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STATE OF FLORIDA vs CHARLIE ADELSON (フロリダ州対チャーリーエイドルソン):~その①~有罪か無罪か

今、アメリカで世間話の対象になっているのが、ABCが全国的に調査報道して全国的に有名になった殺人事件のケースで、ユダヤ人の自分の義理の弟を差別して嫌悪し、家族全員が「謀って計画し」、プロに金を払って殺させた、と言う重罪で、謀殺罪、および共謀による第一級殺人罪で逮捕された白人の歯科医(47歳)と彼の家族の事件。この事件で、家族全員が一時逮捕されている。被害者の元妻、母と父親は釈放されるも、次男はそのまま逮捕、刑事法違反で訴追された。

現在、刑事法法廷で裁判になっている、この家族の次男の歯科医のケースが取り沙汰されている。何故か。家族の構成が良く見られる共依存の世界だからだ。子供が親の考えで制御され、親の考えで金や人生を粉にして奮闘する。アメリカでも日本でも、よくある事だ。

アメリカでは、「有罪か無罪か」と訊かれたら、このどちらかをはっきり決定するため、アメリカではほぼ90%の人が、この報道の後、当該家族について有罪の印象を持っていたのだ。だが、自分の家族がこの事件の中央に位置していたら、自分は何をするのだろう、と問題提起する人もいる。

殺された義理の弟は、フロリダ州立大学の教授で、大学の校外でもレクチャに参加するなど、地域的に有名人で、自分の妻が息子達にもつ教育方針が自分と違う事から (彼はユダヤ教であり、クリスチャンである彼女にクリスマスのイベントや祭日の習慣などをユダヤ教のソレに変える様に要求し)、妻と対立し、さらに時間の経過で離婚となり、親権の事で対立中の妻の実家へ自分の車で息子達を迎えに行くためにその車に乗った直後に頭を撃ち抜かれて惨殺された。


被害者ダンマーケル教授。
自宅のガレージで後方から二度頭を撃ち抜かれ、
14時間後に出血死。親が確認できないような状態で惨殺された。

ヒットマン(殺し屋) を雇って殺害事件を齎せるという行為は、殺人者と同様もしくはより厳格な量刑を受ける事となる。人生が懸かっているのだ。

写真の被告人は、州警察とFBIで盗聴された母親の電話の声を聴いて、ジィ~ンとしながら、必死で下を向いて泣くのを耐えている姿。

孫等の教育問題について家族と被害者は対立しており、ユダヤ人としてのユダヤ教教育を二人の息子にしたいと希望する被害者を被告人の家族全員で嫌悪し、クリスチャンに変えようとしたりしてたくさんの対立関係にあった、と言う証言がある。

チャーリーの両親は、一時逮捕されたりしたが、州検察側では、年齢が高いため、彼等への訴追はあきらめられたりしている。

被告人は被害者の義理の兄であり、被害者の妻のすぐ上の兄である、歯医者の男の裁判を、アメリカの原語で生中継の放送されたプログラムで見た。ABC放送は、特別報道のプログラムで、FBIと組んでこの家族の電話や会話を盗聴している内容をすべて公開。お蔭で、全国でこの番組を観ている為、この裁判に陪審が選ばれる際に苦労した、と聴いている。


関係図:ピンクラインに包まれてるのが謀殺犯。紫下線が被害者。黄色下線が家族。
被害者の上に元妻、彼女の左横に両親。黄緑がチャーリー被告(彼が黄緑線下の彼女のケィティに一億ドル出してピンクの実行犯二人に被害者殺人を依頼した、と検察は考えている。

今日、丁度被告人質問で彼が証言したのだそうで、ライブでYouTubeで夜中まで見ていた。だんだん、一日が経過して、顔色悪くなるこの人の顔に疲れが見えて、同情を禁じ得なかった。

両親が歯医者の歯科医院を経営しており、その両親を支え、好き勝手して家を出ていった兄の代わりに一家を支えた。現金を金庫に置いて金を貯め、やっと独居を構え、彼女も作って楽になってきたところで、この災難に遭遇した、と言う感じ。

