろ

      • はじめての漫画〜鳥山明先生を偲んで〜

         鳥山明先生の突然の訃報を聞き、悔やまれてならない。世界中の人々に愛された珠玉の作品達を思っては、本当に寂しくなる。享年68歳とは、くしくもわが父と同じ。早すぎる旅立ちに、関係者やご親族もさぞかしご心痛だろう。    私が初めて読んだ漫画はDr.スランプだった。きっかけは、親戚のお兄さんが少年ジャンプとコミックを買い揃える人だった事。それで私はもっぱら少年漫画ばかり読むに至ったのだが、本棚にズラリと並ぶコミックの中から最初に選んだのが、当時アニメ化されて見慣れていたアラレちゃ

        • 私が私の写真を嫌いな理由

           Twitter(X)を始めるようになって、フォロワーを増やしたくって、でも何も面白くつぶやけないから、スマホで写真撮って載っけてみたのがきっかけ。そこからだ、ささやかな趣味が始まったのは。  もうかれこれ4年目になった。色んな繋がりができて、そこからリアルに会った人はひとりも居ないのに、知り合いが増えた気分で楽しくなった。  よこしまな気持ちから始めた私の「写活」も、繋がっていく程に目が肥えて、そのうち自分の撮る写真には全く満足しなくなってしまった。そりゃ高いカメラで、時

        • 固定された記事

          心が生まれる場所だから

          人と人とを繋ぐツールとしてのsns。 日常の気軽な交流から、今や災害時にまで力を発揮できるコンテンツに成長した。ただその魅力の裏で、最近あまりに誹謗中傷する言葉に溢れていて悲しくなる。 他が為の 矛(ほこ)を収めよ  言(こと)の端(は)を 花束にして   未(ま)だ見ぬ人へ         すみれ      (※詠む時のペンネーム) 自由につぶやく自由。それは誰かを悲しませる事も、幸せで満たす事もできる—— 世を見渡せば、困難な事ばかり続いている。思い通りにいかない

          心が生まれる場所だから

          月が冷たい夜は

          昨日は満月だった。明けて本日は十六夜の月、まだまだ大きな月は美しく輝いている。  それにしても、初めて見る訳でもないのに、何故満月を見ておきたい衝動に駆られるのだろう。日々満月が近づくまでのカウントダウンが始まり、日増しに丸くなる月をほくほく顔で眺める。そしていよいよ満月の日。ツウはやはり、空へ昇ったばかりを狙う。ひときわ大きな輝きを放つ、昇りたての月。誰かが詠んだようにのっと昇ってくるのだ。  空気が澄んだ真冬は、月見をするには最高だけど、当然とても寒い。そこに満月の

          月が冷たい夜は

          新しい朝

           激しい揺れと津波が襲った街の風景は、13年前の東日本大震災と重なる。諸事情があり、当時の私は募金以外は何も出来なかった。  そして13年後の私。あの頃より強くなり、様々な力こぶもついた。TVに振り回されず、新聞やSNSを眺めて、自分なりに考えるようになった。  両親を亡くした事も、私を変えた一因だ。2人はほぼ歳を同じくして亡くなったが、その年齢から今の自分の年齢を差し引く事で、自分の余命におおよそ検討がついたのである。  おそらく、私はこの先癌を患う。そうなれば、元気で

          葬列のお見送り

           白くくもった空は重々しく、底冷えのする今朝、ご近所の方の葬列を見送ってきた。  葬儀とは地域によっていろんな形があるが、今私が住んでいる地域では、通夜翌日の午前中に火葬、午後に告別式としている(したがって故人の最後のお姿にご挨拶するのは通夜までとなる)。  今回の訃報は、私が日頃お世話になっているSさんの、94歳になるお母様だった。通夜の翌朝、ご自宅経由で斎場に向かうとの事だったので、その際のお見送りをするために、他のご近所の方々と集まった。今回のようにご遺族が近親者の

          葬列のお見送り

          むかい風を歩くんだ。〜全ての成人にむけて〜

           今日は成人式だという。昔と違い祝日が毎年変わるから、私はまわりから知る事が多い。  昨年お亡くなりになった作家の伊集院静さんが、成人の日に文章を寄せておられた。サントリーの広告欄で、もう何年前だったかわからないけど、思わず切り取って引き出しにしまっていた。目にした当時、とっくに私は大人だったけれど、そこからまた生き直した気さえする。  そんな珠玉の文章を、新成人の皆さんに、そして既にベテランの成人の皆さんに、贈ります。 (以下、本文より) むかい風を歩くんだ。 成人お

