見出し画像

農家さんにも、地球にも、いただく私達にも優しい【 富士酢 】が出来るまでのお話(飯尾社長/飯尾醸造/京都府宮津市)

飯尾醸造さん

少しご無沙汰しておりました。
糀美人を訪ね歩くYouTubeを立ち上げる動画を配信しはじめてから、益々「発酵」の虜になり、日々研究を重ねています。

その活動の中で、お肉の手当てのプロフェッショナル新保さん

「発酵やったらお酢もそうやんな。富士酢の飯尾さんは素晴らしい人やで😊 会って話したら分かるわ。」

と言われるので「ご紹介ください❣️」とド厚かましくお願いし、先日飯尾醸造さんにご一緒いただきました。

お酢はお酒から作るのですが、もはやお酒からお酢を作る会社はとても稀だそうです。その上、飯尾醸造さんは無農薬栽培にこだわった米作りからされているので、そうした意味では日本で唯一のメーカーさんです。
そのため、お酒を作る場所とお酢を作る場所の二か所を見学させていただきました

米作りの解説

農薬を使われないので雑草問題はさぞかし大変だろうと思っていましたが、写真左のロール紙を田植えの時に使い、苗を植えると1ヶ月ほど雑草が生えないそうです。
この紙はリサイクル紙で環境にも良く、紙なので自然に溶けて土に還るそうで、こうした技術の進歩って本当に素晴らしいですね❣️

驚いたことに契約農家さんにも、このロール紙やロール紙を使って田植えできるトラクターも無償で飯尾さんが貸し出すので、農家さんはコストを抑えて米作りができます。
しかも❣️
一般の買取価格の数倍で飯尾醸造さんがお米を買い取るお約束にされている
ので、契約農家さんも利益を心配することなく米作りに集中できるということですね。

飯尾社長が「当社は出来る限り高く契約農家さんから買い取るようにしています」と言われた時の凛々しかったこと✨

精米器の前で

精米も自社でされることを選び、精米器を導入されています。自分で育てたお米を大切にされていることに加え、業界での驚くべき大人の事情があることをこっそりと教えていただきました。

麹を作るむろ(中には入れませんでした)

そして、今や糀も機械で自動で仕込むことが多くなっていますが「昔ながらの製法にこだわるのなら」ということで、手で糀を仕込んでいらっしゃるそうです。麹のお世話には職人さんが3日泊まり込み。
何度も言いますが、飯尾醸造さんは酒蔵ではありません。
お酢を作っておられる醸造会社なんですよ💦

お酒を熟成させるタンク

このタンクで実際にお酒を醸造されるのですが、当然のことながら通常お酒を作るには免許が必要です。
作ったものに対して酒税も支払わなくてはいけません。
お酢の材料としてのお酒についても厳格に管理する必要があり、このタンクの横の文字の下から2番目の3.36465 というのは、
タンク1mmの深さ=3.36465リットルに相当するという数字だそうです。
大きなタンク1mm単位で管理をされてまで、昔ながらの製法にこだわっていらっしゃるとは凄すぎます..

そして醸造されたお酒は絞って、もろみ(酒)と酒粕に分けます。
お寿司屋さんでいただく赤酢の原料として使われる酒粕も飯尾醸造さんでしっかりと発酵&熟成されていました。
写真をよーくご覧ください。
何と2006年の酒粕です!(驚)
香りはブランデーのよう❣️

今から16年前の酒粕を発酵させて作る赤酢。

もうここまで行けば【変態】の域ですね(いい意味で..w)

昔ながらの製法

そしてそんなに大切に仕上がったもろみ(酒)で仕込むのですからもちろんお酢の仕込みも昔ながらの製法。

アルコールと水の比重の違いを活かして、酢酸菌がゆっくりと樽の中の材料をお酢にしていくのを時間をかけて待つそうです。
別の製法ならもっともっと早くできるそうですが、それを選ばないのも本当に素敵です。

そのため米作りか完成まで飯尾醸造さんでは通常のお酢でも約2年の歳月がかかるそうです。

利き酢

最後に「利き酢」をさせていただきました。

わかりやすいように、と一般的に流通している他社さんのお酢も一緒にいただいたのですが、当たり前ですが、全く違います

酸味があるのに、舌だけでなく、喉へもまろやかでとにかく旨味があって美味しかったこと!!!!!

富士酢は全国で流通しています。

このnoteをご覧いただいた上で、召し上がっていただくと富士酢の味をさらに満喫いただけるのではないでしょうか。

また宮津市には、飯尾醸造さんが経営されるイタリアンレストラン アチェートがあります。
こちらでも飯尾醸造さんのお酢が使われたお魚中心の美味しいお食事を召し上がっていただけます。

アチェートさんにて



〒626-0052
京都府宮津市小田宿野373
株式会社飯尾酒造

〒626-0016
京都府宮津市新浜1968
aceto アチェート
0772-25-1010

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

後日、YouTubeで飯尾さんに蔵案内およびインタビューにお答えいただきました。飯尾さんの特別動画を、ご覧いただければ嬉しいです。

🔳第1回:
日本で唯一お酢専業でアノ免許を持ってます【飯尾醸造さま】https://youtu.be/6k5C3pnij_E

🔳第2回:
赤酢プレミアムが完成するのに16年かかる理由
https://youtu.be/3Yz2Ox3gYl4

🔳第3回:
最高の味を追求する飯尾醸造の静置発酵。非効率な容器こそが鍵!
https://youtu.be/aLbPRMUpntA

🔳最終回:
飯尾醸造の唯一無二の魅力。 米農家からも愛される理由とは?
https://youtu.be/ukTmHO5XiZs

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。 気に入っていただければスキ&フォロー& サポートいただければ嬉しいです。