大体、裁判テレビのケースは、如何にも犯人然、とした悪顔の犯人が多いのだが、この人物は、家族思いで、ユーモアに富み、家族の中では道化役で、困った時に相談に行く、家族の妹(死んだ被害者の妻)を大切にしている兄として、両親には頼りになる息子として、仕事や家庭で実家に不在の兄に変わって家族を守ろうとしていた。

また、ガールフレンドの子持ちのヒスパニックの女性と恋に落ち、母親が反対する中、彼女に謂わば捨てられて(子供がいた彼女は親権の事で検察側に脅かされ) 彼の弁護チームから検察へ乗換えられても、まだ彼女の事をを忘れられていない。一途で真面目な一面を見せる。


キャサリンマグブワ被告(左)は、
既に第一級謀殺犯として有罪となり、
彼女はボーイフレンドのチャーリーエイドルソン被告(右)
を共謀犯として自白し、彼の裁判で検察側の証人として証言した。

この被告人は、私から見ると、非常に同情できるタイプの純情な男だった。弁護人が非常に彼に同情し、
「彼は無罪だ。騙されてたんだ。私が彼を絶対に無罪にする」、
と勢い込んで裁判でハッスルしていた。

この弁護人は、有能な弁護人で、良い質問をたくさんする人で、裁判するなら、動作心理学者で元刑事が、「こんな弁護人が必要だ」と云う程、立派な弁護士であるように思った。

皮肉な事に、この殺人事件は家族関係を絡めて発生している。

殺されたフロリダ州立大学のマーケル教授は、前の妻が息子たち二人を連れてフォートローダーデールへ移転 するつもりだったのを、裁判で止めさせ、妻が兄(被告のチャーリー)や母親など、家族が周囲で介入し、事が深刻になっていた。

CHACHAがこの事件の裁判テレビを見始めた際に、丁度、この殺人裁判では、被告人証言が弁護側で実施されていたので、被告弁護人の被告人への質疑応答、約7時間分の放送をダイジェストバージョンを半分くらいの時間で、視聴した。

翌日、検察から厳しい反対尋問を受けている。

検察から反対尋問される被告人。恋人と家族に金を使い果し、保釈金が払えず、
刑務所で裁判を待ってる間に殴られた左目が痛そうだ。昨日7時間以上証言し、
今日は今日で7時間、反対尋問を受けた。

CHACHAは人が好いので、つい、
「ん~、彼は無罪だな、下手に巻き込まれて出て行けなくなった感じに見える」
と、思ってしまった(笑)。説得されやすいCHACHAである😅マスターハゲ様に言わせると人がいいのは「真ん中に在る」事なのかなぁ。だとしたら、CHACHAは超真ん中だ。

裁判テレビ(COURT TV) では、各州の裁判所に行き、国民の「見て、知る権利」を説明して裁判所が承諾したら、事件の最初から最後まで、カバーする。

この歯科医の被告人は、調べてみると、よしゃあいいのに、家族全員で謀殺恐喝事件を作り上げた疑いがあり、殺人犯から恐喝されていたと言う相互理解も絡んでいて、フロリダの州警察がFBI、ABCと組んでビデオテープや盗聴機器を使って調査報道、捜査して、裁判官との会議以外はその姿を直にすべて、有るがまま、ABCが放映した珍しい事件だ。報道当初は、詳細がわからず、この家族が悪役に仕立てられた様子。

また、彼のヒスパニック系の彼女は、実はこの「恐喝」事件の主犯だった事が判明し、弁護人に説得されて実は自分のガールフレンドに旨く操られていたことが分かった。可哀相な人だ。

しかし、日本では有り得ないストーリー展開で、実は殺人プロットは恐喝プロットから出ている、とも弁護人が話し始めていて、非常に面白い。同時に検察官も推理小説を読んで犯人を見つけるような状況だ、と発言しているので興味深い。

丁度、連休の休みに楽しめる事だ。


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