          むかい風を歩くんだ。〜全ての成人にむけて〜

          空に誓う

          私は思う 人は亡くなった後 その人が生きた中で いちばん良い時の姿になって 天に召されていくと思う そして 光に満ちた天空から 世を生きる私たちを 静かに見守っているのだと 思い出の中の人よ 私は あなたの病を 治す事が できなかったけれど 今を 精一杯に生きて 困難な中にいる 誰かの力に なるからね いつかあなたに会う時に 胸を張れるほどに

          ヨルシカの「晴る」に想う事

           ヨルシカの新譜が配信された。四季を歌うヨルシカの曲、中でも花を大切にする彼らの中で春は特別なのではと思う。今年はどんな春の曲かと楽しみに待っていたら、昨夜配信があった。新年の、初春に合わせた春の曲のリリースは、厳冬期を前にした人々には明るい道標となり、心を優しく支えるだろう。  去年の「春泥棒」は満開の桜が頭上で散る所を歌った伸びやかな曲だったが、今回はわりとテンポの早い曲調。そして言葉選びが多彩だ。  例えば「春」を「晴る」と韻を踏んでいる所。歌詞を見ると漢字で見分けが

          ヨルシカの「晴る」に想う事

          真夜中のひとりごと

           のどかなお正月の雰囲気を叩き壊すような、そんな年明けになった。災難に見舞われた人々に思いをはせ、そして度重なる災いに備えたい気持ちから、ついいつもより多めにsnsに触れてしまい、すっかり心を摩耗してしまった。これは困難な状況の方々に共感しすぎてしまうからだと、皮肉にもまたsnsに教わった。  能登半島地震からまだ3日目。これからさらに厳しい状況があるだろう。地震翌日の悲惨な事故を目にして、さらに動揺したけれど、まずはこの大切な一年をどう過ごすか?計画立てなくては。それから自

          真夜中のひとりごと

          誰かの年末年始

           今日は12月29日。いよいよオーラスに向かい、世の中全体が浮き足だっている。クリスマスには盛大に洋風の季節感を楽しみ、26日からは一気に純和風へと総入れ替え、そこから怒涛のごとく追われっぱなしで元旦を迎えるのだ。  それにしてもまあ、私は自分がまさかsnsをするなんて思ってなかった。だからsns上で、年末年始は休みますね、なんて発信する日が来るなんて思いもしなかった。私みたいに年中追われっぱなしの不器用な人間は、snsをしてる自体アウトだよなと何度も思う。けれど、リアルで

          誰かの年末年始

          実家じまいを終えて

           父が2021年に、母が2022年に亡くなった。特に母は、父の葬儀後すぐ自身が肺がんステージ4だと言い渡されるという、悲劇的な末路を辿った。  仕事をしながら父の病院通いを一手に引き受け、身も心も酷使した挙句に重病を宣告されたのだから、その無念さは筆舌尽くし難い。  遠方に住む私は、ただでさえその距離に自分の無力さを感じていたが、ましてコロナ禍の折である。実家はさらに遠くなってしまった。  もう母の命がいよいよ危うくなってから、母の病院にへ駆けつけ、そのまま二週間付き添ったの

          実家じまいを終えて

          欲しいもの

           長いことショーウィンドウのカメラを眺めては、首を振る。  今、私にはそれを買うお金も、たとえ手にしても使う時間がない。  いつの日か手に入れたい。だからカメラを、写真を、いつも学んでいたいとsnsを覗いたり、書籍を読んだりする。  snsに写真を揚げると、タイムライン上に流れてくる優れた写真と一緒に並ぶ。こうした比較から生まれる学びも、今の時代ならでは。いつも楽しくヘコんでいる。  若くして高額な機材を手に、次々と秀逸な写真を撮る人々には嫉妬するけど、写真は機材で撮る訳では

          欲しいもの

          はぐれ虹

           雪が止んだので、ワイパーを下ろそうと車に手を伸ばした時、何気なく覗いたフロントガラスに虹が映っていた。天気雨でもない穏やかな天気なのに?と見上げたら、ちぎれたような小さな虹が、はるか空の真ん中にふわりと浮かんでいた。  広い空に浮かんだ断片を、偶然捉えたフロントガラス。見つけた私は、これまた小さなカメラでそれを捉えた。