ゆいきゆうすけ

大人しい子だった。 子宮から流れてきても泣く事は無かった。空気を読んで笑ってみた、みん…

ゆいきゆうすけ

大人しい子だった。 子宮から流れてきても泣く事は無かった。空気を読んで笑ってみた、みんな笑っていた。

最近の記事

円盤は回る

くるくると回転する。 中央に貼られたシール、レーベルだとか曲目とやらが書かれているが回ってしまえば最後、それは針が別れを告げるまで無機質な情報を失ったデザインへと変わる。 私の部屋でしか鳴らせない音が分かる。どんな違いがあるか知る必要はない。 振動が心臓にこだまする、掘られた溝に沿うように舞う。 このレコードプレーヤーやらスピーカーを手に入れたのは随分と最近なもので、菅元首相によって忍ばせられた10万円、私に新しい音楽の聴き方をくれ、そう願いを託した10万が運んできたもの

    • ゴジラ−1.0 戦後の閉塞感との邂逅

      ※ネタバレを多く含むと共に、登場人物やあらすじを省いてあります。 読み難くなる所もありますが優先したい部分があったのでご理解の程お願いいたします。 日本人としてゴジラを観る事ができる。 その価値が詰まっている。 と言いながら、このゴジラ−1.0は私にとって初のゴジラシリーズの映画になる。 1作目がこれで良いのか、そんな一抹の不安は暗転と共に去る。 まず特筆すべきは大戸島でのゴジラのカメラワーク。 ゴジラが整備兵を口に入れ、海へ捨てる。そのままピントがゴジラの足元に合わさり

      • 花粉巻き上げる日々

        2月12日 犬が私に近づく。その目は興味の色か、はたまた攻撃の色か。 私がじっと見つめるも刹那、リードを引かれピントが飼い主の目に合う。犬の目が薄れる。 花粉を纏いながらも陽の光を浴びたくて扉を開けたらコレだ。目がかゆい。それでも関心を向けられるだけで喜ばしい。犬は愛おしく、飼い主は…、どうでもいいのだが。 休日に外に出なくなって久しいが、公園には子供の群れと付き添うは父親。休日の象徴。あまりに健気な微笑みと甲高い笑い声は、父と子の関係から産まれる。決して子と子の社会からは

        • 空って鳥だけのものですか?

          ああ、人間の強欲さを知ると気分が悪い。 答えはNoとは言えない。だろうか? だが君はこの質問をした奴を思い浮かべたか?青い背広と白く光る歯をこれみよがしに見せつけ、『これがイノベーション』とでも言いたげな顔をしてる。 行き過ぎた解釈。つばさを広げたい、そして飛びたい。そんな欲の景色に鳥はいない。 鳥は泳ぎたいとは思わない。僕らには歩く土地がある。そこから上へ見上げて自由を感じる。そして飛んだ瞬間に自由は消え去ってしまう。それは知識を得るばかりに産まれてくる可能性を秘めてい