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漫画みたいな毎日。「試される極主婦道・静かなクリスマスの朝に。」

サンタクロースは無事に任務を完了してくれたようだ。

昨日は、予定している勉強をすっ飛ばして、長男が朝から豆腐クリームを作り、ケーキのスポンジを焼いてくれた。

スポンジを焼くなら、おやつのケーキをあと2台、一緒に焼いてくれない?
オーブン動かすなら、折角だから!という私の希望に、

OK、いいよ。

と、軽く応えられる位に、長男はケーキ作りに慣れたのだろう。

長男がケーキを焼いてくれている間に、私はクリスマスイブの夕飯の支度を進める。

子どもたちのリクエストは大雑把で、「クリスマスっぽい夜ご飯」

それってどういうの?
七面鳥とか?
子どもたちへの聴き取りをして、
メインメニューはチキンカツに。

あとは、
サツマイモのポタージュ
スモークサーモンのサラダ
じゃが芋と長葱のグラタン
パスタを2種類

長男がケーキを焼いてくれたし、あとで、夫が子どもたちとニンジャーマン(ジンジャーマン)クッキーを焼いてくれることになっている。

うんうん、十分ご馳走っぽいだろう。

夕飯の支度の合間に御節の支度も組みつつ、
ちょこまかと動く私は、巣作りや食料運搬に勤しむ生き物のようだ。

夫が御節の材料の買い出しに行ってくれ、クリスマスディナー用の鶏肉などもお願いしたが、衝撃的な連絡が。

鶏肉がひとつしかない!

食べ盛りの男子の存在する我が家で、鶏肉一枚のチキンカツで足りるはずもなく、強制的にメニュー変更を余儀なくされる。

いきなりメインメニューの変更ですか。
試される大地、北海道。
試される極主婦道。

冷蔵庫・冷凍庫とにらめっこする。

このところ、御節の下拵えをしたものを冷凍する為に冷凍庫の食材を積極的に消費していたこともあり、ストックが少ない。うむむ。

しかし、極主婦道を(勝手に)目指す者として、家政を取り仕切る者として、ここからが、本番である。

お弁当用に冷凍していたウインナー。お正月の竜眼巻用のうずら。
よし、これで串揚げにしよう。

小麦粉の代わりに片栗粉。
パン粉の代わりに、高野豆腐をフードプロセッサーで細かくしたもの。
小麦粉で不調を訴える長男対応レシピである。
高野豆腐の衣は、なかなか優秀で、表面がカリッと揚がる。

夫が買い物から帰宅した。
土曜でクリスマスイブ。
スーパーはどこも駐車場も店内も混雑していて、時間がかかったとのこと。お疲れ様、ありがとうございます。


ディナーメニューに選んだジャガイモと長葱のグラタンは、もう20年近く作り続けているレシピだ。ジャガイモを南瓜に変えてもいいし、薩摩芋に変えても美味しいが、ご飯に甘いおかず、というのが私は苦手だ。だから、ジャガイモで合わせるのが一番好き。

グラタンソースは、二男が牛乳にアレルギー傾向があるので、生クリームやバターは使わず、絹ごし豆腐で作る。

そこに、白味噌、塩、オリーブオイル、粒マスタード、レモン果汁を加える。白味噌を入れることで、コクが出て、粒マスタードやレモン果汁で豆腐特有の豆臭さが無くなるのだ。

ジャガイモと長葱とニンニクと鍋に入れ、塩を少々入れて少なめの水で蒸し煮にする。月桂樹を数枚入れると、香りがぐんと良くなる。

さて、ジャガイモの皮を剥こう!と二袋のジャガイモの封を切る。

おや?

一袋のジャガイモが、全て青い。

試しにひとつ、皮を剥いてみる。
中身も青い。
うむむ。

じゃがいもは光に当たると緑色に変色してしまう。

じゃがいもの緑色になった部分には、ソラニンやチャコニンという毒素が含まれているといわれている。緑の部分に含まれるソラニンなどの毒素は、大人でもお腹を壊す可能性があり、子供やお年寄りなどは食中毒を起こす危険性もあるとか。

だめだこりゃ。

しかし、今から、また夫に、混雑しているスーパーに行って取り替えてもらうとか、気温が高く、今にも車がはまりそうなザクザク雪道を、わざわざ行ってもらうのもどうかと思った。

