運動しない人が身体を動かす大切さを知った

今日は久しぶりに 博多ラーメンを食べた。

最近はラーメンを食べると大体お腹が痛くなるから、本当に覚悟を決めてから、ここのラーメンは食べたい!と思わないと食べないようにしている。

歳を取ったからなのか、ただ単に身体に合わなくなっただけなのかは分からないけどラーメンが思うように食べられないのは悲しい。

まぁ、それでも運動するようになって体も絞られてくると、ラーメン食べたら運動もしなくちゃなと思うからいい。

整体屋になって30年もの間、運動らしいことはして来なかった。

運動よりも自分の腕で治せた方がかっこいいじゃん☆

そう思っていたこともある。

運動よりも心の安定の方が大事だったこともある。

でも、どちらもこだわって取り組んだが、運動しないよりした方が断然良かった。

よく、治療家さんが

患者自身が治ろうとしないと治らないとか、自分で動かないとその場しのぎにしかならないとか言うのを聞くんだけど、そんなまどろっこしく言わずに

運動しろ

と言えばよくないか?
と思ってしまうくらいに運動は人間が生きていく中でも息をするくらい欠かせないものだ。

もちろん、その人が運動する気にならなくては運動しろと言うだけではやらないのだけどね。

3年半の実験

慢性的に体に痛みを感じている患者さんにはいくつかの特徴があると思ってる。

①動かない
②自己肯定感が低い
③考えずに食べる
④時間にルーズ
⑤一日のリズムが不規則
⑥頑張りすぎる
⑦思考過多
⑧睡眠の質と量が乏しい

こんなところかな。

どこかが悪いならまだしも、大体は生活習慣と思考の癖がベースにあって、やりすぎかやらなすぎのどちらかに偏る傾向がある。

そして性格がルーズだったり

時間が無い、お金が無いというのもこれに付随する。

要は自己管理能力が高くない人に多い傾向があり、または自己管理できない状況になると起こる。

慢性的に体が痛むのには、様々なその人に取り巻くものが痛みの感受性に作用しているのは科学的にも分かっている。

だから徒手だけでせっせと何かを施しても、痛みを一時的に和らげることは出来ても、改善するのは難しい。

そこで5分に満たないHIITトレーニングを週1~2で患者さん達にやってもらうことにした。

結果的に8割近い人が3年半辞めずに続けられ、そのほとんどの人が整体を積極的に受けることがなくなった。

そのくらい運動をしなかった人が運動するようになっただけで症状が緩解されたのだ。

NRS(痛みのスケール)で7→2といったところになった。

ほとんど日中は気にならないといったレベルだ。

皮肉なことにこれによって本当に商売あがったりになってしまった。

運動は整体屋にとって最も手強い商売敵であることが分かってしまったが、患者さんには感謝されるという変な気分になったわけだ。

運動しても変わらない身体

そんな反面、運動も万能薬ではない。

週末にスポーツをしていても腰は痛くなるし、ストレッチを毎晩していても肩こりは改善しない。

そんな人は沢山いる。

スポーツは楽しいものだが、無理をすれば怪我もするし、疲労した身体を放置すれば筋肉や関節はダメージを受ける。

自分の身体を知り、癖に気づき、動きのバリエーションを増やしていくと身体の扱う知能は高まるのだからメンテナンスは必要だ。

その基準になるのが機能評価。

動きを評価することで、身体の癖を知り、どんなトレーニングをすべきかを選別する。

運動はただ漫然とするのではなく、目的があった方がいい。

そこに向けて取り組むとそれに近い結果が出やすくなる。

運動には経験も大事だ。

運動経験の有無や、どんな競技をしてきたか?なども身体の使い方に反映される。

運動して来なかった人にとっては、どうやって動かせばいいのかすら分からない。

頭と体が神経で繋がっていかないのだ。
身体の知能が低いから運動が嫌になってしまう。

3年半の実験では、とにかく短時間でも動くことが慢性的な痛みを抱えた人には効果があると分かった。

運動知能が低くても、動くことさえすれば痛みは和らぎやすくなるし、気分にも変容は起こる。

それが分かったことは大収穫なのだが、運動知能を上げていく事が次の課題となる。

神経系と運動知能

