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【エッセイ】後ろ姿


後ろ姿 新世紀エヴァンゲリヲン、とても貴重な作品を作って見せていただけてありがとうございました。 


 感想解禁とのことなので、すこし庵野監督についての短いエッセイを書かせていただきます。 

 少し忘れられない「後ろ姿」についてのエッセイです。 

 庵野監督と出会ったのはたぶん中学生のころです。 

 庵野監督とはほぼ面識はないのですが、この思い出は監督もまだずーっとお若い頃でした。

 僕は16歳の頃で、庵野監督は8つ離れています。

 アマチュア特撮映画「八岐大蛇の逆襲」(赤井孝美監督作品)の制作のスタジオって一軒家を借りているかたちでした。 

 僕は友達と朝早くから「手伝いたい」って、そのスタジオがわりの一軒家に行ったら、庵野さんがひとりいらした。 

 何気なく玄関を開けると、庵野さんはひとり戦車のミニチュアを修理なさってたんです。 

 庵野監督はしばらく僕たちには気づいておられなかった。 

 ただそのひとりで作る「後ろ姿」を見てたんです。 

 たったそれだけの思い出が一番庵野監督らしかった。

 朝早くは普段はどなたも来ない時間帯のはずです。 

 だから、庵野監督はその時間にいらっしゃったと思います。

庵野監督は僕たちに気づき、「あ、君たち、この電柱のミニチュアなおしてください」と山ほど仕事をおっしゃって去ってしまった。 

 ただそれだけです。 

 その「後ろ姿」だけは、忘れられないんです。 

 ひとことでいうと、かっこよかった。

 庵野監督と言えば、あの一人で作ってた「後ろ姿」が今でも、思い出されます。 

 今回のエヴァ、を見てもやはりあの監督の「後ろ姿」がをずっと見てるみたいでした。 

 人間って記憶のなかってすごい小さなこと、を中心に覚えているものです。 

シンエヴァ、すごかった。

 おしまい

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