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1年に10ヶ国で暮らすぼくがノマドワーカーの理想と現実をぶちまける

デジタルノマドのKOH(@KohNomad)です。

海外で暮らして3年。2020年は4ヶ国、21年は10ヶ国、22年は10ヶ国で暮らしました。そうしていると「ノマドワーカーのなり方」をよく聞かれますが、「ただの在宅ワーカー」と結論付けています。逆を言えば、在宅ワーカーはノマドワーカーです。そんなことを書いた記事がこちら。

この記事ではノマドワーカーの現実についてツラツラと書いていきたいと思います。なぜならば、大衆の想像と現実が大きくかけ離れていると思っているからです。

海辺やプールサイドでパソコン開いているノマドワーカーな写真あるじゃないですか。アレってただのパロディ作品なんですよ。

さて、こちらはノマドワーカーの5つの現実です。
まずは想像と現実のかけ離れ具合について、もう少し前置きをして5つを解説します。

0. ノマドワーカーに対する想像と現実には乖離がある

ぼくは元美容師。15歳から業界入りして多くの年上後輩がいました。
東京のヘアサロンという煌びやかなイメージに惹かれた人々は、1年の離職率は約50%,3年で約80%、10年で約90%と言われています。
今日入社したひとが明日来なくて、だれも驚きません。

最低2年の専門学校に少なくとも100万円以上の学費を支払い、国家試験を受けてまでこれなので、「解像度の低い憧れは残念な勘違いだ」と結論付けざるを得ません。

みなさんはノマドワーカーに対して、どのような印象をもっていますか?

それでは、さっそく想像と現実の差をたしかめてみましょう。

1. ノマドワーカーは海辺で仕事をしない

Google画像検索で「ノマドワーカー」と検索すると、トップにはこのような画像が出てきました。

ハンモックは身体がバキバキに痛くなりますし、パソコンは潮風や直射日光に晒すと故障の原因となります。

ビーチや湖畔でハンモックに揺られながらMacbookを開く代表的なビジュアルは、身体にもパソコンにも破壊的なダメージを与えます。ノマドワーカーを象徴する写真の正体は、グロ画像なのです!

2. 週休3日にはならない

ノマドワークは「どこで在宅ワークするか」にすぎません。在宅ワークの座標を変えることによる恩恵や損失はあれども、基本的なワークスタイルに変わりは無いのです。
それは、どうこじつけても労働時間の短縮とは直接的な因果関係がありません。転職や価値向上を手法として実現へと向かいましょう。

ただし、ライフハックとしてノマドを活用するならば間接的は実現できる可能性はあります。

物価の安い地域で生活して、可処分所得を最大化。資産運用の元本を増やしてお金が働く仕組みを作る。仕組みで稼ぎ、労働集約型の稼働を減らし、週休3日を叶える。

一般的な資本主義ゲームの歩み方ですが、ステージ進行を加速する手段にはなります。

3. 旅行しながら仕事はできない

ビールを飲みながらワインを飲めますか?9割のノマドは労働集約型なので、身体はひとつしかありません。

SNSでノマドワーカーが平日の昼間から素敵なレストランの写真をアップしていても、それは旅行しているのではなく、ただの大戸屋ランチです。

トルコ南部、アンタルヤの大戸屋的なランチ。

旅行先でのディナーに見えるもの、サイゼリヤの晩飯です。旅行先でのアクティビティに見えるもの、近所のラウンドワンです。

エクセルシオールで勉強する中学生と、海外のインスタ映えするカフェでMacbookを広げるノマドワーカーは同じです。

逆を言えば、海外を旅するように暮らすと、日本から海外旅行に求めるアレやコレの要素は日常の中で当たり前となるのです。

繰り返しますが、ノマドワーカーは「在宅ワーク」にすぎません。旅行は週末など、オフの日にすることに変わりはないのです。

4. 生活費はけっこうかかる

ノマドワーカーは分類すると、その働き方や生活スタイルは多様です。冒頭で紹介した最近のぼくのように1ヶ月おきに違う国で暮らしている短期型だと、契約期間の都合で賃貸物件に住めません。 居住者と旅行者の滞在コストは2〜3倍の差が出ます。

