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お味噌は味わいが変わっていいと思うんです...

私はお味噌のポタージュスープ「みそポタ」というものを企画、販売しています。

商品企画の現場で最近思っていることがあります。
お味噌のことなのですけれど...

お味噌の味わいや色って
買ったばかりの時と時間が経った時と比べて、
変化してもいいと思いませんか?

お味噌は菌が活動して発酵します。
そのため、お味噌が生きていると発酵が進んで味わいや色が変わってきます。

この発酵を止めるためにメーカーさんは「酒精(=エチルアルコール)」を入れて菌の活動を抑制しようとします。

例えば、パック詰めのお味噌。
菌が活動し続けると呼吸して袋が膨らみ、ひどい場合にはパンクするらしいです。

確かに売り場でお味噌がプチ爆発したら怖い...

また、特に変化しやすいのが「白みそ」です
菌の活動が盛んになると、白みそは白い色から褐色に変化し、もともと塩分が少ないので、味わいもぼんやりとしたものになります。

だから白みそには酒精を使うほか、冷蔵保存というのがセットになっているものが多いです。菌が活動しにくくなりますから。
(余談ですが、私は冷凍保存を強くオススメしています)

さて酒精の話に戻ります。
こうした品質の変化を避けるため
メーカーさんは酒精を使われます。
その気持ちも少しは理解はできるのですけれど..

ぬか漬けもつかりすぎると酸っぱくなる。
キムチも日がたてば酸っぱくなる。

それが自然だし、
それもまた酸っぱくなるのも味わいだと思うんです。

酸っぱいキムチに胡麻油かけて食べると美味しいですし。

でも作り手のメーカーさんの側からはこんなこと口が裂けても言えませんよね...

いえね。
最近ね、みそポタでも使用させていただいてきた
無添加のお味噌に酒精を入れますよという連絡が
くることが増えてきて心配になってしまったんです。

食品添加物が入った原料についてはうちは受け入れられないので、
今後、みそポタにこうしたお味噌は使えなくなってしまいます。

今まで無添加だったということは、
こだわりがあったからこそ。

だからこそ、
酒精を使ってこられなかったはずなのに、残念でなりません。

コロナのこともありましたし、
時間経過と品質とのにらめっこもあり、
変更されるしかなかったのかなと理解もできます。

ただ。
お味噌の最終利用者である私たちが
こうした自然に変化する味わいの「揺れ」のようなものを、
もっと寛容に受け止められるようになれば、

もっと食品添加物を入れなくて良くなるなぁ、

と...
お味噌の仕様変更で、
みそポタのレシピ変更も余儀なくされバタバタする中、
考えたのでした。

昔はきっと「あ、発酵が進んでるわぁ♪ ちょっと味がボケてる」で終わってた話だと思うんですよね。

こうした部分は大らかだった時代に戻したいです。





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