たかはしゆうすけ

札幌在住。中国・北京に2年間留学。帰国後、ホテル、広告プロダクションなどのアルバイトを…

たかはしゆうすけ

札幌在住。中国・北京に2年間留学。帰国後、ホテル、広告プロダクションなどのアルバイトを経て、広告代理店に就職。その後、興行会社に転職→退職、そして現在少し自分探し中。趣味:本、映画、音楽、小鳥、料理、メガネ

最近の記事

「内視鏡」と素うどん

やっぱりまた今年も引っかかった。人間ドッグの「要検査」。昨年の夏も見事に引っ掛かり、下から内視鏡を入れて小さめの大腸ポリープを5個とった。大事に至る前に悪いものをとることができたことを今の医療技術に感謝したい。検査をした人はわかると思うが、検査日前日は夜8時頃までに食事を終え、寝る前に専用の下剤を飲む。翌日、朝7時から腸内を洗浄する液体を午後の検査まで2リットルほど飲み腸内を綺麗にしなくてはいけない。これが苦痛なのだ。甘さと苦さと酸っぱさとポカリスエットを足して2で割ったよう

    • 「椅子」と深夜の決断

      すっかり家にいることが多くなった。もちろん時間があればあるほど、嬉しい。好きな本読んだり、映画をみたりしている。あまりソファーでダラダラするのは気が引けるので、できるだけ椅子に座ろうと思っている。ここで問題が発生。数年前にダイニングテーブルと椅子をセットで買った。若気の至りか、おしゃれを追及しすぎたあまり、椅子の材質がオールウッドもの(左:写真参照)。座るときは簡単な座布団を敷いて座っていた。食事のちょっとした時間だけ座るのには、全く苦は無かったのだが、いざ、テレワークになり

      • 「コロナ」と無能な人間

         この話はフィクションであり、登場する人物、事柄はすべて架空のものとして聞いてほしい。私が自宅で密かに映像を作るようになったのは、やはり新型コロナの影響だ。私の本業はイベント制作。とても刺激があり、充実していて、毎晩、残業の日々。給料もそこそこに良い。しかし、この新型コロナの影響で主催するイベントが次々と中止になり、すべてが無くなった。しばらくの休業を経て、定時帰宅の毎日。それに伴い給料も約半分に減った。食欲旺盛の育ち盛りの受験生がいる家庭にとっては大きな痛手だ。定時に帰ると

        • 「サングラス」と年齢

          秋の日差しが強いので、先日サングラスを買った。通常のメガネと一体型で濃い色のレンズだけが外れるタイプ。某格安メガネ店のモノだ。値段もお手頃で、デザインもなかなかいい。つけてみるととても快適で、車の運転も、ちょっとしたウォーキングも欠かせない存在になった。サングラスというと、どうも抵抗があった、なぜなら一部の芸能人やミュージシャンが斜に構えてかけるイメージが強いからだ、特に10代や20代でサングラスをかけている人をみると口が悪いが、馬鹿にみえる。そう考えると、40代、50代そし

        「内視鏡」と素うどん

          「足」と毒

          最近、足が異常に熱く、火照る。午後3過ぎるといつもこうだ。足が蒸れて熱いわけではなく、足の中側から熱が放射されているような感じだ。最初は水虫なのではと皮膚科に行ってみたが、水虫ではなかった。そもそも水虫は痒くならないそうで、まったく別の症状では、とのこと。10年来通っている内科に定期健診にいったとき、足のことを話すと、ものは試しということで漢方を処方してもらった。その漢方の名前が『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』。北斗神拳のような名前だ。とても効きそうなネーミングだ。効能と

          「レントゲン」とヒーロー

          息子が「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」と診断された。スポーツの練習などで繰り返して腰椎を反らしたり、回したりすることで起こる症状で、スポーツ選手は30~40%の人が分離症になっているそうだ。そうとう痛いらしい。私の息子は部活でバトミントンをやっているが、そこまで激しい訓練をしている、という感じではなかった。突然ある日「腰に激痛が走ると」訴えてきた。親としては心配なので、すぐに病院へ連れて行くと、分離症の初期だと診断された。愚息はその腰椎のレントゲン写真を撮ってLINEの

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          「カマキリ」と豊かな生活

          私は昆虫の中でカマキリが一番好きだ。カマキリのフォルムは頭・首・腕(カマ)・胴体・足と、はっきりと分かれており、しぐさも、どことなく人間臭いからだ。そして北海道にはいない昆虫というレア感もいい。つい何年か前までは毎年カマキリの卵嚢(らんのう)を九州のペットショップから取り寄せ、ふ化させ、餌を与え、脱皮させ、成虫まで育て、交尾させ、産卵までさせていた。これがとても面白い。ただ、カマキリは生きている餌(正確には動いている虫)しか食べないので、置き餌ができない。これが大変だ。夏は夜

          「カマキリ」と豊かな生活

          「モデル」と魔法使い

          私が広告代理店に勤めていたころ、超有名カメラマンと一緒に仕事をしたことがある。当時私は雑誌の表紙を某出版社より一任されており、予算度外視で毎月、時代のトップランナーを表紙に起用していた。個人的にとても気になる女優がいたので、あらゆるコネを使って表紙掲載の承諾を取り付けることができた。その女優は専属のカメラマンがおり、契約上3月末までは指定するカメラマン以外では撮影できないことになっているとの説明を受けた。この業界だけではなく、誰もが知っている超有名なカメラマンだった。この撮影

