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ハンバーグはキャッチボール。

子どもたちはハンバーグが大好き。
食べるだけでなく、作るのも大好き。

「今夜はハンバーグだよ」というと、
「お手伝いするー!」とキッチンに駆けつける。

長男は火を使う作業に興味津々。
私が刻んだ玉ねぎを、丁寧に炒めてくれる。
透明感が出るまで炒めた玉ねぎを、
混ぜ込める温度に冷ますのも、長男の仕事。
任せておけば、ちゃんとやってくれる。

具材を混ぜてこねる作業がやりたい二男。
任せてみると、一部分しかこねてないので、
見ていないところでこっそり全体を混ぜ込む。
ひき肉で汚れた手を見ながら、
何となく嬉しそうな二男。

「そろそろ手を洗ってきて~」と言いながら、
こっそり高速で生地をこねる私。
ハンバーグはしっかりこねておかないとね。

いよいよ、形を作る作業。
我が家は、手の大きさがバラバラなので、
ハンバーグの形も大小バラバラ。
生地を手に取り、空気を抜く。

そのとき、長男が言った。

「ハンバーグ作りって
キャッチボールみたいだね」

確かに、空気を抜く作業はキャッチボール。
片手からもう片手へ、生地を投げる。

ちゃんと受け止めないと、生地が崩れる。

受け止めないと、
キャッチボールは成り立たない。

大人の私は慣れているけど、
子どもたちは慣れていないので、
危うく生地を受け止め損ねそうになる。

そんな様子を見て、ふと思った。

私は、
この子たちをちゃんと受け止めているかな?
この子たちが投げるボールを、
キャッチできているだろうか。
ハンバーグの生地を受け止め損ねるように、
全てを受け止めきれずに、
落としてしまったことはないか。

または、
子どもが受け止められないほど、
ボールをあさっての方向に投げていないか。

この子たちとキャッチボールできているかな。

そんなことをぼんやり考えていたら、
手が止まっていたらしい。
「お母さん、ちゃんとやって!」
って子どもに言われた。

慌てて、手にした生地を成形した。

みんなで成形したハンバーグを焼いて、
お皿に盛り付けたら完成。

「熱いから気を付けて食べてね」
と言い終わる前にさっそく一口頬張り、
熱い熱いと騒ぐ子どもたち。
しかし、だんだん静まり、
食べることに集中する。

これは、食事がおいしい証拠。

みんなで作ったハンバーグ、
おいしかったね。
お手伝いしてもらえたし、
子どもも嬉しそうだし、
作ってよかったな。

満足していたら、
最後に二男が一言。
「おかあさん、今度は僕が全部こねるね」

高速でこっそりこねてたの、バレてたのね。
こっちのキャッチボールは、
ちょっと外しちゃったみたい。


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