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そろそろ変わるときーりゅうちぇるさんの訃報を受けてー自分らしく生きようとする人たちが生きやすい社会を

書くか、書くまいかずっと迷っていましたが
考えた末、書くことにしました。

タレントのりゅうちぇるさんのことを、ここデンマークにて、友人を通して知りました。

とてつもない悲しみと衝撃を受け、胸がとても痛いです。

彼が自死だったかどうかは定かではありませんし、原因も分かりませんので、断定する書き方は避けたいと思います
私が感じたことを綴らせてください

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パートナーのぺこさんとりゅうちぇるさんが婚姻関係を解消したとき、りゅうちぇるさんが、
メディアに出ていた自分と本当の自分らしさのギャップがあった、と語っていたのを覚えています

りゅうちぇるさんは、本当に愛する人ーぺこさんという女性ーと出会えたことで、

《異性カップル》(夫婦)という形で彼女と一緒になることができ、お子さんに恵まれた

けれどある時、その紙上の契約だけを解消し、

今まで通りパートナーとして関係を続けていくことになった

この《離婚》が報道されたとき、ペコちゃんが可哀想だ、お子さんが可哀想だ、自分勝手だ、という意見がたくさん出ていました。

けれど、自分が満たされていないのに、どうやってパートナーを、お子さまを、より満たすことができるのでしょう

りゅうちぇるさんの、彼らに対する愛情は微塵も変わらないはずです

子育てもおふたりでされていました

何が必要なのでしょうか

彼らに足りないものを、私たちが代弁することが出来るのでしょうか

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「なりたい自分」になる上で、特に性的アイデンティティなどジェンダーに関わる事柄が問題点になる場合、その葛藤や難しさは想像を絶するものです

人に打ち明けるにも、
まだこの国では理解されがたい

さまざまな「形」や観念に当てはめなければ、
幸せを認知しづらい世の中

けれど、性自認は本当に自分の大きな、大切なアイデンティティのひとつ…。

それについて、あなたのここが悪い、おかしい、などということは有り得ません。(そもそも100パーセントの悪はないと感じていますが)

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りゅうちぇるさんが亡くなったあとにも、
「自死だとしたら、それはダメだ」「残された方が可哀想」「最後まで自分勝手」などという反応を至る所で見ました

アンチコメントをスルーできる日もあれば、心や頭の奥まで入ってきてしまう日もある、とご本人がいつしか語っていました

どんな言葉も悪意も「スルーすればいいじゃん」で終わりにできません

そこにフォーカスをしないようにエネルギーや感情をコントロール出来るようにすることは大切ですが、スルーできない方が悪いわけがありません。

私たちはそろそろ学ばなければなりません

自分らしく生きようとする人を慈しむこと、
共に生きること

自分の隠された気持ちに気づかず知らぬ間に言葉の暴力を振るうこと

又は自分の見えている世界や物差しの範囲で、
最もらしく言葉の暴力を振るうこと

さまざまな考え方や関係性の変化を、
「時代が変わってきているから」と言いますが、

それは色々な価値観がより見えるようになってきたからであって、「新しい生き方」が増えている、という意味ではないと思っています

見えなかったものが見えるようになってきただけ。それを言える世の中になってきたと言うこと。

その過渡期だからこそ、たくさんの反発や反感、差別なども生じているように思います。

けれど、確実にいえることは、100年、1000年後は多様な生き方が当たり前になるということ。それが配慮されるということ。

そろそろ変わるときです

大きなことをしなければならない訳ではありません

価値観を、考え方を、感じ方を少しずつアップデートしていく必要があります

引きずり合い、蹴落とし、受け入れられないものに反発するのはやめたいものです

自分らしさを追求しようとしながらも、
ご自身の繊細さと優しさとのバランスをいつもはかり、なんとか明るい方を見ようとしながら生きてこられた優しい方がこの地上を去ってしまったことはとても残念で悲しいですが

これで終わり、ではありません

彼の願っていたことを、そして自分らしく生きようとする中で様々な困難に当たっているたくさんの人たちが少しでも楽しめる世の中をつくっていくこと。

始まりです

この国で今、「自分らしく生きる」ことをテーマに生きている人たちは本当に大変なテーマに取り組んでいると思います。

私もそのうちの一人なので、とてもとてもよく気持ちがわかります

国が違ったら、時代が先だったら、と思わなくてもいい環境、国になってほしい。

そしてそんな環境を少しでも作れるように、まずは意識を少しづつ変えていくことが、今、この時に1番必要な気がします。

最後に

りゅうちぇるさん

あなたが歩んできた道、たくさん考えてきたこと、辛いことも輝かしいことも、

私たちがメディアを通してでは分からない、色々なあなたが沢山いたことと思います。

あなたのように優しさと繊細さを抱えながら、この時代に特に芸能界というところで、

時代に先駆けた自分らしさを追求することは
本当に辛いことがたくさん、たくさんあったと感じます

それでもそんなあなたの歩みを見せてもらっていた私たちはとても幸運です

あなたの歩みを、生き方を見せてもらえた特に若い人たちにとって、

あなたは確実に素敵な影響をもたらしてくれたと思っています

これからの世界―美しいものもそうでないものも―をあなたは肉体を通して、「りゅうちぇるさん」として見ることが出来ない

その事実がとても寂しく残念だけれど、きっと癒されたあとには、あなたらしくまた人生を歩まれるのでしょうね

あなたのような人が

すべてのひとが

この先、苦しむことなく
自由に自己表現出来る社会を創れますように

お悔やみ申し上げます

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