          「モデル」と魔法使い

          「小林」と寝落ち

          中国に留学する人間はたいてい個性が強い。というか少し変わっている人が多い。私の留学していた大学では、ルームメイトが期(約半年)ごとに替わる。私は4人の違う同屋(トンウー:中国でルームメイトのこと)と一緒に過ごした。4人とも強烈な人たちだった。その一人、小林について書いてみる。彼は当時、東京の某私立大学の4年生で大学の交換留学制度を利用して中国に来ていた。6カ月間短期留学すると単位がもらえるという制度で、彼の専門は漢文で教師志望の男だった。初めて彼と話したときは好印象だった。自

          「小林」と寝落ち

          「動物園」と忘れ物

          私の父方の祖父はなかなかの変わり者だった。外出の際は常にベレー帽をかぶり、桜前線と共にカメラを持っては全国の景色を撮って廻っていた。旅行とカメラにお金は惜しまなかったが、それ以外にはとにかくお金を使わない吝嗇家だった。亡くなる寸前まで安いからと言って発泡酒を飲み、トイレットペーパーの長さは5センチまでと決めていた。現役のころは「一服の四郎」(四郎とは祖父の本名)と言われており、とにかくすぐに「ちょっと一服」と言っては仕事を抜け出し、サボっていたという。残念ながらこの遺伝子は引

          「動物園」と忘れ物

          「偶然」と豆

          生きていると偶然なことがあるものだ。今からちょうど6年前、私は会社の飲み会のあと、一人クールダウンするため、とあるバーで飲んでいた。たまたま隣に座っていたの女性に急に話しかけられた。相当酔っている。見た目は私より少し年上。彼女は唐突に「あなたピーナッツって好き?」と、彼女は日本語だったが、明らかに外国語の訛りが入っていた。彼女は続けて「ピーナッツはもともと家畜の餌か、黒人奴隷向けの食糧だったの、でも南北戦争のときに食糧事情が悪くなって、白人たちも、しかたなくピーナッツを食べる

          「調和」とブースト

          好きな言葉がある「和して同ぜず」。孔子の書いた論語「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」が由来だ。調和を保ちながらも、主義主張をもって行動するという意味だ。大物はうまく周りと調和しながらも自分の意見をもっている。小物は闇雲に付和雷同する。身につけたい高度な技術のひとつだ。サラリーマンをやっていると、どこまで協調性をもって、どこまで主体性を持つべきなのか、判断に迷うことが暫しある。最近気づいたことは、「和」したとき人は比較的まじめな顔になるのに対し、「同」したとき人はヘラヘ

          「調和」とブースト

          「トウモロコシ」と人違い

          そろそろ札幌の大通公園に「とうきびワゴン」が出る時期だ、普通の茹でた“ゆできび”と、表面を焼いて焦がした“焼ききび”がある。私は後者の方は好きだ。「トウモロコシ」は北海道では「とうきび」と呼ばれており、「唐から伝わった黍(きび)に似た穀物」から「とうきび(唐黍)」と呼ばれるようになったという説が有力。東北や九州の一部の地域でもそう呼ばれているそうだ。呼ばれるといえば、ちょうど5年前、札幌の大通公園を歩いていると、後ろから若い男の人の声で「おう!相馬」と呼ばれ、肩を叩かれ、振り

          「トウモロコシ」と人違い

          「命」と馬

          競走馬は怪我をすると、予後不良として安楽死させられる場合が多いと聞く。人間は怪我をした場合、リハビリをしたり、車イスに乗ったりと回復に向けての処置がとられる。馬はそうはいかず、只々苦しむだけ、そこで安楽死という選択をとる。“命”という題材は永遠のテーマであり、古くから科学者は「延命」の研究を重ね、作家たちは「命の尊さ」を書いてきた。一方、命を軽んじる戦争も続けてきた。人は必要とされなくなったら、生きている価値はないのだろうか。それは違うと思う。そもそも価値なんて存在しない。価

          「思春期」とタカ

          すっかり、ミニシアターの雰囲気が気に入ってしまい、昨日、またシアターキノへ足を運んだ、前回行ったとき予告で観た「その手に触れるまで」という映画だ。舞台はベルギー。普通の少年がイスラム教に傾倒してしまい、指導者の言葉を信じ、学校の先生を敵と考え、殺人未遂まで起こしてしまう。思春期のこころの変化と信仰心が少年の中に蠢く、そんな映画だった。ちょうど私の息子もこの映画の主人公をと同じ年ぐらいの年、思春期真っただ中だ。映画を観ていても、息子と重なる部分が多くあり、主人公の親の気持ちとリ

          「思春期」とタカ

          「重低音」とあくび

          私はベーシストになりたかった。物心がつく中学生の時分、とにかく傾倒していたのが、某ビジュアル系ロックバンド。そのベーシストが大好きだった。聴くだけでは物足りず、どうしても弾いてみたくなった。親にベースを買ってほしいと言ってみたが、答えは予測できるほど早くNOだった。私は提案した。中1から中3までのお年玉を全額渡すので、高校に入ったらベースを買ってくれと。交渉は成立した。お年玉を全額渡すのはかなりキツかった。弟や姉たちはお正月のお年玉で好きなものを買い、見せびらかしてくる。私は

          「重低音」とあくび