『6次産業化』って言葉が難しいよね

 先日、地元の複合施設ラポルテ五泉で「6次化ネットマルシェ」が催されました。

 私たちサンファーム泉も一出店者として参加させていただきました。
販売は新潟経営大学の皆さんにお願いをして、客足が少ない中でもしっかりと販売活動を行っていただいたなと感謝しております。

 と、お得意の横道逸れはいつもの事なのですが、今回の主題は別でして、イベント終わりに知人から表題の通りに言われたのです。
 私は農業という業界に携わって10年近く、また会社の特殊性から身近なワードとして良く使っていました。
 ただこの身近なワードって、結構危険ですよねってお話を書きたいと思います。

6次産業化ってなに?

 そもそも6次産業化って何?って方が大半だと思うので簡単にご紹介。

農林漁業(第一次産業)者が、食品加工・製造業(第二次産業)を自ら行い、自社販売や飲食・観光サービス業と絡めて(第三次産業)農産物の付加価値を高めようという主旨で事業を行う事を体系的にまとめた言葉となります。

 言葉の由来となったのは、東京大学にも助教授・教授職で長年在籍なされていた、農業経済学者の今村奈良臣先生の造語です。
 勘の良い方はお気づきかもしれませんが、
第一次産業(1)×第二次産業(2)×第三次産業(3)=6次産業(6)

と数字を捩った造語になります。この考え方が作られた当時は足し算で語られる事もあったそうですが、最近はかけ算で使われる場合がほとんどです。

足し算とか掛け算とか、どっちでも良くない?

 業界10年戦士の私でさえも、未だにここの理屈が分かっていません。私が無学なだけかもしれませんが、結局のところ、その分野においてある程度勉強した人にとってはスッと入る言葉だとしても、そうでない皆さんから認知いただけないのなら、単語として問題があると思うのが私の持論。

 SDGsは分かりやすい程に言葉と読み方が先行してしまい、その中身である17の目標を空で言える人は果たしているのでしょうか?と私は問いたい。SDGsって言っとけば何かやった気になる(させる)魔法の言葉と化しています。

 あとは最近コンプラ(コンプライアンス)という言葉も急速に浸透しましたね。勿論随分昔からあった言葉ですが、コンプラ的にちょっとね~と日常会話レベルでも使われるようになりました。

 ちなみにこの2つは私はポジティブに捉えるワードではないんですが、それはそれとして。

 6次産業化ってどうですか?私たちも販売でお客様と直接対面した時や、バイヤーさん達にこれを説明するのに苦労します。

 サンファーム泉は様々な分野にこだわって6次産業化に取り組んでいます。

と伝えても伝わらないので

 サンファーム泉は五泉市の耕作放棄地を再利用して、農薬を使わずにアロニアを栽培し、それをジャムやジュースなど様々な食品に加工して、イベントや試食販売を通して皆さんに知っていただこうと取組を行っております。

 と説明します。結局、
生産・加工・販売それぞれの分野でどう自分たちがこだわりを持ち、いかに頑張っているかを伝えられる言葉じゃないんです。

 またそもそも6次産業化というワードそのものが浸透していないので、説明する為の単語のハズなのに、その単語を説明する為にまた説明を挟むという、説明がゲシュタルト崩壊しそうな事案が発生します。

 バイヤーさんからも良く言われました。こだわりという言葉を使わずに御社のこだわりを伝えてください、と。
 こだわる事なんて当たり前なんです。何かしらにこだわらずして社会に寄与する事なんて出来ません。過剰なものはそれはまたそれで問題なのだけれど。

 さらに言えば、足し算だか掛け算だか分かりませんが、言葉遊びで誕生した造語なので、直感的に捉えづらい言葉なんですよ。

 六次産業化、字面がもう覚えさせようとしてない。六波羅探題のほうがよっぽど覚えられます。御成敗式目もかっこいい(逸れすぎ)

結論は出ないけれど

 皆さんだったらこうした活動になんて名前を付けますか?と丸投げして結びとしたいと思います。

 とはいえ自分の意見を言わないのは流石にズルいので、そうですねー。

 そのこだわり、イエスか農家。ですかね!

 長い上にオヤジギャグ!!!そして意味不明!!!自分のセンスの無さに脱帽です。

 いやー、2年か3年ぶりの更新ですよ。頑張った頑張った。

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