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何もかも賞味期限短いんか

自分が信じてたはずの自分は、もういなかったりする。だから賞味期限切れの自分を疑う。おい、昨日までのあんたは、昨日までの賞味期限なのかよ。

何かが始まると、終わりが想像できてしまって恐ろしい。一度封を開けた後のおいしいひと時は一瞬で、いざ封を開けてしまえば腐りやすくなる。

一定の、安定の、一貫した、左右されない、という魔法の言葉はホントの意味でありのままに魔法の言葉だ。

そんな味付けの感情があるなら、その調味料が欲しい。

信じたいものを一定の想いで信じたい。「好き」ならば大好き、好き、ちょっと好き。くらいで揺れ動いてたい、「嫌い」なら嫌いのまま無になりたい。「好き」オア「嫌い」の両極端でグラグラとしながら、好きと嫌いの短い賞味期限を取っかえ引っ変え味わうのは怖い。

安定した私で、安定した輪の中にいる人たちとだけ過ごしていたい。あるきっかけで昨日まで笑えてた誰かのジョークに急に笑えなくなるのは怖い。

か細くてもぶっ太くてもいいから一貫した私で、筋やら芯やら貫き通せるものは全部貫き通したい。誰にも自分さえにも左右されない私でいたい。

そんなのは他人への期待で押し付けで、自分への期待で押し付けである。そんなの分かってるので、黙って賞味期限の短い自分を自覚する。魔法のような味付けの感情に期待するのはやめた。

今の自分ってそのくらいナマモノなんだな。

おかげで自分に飽きたことはない。その見た目以上に重い頭の中は考え事でいっぱいで、口から溢れそうで、おっとっと、、、と思わずパソコンに向かって文字にする。

忙しい。言葉にするのに忙しい。というか自分の感情を言葉にして落ち着かせるのに忙しい。目まぐるしく移りゆく季節よりも境目がなく、春に嫌味っぽく芽吹く雑草よりも際限なく、出てくる感情(言葉)。

始まりと終わりがセットなら、、、に続く優しい言葉が欲しい。自分をそっと包み込むような言葉でこの不安を易々と解決して欲しい。

始まりと終わりがセットなら、私は流れに身を任せて始めてみたい。終わりの怖さに押し潰されそうになりながら、色んな美味さ知り、始まりの予感を思い出せたらな。

そんな始まっては終わる感情。今日も短い賞味期限が過ぎた後にその短さに気付く。

みんなにとっての、「始まりと終わりがセットなら、、、」に続く優しい言葉が知りたい。勿論、優しくなくても、現実的なものでも知りたい。

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