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シューズ紹介① Asics/MagicSpeed 3 (1との比較)

先日、レースシューズとしてMagicSpeed3を導入しました。初代も発売して割とすぐ買いまして現在は400kmくらい履いてます。2は飛ばしたのでわかりません。
※長いので以下、「1」と「3」で表記します。

レースシューズならMetaSpeedシリーズじゃない?と思われる方もいるかもしれませんが、私の走力だと履きこなせないであろうということ、そもそもトレイルが軸なので履く機会が限られる高価格帯のロードレースシューズはまだ要らんな…という理由があります。まぁ、、、シンプルに高すぎるよね。同じ額で100マイルレース参加できるよ…

MagicSpeed3はかなり評判が良かったので期待してました。実際履いてみると想像以上で、ロードシューズの中で私がこれまで履いた中で最高傑作じゃないかと思うほどです。はっきり言えば1とは全く別物であり現在主流のシューズに必要なものが非常に高い水準でバランスよく設計されている、という印象です。価格帯を考えるとすごい。

あまり写真ないのですが比べてみましょう。

上が1、下が3

一見しての通り全く別物として作られています。

ソール
FF Blastから+になりました。これは一番体感的にもわかりやすいところで、1は硬めだった接地感が3は柔らかくなってます。フォア、ミッド、ヒールいずれも柔らかい。

カーボンプレートの恩恵もあり安定性も良く、左右ブレは感じません。私は結構接地が雑なのでこの点が特に衝撃的でした。

パターンも全然違う

1は雨の時滑りやすい、と言われてましたが3はどうかな。どちらも青天時に使っただけなのでわかりません。

カーボンプレート
1は謎のハーフレングスカーボン仕様でしたが、3はフルレングスカーボンです。確か2からだったかな?

このクラスのシューズだとカーボンプレートは推進力を生み出す、というよりは接地安定性に寄与するパーツだと考えておりますが先述の通りかなり機能しています。1と同じく特定のスピードからがスイートスポットというか、ある程度速くなると推進力が体感的にも増してくる仕様です。だいたいキロ4:20より速いくらいかな。なのでジョグペースだと持て余します。

ロッカー
ここも大きく違う点。フロントのロッカーがかなり効くようになりました。これは歩いただけでもわかるレベルでちがいます。かなり「転がる」ソールです。脚がまわされる、とも。
私はエナジーセーブが主眼のEvorideSpeedをデイリーシューズにしていますが、それ以上です。履いたことないんですがGlideRideとかこんな感じなんじゃないかな。

後ろから。ミッドソールの構造からして別物

アッパー
MetaSpeedシリーズ同様のモーションラップアッパーに変更。めちゃくちゃ薄いですが耐久性もそこそこありそう。フィット感は抜群です。導入の恩恵がでかすぎる。

指が透けるほど

フィット感の改善という点では足首周りもかなり良くなって、ヒールカップに厚みが出たことで踵がピッタリ、かなりフィット。1はヒールが硬く薄いので、靴下によっては少し擦れたりそもそもフィットに遊びがあってイマイチでした。

厚みが全然違う

実走した感想

実際に2回履いてみました。
※1回目が10kmのペース走、2回目が30kmのレースペース走
ここからは画像なし。

まず最初に頭に浮かんだのが、走りやす〜!というアホみたいな感想です。とにかく楽に進めます。ソールが柔らかいのにブレず、筋力を全然使わない。それでいて軽いので脚を回すのも楽。股関節がかなり使われます。

感覚的なところで言えば他のシューズと同一の心拍数でキロ5秒くらい速くなり、かつ脚全体へのダメージ激減とランニングエコノミーが大幅に改善されるというイメージです。これくらいかな?という体感速度より実際の数値が速くなります。

それらは30km走った時点で顕著であり、疲れていても負荷が少ないのでペースが派手に落ち込まず進めました。脚の痛みが少ない。疲れたらある程度シューズに頼れます。

走りのポイント
シューズ自体のサポートがかなり強力なのでそれに委ねた走り方になります。
具体的に言えば
・末端で走らない(大きな筋力を使う)
・重心移動で走る
→蹴らない
・ストライドを無理に伸ばそうとしない
・体のラインをちゃんと線にする
・接地位置を真下にする

というランニングの基本ですね。
これが出来てる時はグンっと進みます。

ソールの特性もあり、瞬発的にスピードを出すために踏み込んだ時の反発は1のほうがコントロールしやすいな、とは感じました。なんというか、ひたすら一定のペースで刻むことを意識して教科書通り淡々と進み続ける、まさにフルマラソン向けのシューズです。

つまり逆に言えばインターバルなど瞬発的な練習は1のほうが向いているし、細かい筋力を本当に使わないのでデイリーユースには非推奨。
使用する筋部位が偏り、私はメインがトレイルなのでそれはよろしくない。なのでジョグには使いませんし、そういう意味で1はスピード強化のポイント練用として全うしていだけそうです。

おそらくこういうシューズだけ履くと、よく言われるようレース終盤にハムストリングスが張って失速するとか、筋力不足に由来した現象が起きそうです。あくまで走るのは人であり、シューズに頼りすぎず自力をちゃんと鍛えましょう。
3はクセがなく履きやすいんですがあまりに矯正力が強いのでまたフォームが出来上がってない人や走力がない人は長期的に見て恩恵を受けられないと思います。

かなり気に入りましたので、別大でもこいつを信じて走ります。現状仕上がりは良いので、どれくらい手助けしてくれるか楽しみです。

2024/05/09: 追記
別大はこいつで練習を積めたおかげもあってPB更新。ただやはり懸念していた通りハムストリングスにダメージが集中し、大会後は2週間ほどまともに走れない状態に。おそらくカーボンではなくロッカー構造自体が推進力として強烈に働くため、ハムストリングスの伸縮運動が普段より高い強度になるのではないか?と仮定してます。

そのあたりは痛めた際にゼロドロップシューズやルナサンダルでは痛みがないのにエボライド等で張りがあったことからの推測です。
やはりデイリーで筋力を鍛えるなら色々なシューズで中長期的に様々な部位を鍛える必要があると感じた出来事でした。

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