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ヒマラヤをうろうろと 3

カサカサと上着に何かが当たる音がしたので目を開けてみると、雪が降っていました。
床が冷たいなぁと思ったら、床ではなく大きな岩。疲れて氷河脇の露岩上で昼寝をしていた様子。
下流からは黒くて厚い雲が湧いてきているし、いつの間にか夕方になっています。そろそろロッジに引き上げたほうが良さそうです。

ヒマラヤに入ってから2週間が経ち、私たちはエベレストから流れるクンブ氷河脇のゴラクシェップという集落に到達していました。私の場合、大体一度の調査で1ヶ月ぐらい山に入っているので(シャワーも浴びません…)、ここでやっと半分です。

余談ですが、このゴラクシェップから氷河沿いを上流に進むと、エベレストベースキャンプがあります。

クンブ氷河中流。氷河脇にあるテント郡がエベレストBC。天気が良いと、黒々としたエベレストをきれいに見ることができます。

さて、この地域をトレッキングする場合には自分でテントを持ち込むことはせずに、道中にあるロッジに宿泊する方法が一般的です。

で、当然その間のご飯はロッジでいただくことになるのですが、ネパールのごはんと言えば一にも二にも「ダルバート」です。

ダルバートはネパールの代表的な家庭料理で、ダル(daal=豆スープ)とバート(bhaat=米飯)の合成語であり、それにカレー味の野菜などのおかず(タルカリ)、漬物(アツァール)の2つを加えた4つがセットになった食事をいう。ネパールでは毎日食べられている、日本でいう定食にあたるものである。
出典:Wikipedia

実物はこんな感じです。

インディカ米、カレー味の野菜1、葉物の野菜2、豆のスープという構成。ネパールの首都、カトマンズで食べる際にはこれにチキンやアチャール (漬物のような立ち位置の野菜)が追加されていることが多いですが、高所では大体写真の通りです。反インスタ映えを地で行く色合いですね…

それでこのダルバート、結構好き嫌いが分かれるご飯だったりします。或いは、ダルバート自体は好きでも、一日うち最低でも1回、油断すると2回はダルバートを食べていると、だんだんと食欲がなくなってきたり、他の物が食べたくなってきたりするわけです。(私は大好物で、1日三食平気で食べれますが…)

しかし、パスタやピザなどは結構いい値段するのに対して、ダルバートは(高所ではやや高いですがそれでも)安い 。
加えてダルバート最大のメリットは「おかわり自由」というところにあります。というかそれぐらいしかない。

国内でもそうですが、トレッキングってすごくお腹空くんです。少なくとも私はそうなのです。なので、米を山みたいに盛ってもらったものに、ダルスープをたっぷりかけて、パクパク食べるのがデフォルトです。

一方後輩は、最初はおいしいと言っていたものの、高所障害が出始めたごろから食欲がなくなってきたようで、ダルバートは少ししか食べず、日本から持ってきたフリーズドライの食品を食べていました。

長期間のトレッキングでは、食が合うか合わないかが高所順化と同じぐらい、或いは一番重要なことかもしれません。

前回のお話はこちらです。もしよければご一読ください。