短期型だと支出基準が ”旅行者” になるので、ソロだと1ヶ月の家賃予算は10〜30万円と言ったところでしょう。もちろん滞在国の物価にもよりますが、クリティカルに安い国でもなければ、ドミトリーを駆使しても、10万円を切ることはなかなかありません。

しかし、これには打開策があります。ノマドワーカーとしての分類を中長期型にしたり、カップルやグループで行動することで家賃コストを10万円以下にすることが可能です。

多動で好奇心旺盛なノマドはコストがかかるので、可処分所得を最大化するような目的ならば、タイ・バリ島・ジョージアなどでの試住がおすすめです。

5. 税金はそんな安くならない

いままでに海外ノマドの検討者1000人以上にヒヤリングをしてきましたが、税金の話は必ずと言っていいほど話題に上がります。
結論から言うと、せこいことを考えず日本に収めましょう。

パーマネントトラベラーというグレーな概念や、183日以上滞在すると税法上の居住者になる国もありますが、国税局がキャベツを見て赤だと言ったらそのキャベツは赤です。

日本の税制から外れるならば、完全に移住したり海外法人で起業するなり、わかりやすく外れたほうがいいのではないでしょうか。

あと、税金の話は税理士に相談したほうがいいです。なぜならば税理士が税理士であるからです。

まとめ

ここまでにノマドワーカーの5つの現実をお知らせしました。

1. 海辺で仕事をしない
2. 週休3日にはならない
3. 旅行しながら仕事はできない
4. 生活費はけっこうかかる
5. 税金はそんな安くならない

想像と現実の差を楽しめたでしょうか?

ウェットな想像からドライな現実を知ると、決して明るくはない心境かと思います。そんなあなたにお届けする次回のお便りは、「ノマド最高」というアゲアゲな情報です。


あとがき

日本テレビ笑ってコラえて2時間SPで紹介された 1ヶ月で10の職種を体験する海外ワークショップ「ノマドニア」は、想像ではなく体験を通して手応えをたしかめるプログラムです。

ノマドニアでは3つの「試み」で自己理解を後押しします。

  1. 試職:10の職種をやってみる

  2. 試住:海外で暮らす体験

  3. 試働:会社に依存せず自分の裁量で働く

「自身がない」「わからない」などは、試みたことがないからです。
ぼくにはぼくのノマドライフがあるように、あなたにはあなたのノマドライフがあります。

  • 海外旅行は好きだけど、海外暮らしは嫌いかもしれない。

  • 会社に在籍するより、自分の裁量で働いた方が心が豊かかもしれない。

  • 人と関わる仕事しかしてこなかったけど、リモートワークの距離感の方が肌に合ってるかも知れない

  • ノマドWebデザイナーに憧れても、やってみたら全く興味を持てないかもしれない

あなたのノマドワーカーの適性はぼくにもわかりません。自ら発見し、自ら決断するんです。

そのための手段としてノマドニアのプログラムがあります。

「交際0日婚」というものはロックなイメージでしょう。

しかし、就活生は職業と「交際0日婚」をします。なんなら入社後に会社の都合で配属が決まるので、許嫁(いいなづけ)と交際0日婚しているようなものです。

このようなロックなことをほぼ全員がやっています。


転職者だってそう。転職先を選ぶにあたって判断の軸がありません。なぜならば、なーんにも経験したことがないからです。

「1企業に10年勤めていたから経験豊富だ」と言えども、そのアイデンティティは企業の指先の1本でしかありません。

「体験」それは人生の幅を大きく広げるものです。地図にない道には進めません。

いま、あなたの地図には半径5mしか表示されていないかも知れません。体験を通して、マップを全天球型にしましょう。


食卓のおかずが一品増えます