#23 『一生のお願い』/高橋久美子

文筆活動10年を迎えた著者のエッセイ集。
雑誌、新聞、ウェブなど様々な媒体に載せられていたエッセイがまとめられています。
読みながらハッとさせられる言葉を見つけることができます。
時々付箋をつけながら読みましたが、読み返す度に毎回違う発見がありそうです。

「あなたと全く同じ今日を過ごした人は世界中探してもいない」「あなたの体験をもとに書いてほしい」「それこそがオリジナリティー」

「調べたら数秒後に結果が出てきてしまう世界だからこそ、数ヵ月後、数年後まで結果がわからないことをやりたいんだな」

「本の中にヒントはいっぱいあるのだから読まないなんてもったいない」

「私の言葉は生活と地続きだ」

「普通の道と危険な道とあったら、あなたは危険な方を選びなさい」

「困ったらとりあえず眠る、これが大事だ」

「本にして一目に晒せば、傷つけられて戻ってくることも多い。逆に、私のペンが誰かを傷つけてしまったこともあるかもしれない」

そして最も印象に残ったのは、
「どんなに頑張っても夢が叶うとは限りません。それでも、少しでも好きだと思えること、興味あることの側にいてください」「好きなことの側にいると、毎日が少しだけ楽しいです」
という言葉です。
世間的に結果を残し夢を与えてきた人から、「夢が叶うとは限りません」という言葉が出るのは意外だし、軽い衝撃があるかもしれません。
でも、表に出ない場所での挫折や、周りの挫折を多く見てきた経験があるからこその重みある言葉になっています。
著者の人間性を10年以上ファンとして見てきた私としては、著者らしい言葉だなとも思います。
この言葉が少しでも多くの人に届いてほしいですね。

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