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本を読んで考える003

 久しぶりにアドラー心理学に帰る。岸見一郎先生の著。

 本著はリーダー論としているが、アドラー心理学にしてみれば対人関係一般論だと思う。アドラーはそもそも対人関係は対等であるべきと横の関係を論じているので、縦の上下関係を有害だとする。
 ほめることも、叱ることも、カリスマも対等な対人関係ではないから弊害が発生する。それらは全て現代リーダーシップの誤解であると説く。

 生産性で個人の価値は決まらないとしてはいるが、課題の分離などはドラッカーのマネジメントと通づる点もある。マネジメントは対人というより組織論。オーケストラと指揮者の対比は全く同じ。

 どうしようもないことだけれど、日本社会が長い年月をかけて間違え続けてきてしまった、賞罰教育と競争社会が生み出した弊害が憎くて忌々しくてたまらない。
 現代日本の組織の多くが、成果云々ではなく、ちゃんと機能していない。

 アドラーの幸福は、社会参加した上での貢献感とか、共同体感覚にある。一方で今の僕は、資本主義社会の中で成果=利益が増大することによって、分配出来る幸福が増えるんじゃないかと思っていて、この何だか馴染まないような二つの幸福の間を、まだまだ行ったり来たりしなきゃいけないなと思う。

 あと、嫌われる勇気を取り違えてはいけないことと、不完全である勇気。

#本  #読書 #アドラー心理学 #ビジネス書 #ほめるのをやめようリーダーシップの誤解 #岸見一郎

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