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亡き人に、はじめまして。

探していた本は見つからなかった。
近からずとも遠からずの本を読んでみる。

著者の【ホーキング青山】さんは、身体障害者の芸人さんだ。
(※障がい、と表記することの安易さを著者が説いていたため、漢字を使うことにする。)

きっと物心ついてからずっとずっと考え続けてきたことを、わかりやすく、誤解を恐れず、けれども理解を求めて伝えてくれている内容だった。

結論は出ない。という結論も、関わるすべての人の真実だと思う。

大抵の人は「生まれてきちゃったんだから寿命が来るまで生きたいと思っている。(中略)たとえ家族や職員にどんなに迷惑をかけても、世間からヒンシュクを買うくらい税金を使ったとしても、生まれてきちゃった以上は生きたい。それだけだ。」

という、【やまゆり園事件】について言及した中での一文が心に刺さる。

24時間テレビに対する違和感や、乙武さんのことなど、たとえ批判であってもフェアな視点を忘れない。
著者はすごく優しくて頭がいいんだろうな。

ホーキング青山さんてどんなひと?
ググってみた。
驚く。昨年、ご逝去されていた。

なぜ、このひとを知らなかったんだろう。
とても残念なキモチになる。

【多様性】の議論、【権利】の主張、それによって救われる人もいれば、かえって生きにくくなるひとも出てくるだろう、そんな現在。
どう思うだろう?
未来を見たかっただろうなあ。


ところで【多様性】といえど、圏外に【オバサン】という生き物がいる。
透明化しているため人々の視界に入らない。
仕事をしても家事をしても、たまのオシャレをしても、世の中には見えない。

母親からの
『この服とこの服、どっちがいい?』
の問いに、心の底から

どっちでもいい(どうでもいい)。

と思ったものだ。

でも今なら分かる。
世の中はオバサンたちが支えているのだと。
家でも外でも、オバサンの気働きがあってこそなのだと。
ダラダラ寝ている姿も、干し芋みたいでいいよね。安心感を与えるよね。

透明で見えないけれど。


ホーキング青山 
1973年東京都生まれ。先天性多発性関節拘縮症のため、生まれたときから両手両足は使えない。お笑い芸人、漫談家、作家。
『考える障害者』新潮新書

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