とりあえず、ジャガイモのラベルに記載されている、お客様サービスセンターに電話をしてみることに。

別に苦情を言いたいわけではなく、状況を知っておいてもらうのが、今後の自分の為であり、他のお客さんにも無駄がなく、お店にとっても悪いことではないだろうと、電話をする。

サービスセンターの方は、気持ちよく対応してくださり、買った店舗から連絡をしますとのことだった。

しばらくして、買った店舗からも電話があり、「今から代替品を届けましょうか」と言っていただいたが、お店も忙しいだろうし、道の悪い中、わざわざ来てもらうこともないですよ、とお断りした。後日、買い物に行った際に交換か返金で対応してもらうことにした。

いわゆる、「クレーム」と言われる種のことを自分が発する時に考えることがある。

「私が、どう対応するかを、子どもたちは見ている。」という事だ。

余程の事がない限り、平和的に済ませたいと思っているし、嫌な言い方や態度で、高圧的に物を言っても、何の解決にも、改善にもならない。何に困ったかを理解してもらい、次に繋げてもらいたいから、伝えるのだ。

お客様だから偉いなどと、私は思っていない。

スーパーがなければ、私達は、困る。そこで、売ってくれているから、働いてくれている方々がいるから、欲しい物を簡単に手に入れることができる。

売っている側、買っている側、お互いに敬意を払って、気持ちよく付き合えたらいいと常々考えている。

子どもたちが、何か困ったときに、苦情を伝えなくてはならないときに、感情に任せて相手を責め立てるのではなく、建設的に解決してもらうひとつの選択として、私や夫の対応を頭の片隅に置いていてもらえたら。

そんな気持ちで、お店に電話を入れる。

ジャガイモは明らかに足りない。でも、買いにいくという選択をしないのであれば、どうする?

夫はたまたま見切り品コーナーにあった長芋を買ってきてくれていた。
子どもたちは長芋が大好きだ。
いつもは、焼いたり、すりおろしてとろろご飯にしたりしている。

うん、今日は、グラタンに入れてみよう。
きっとホクホクして美味しいはずだ。

夫は子どもたちと、大量のニンジャーマンたちを作ってくれた。
子どもたちは粘土細工を楽しむように、クッキー作りをしていく。
大人では考えつかない多様なニンジャーマンクッキーたち。
見ているだけで、こちらも楽しくなる。

クリスマスの醍醐味はこんなところにあるのだろうな。

なんだかんだあったけれど、クリスマスイブの夕飯は無事に食卓に並び、
子どもたち用に買ってあった林檎のスパークリングジュースのコルク栓を夫が開けようと準備する。

「ちょっとだけ、ポーン!って音がするよ~!!!ちょっとだけだから、怖くないから、大丈夫・・・」

そういって、夫がコルク栓を緩めた瞬間・・・・

シュワー!!!!!!

林檎ジュースは、勢いよく放物線を描いた。

メリー・クリスマス

林檎ジュースは、室温で温まっていて、中の圧が上がっていたのだ。

北海道の室内は暖かい。
断熱材万歳。

大人用のシャンパンを慌てて冷蔵庫に入れた。明日飲もう。今日は、違うお酒で乾杯だ。

少なくなった林檎ジュースを子どもたちは笑顔で飲み、ご馳走の並んだ食卓に満足そうであった。なにより、なにより。

食後のデザートは、長男の作ってくれたケーキを囲む。
ケーキにろうそくを立て、歌う子どもたち。

「ハッピバースデー♪ ディア ジーザ~ス♪♪」


なんとなく、違うような、違わないような・・・・。

神よ!ありがとうございます!
今年も穏やかにクリスマスイブを迎えられました。

無宗教な私たちですが、
キリスト様にも、
お釈迦様にも、
八百万の神々にも、感謝を込めて。

どこまでも、極主婦道を試されるクリスマスイブ。

キリスト様の生誕前夜祭はこうして幕を下ろしたのだった。



多様なニンジャーマンクッキーたち。


長男が作ったクリスマスケーキ。


ニンジャーマン作成中の二男と末娘。


なんとなくクリスマスっぽいメニュー。

学校に行かない選択をしたこどもたちのさらなる選択肢のため&サポートしてくれた方も私たちも、めぐりめぐって、お互いが幸せになる遣い方したいと思います!