整体でもトレーニングでも、構造から身体を見ることはよくあることだ。

そんな中でセラピストやインストラクターが

この筋肉が使えてないですね

というフレーズをよく使う。

そこにある筋肉を意識化し、収縮させるために伝えるフレーズだ。

動きは無意識であることがほとんどで、歩くことに筋肉を意識すればおかしな歩行にしかならない。

痛みがあれば感覚はズレるし、バランス感覚やボディイメージなどの身体感覚や認知によるものもある。

いわゆる使えない筋肉は
①バランス感覚
②動きの偏り
③動きのバリエーション
④ボディイメージ
⑤過去の怪我や痛み

などによって引き起こされる。

これらは全てに神経系が関与しており、そこを無視してアプローチすることは出来ない。

その背景には
心理的なものや、環境によるもの、家族や周りの人達との関わり、そしてその人の運動経験によって生じたものがある。

運動は
短時間でも動くことの次に、意識してゆっくり動くことで動きの学習を促しやすくなる。

動きの評価をする時に運動が得意な人はゆっくり丁寧に動く事ができる。

しかし、運動が苦手な人は安定しないために動きが小さく速い。

バランス感覚と動きを分離出来ないために固まった動きになってしまうからだ。

一日中座りっぱなしでいると、姿勢が悪くなるのは経験的にわかると思う。

大体30分間のデスクワークで胸椎の可動性は低下するとも言われている。

胸椎の可動性低下は腰痛や頚部痛、肩や上肢の動きにも不自由をきたす要因になる。

運動知能を高めることはこのようなリスクを下げる策にもなるのではないか。

また、運動知能の問題として力みというのがある。

身体の力みは意外と気がつかない。

筋肉はリラックスしながら準備し、瞬間的に力を発揮させる事でパワーを出せる。

要は力みに気づき、リラックスすることが高いパフォーマンスに繋がる。

合氣術などでも実践されるように身体は伸び切ると力が入らなくなる。

そして、固めることで力を発揮させる。

ずっと固まった力みは運動知能に比例しやすいと考える。

伸びきらず、リラックスし、固めて縮める

この力の使い方を学習できると動きが変わるのではないか?

どんなステップが理想か?

そこで僕が実践してきたステップを紹介しようと思う。

本格的に運動を習慣化し、食生活などにも取り組みはじめて1年半くらい。

50にもなると急いで何かに取り組めば健康を害しかねない。

科学的根拠に基づきながらコツコツ取り組んだことを紹介しよう。

☆Step 1
運動習慣化までのプロセス

運動習慣が最も大変だと思う人がほとんどではないだろうか?

だが、僕はこのことだけを毎日やるだけにした結果、運動しないとちょっと嫌な気分になるようになってしまった。

①一日30秒だけ運動らしいことをする
スクワットでも、腕立てでも何でもいい。
とにかく毎日1回は30秒でいいから体を鍛えることにした。これなら必ずやると決められることをする。
習慣化は意志だと思われがちだが、意志より決断だ。
やるかやらないか。
やると決めて実行する。

②やるのは食後40分以内
食後の運動は血糖値の急激な上昇を抑える。リブロで計測したがこれは本当に違う。
30秒の運動も数ヶ月経つと物足りなくなり、2~3種目やるようになった。
よく考えたら食後40分以内なら通勤で歩いてるじゃん!と思い、歩く速度を速くしてみた。
心拍数が高まる運動が増えて体力も増した。
何かの後にやるというのはもうひとつメリットある。それは、先にやると忘れた時にやらなくなる事だ。

③誰かとやる
ひとりでやるとすぐに辞めたくなる。
いや、辞めても誰にも迷惑をかけないし、約束もない。
誰かがいれば、約束もするし、確認もできる。
僕の場合は職場のスタッフがいつもいるし、社長だから辞めるわけにはいかない。結果も出さないといけない。
誰とやるかというのもすごく大事。

④ご褒美は感情で
最後はご褒美なんだけど、これ金品でやっても続かない。ここまでしたら食べていいとかも効果なし。
やり続けている自分をどれだけイケてると思えるか?そのくらいが一番続けられる動機になる。なんなら周りにやせた?とかって気づかれるのが一番辞められなくなる。

とりあえず、この4点を実践するだけでも習慣化しやすくなる。あとは最初の3ヶ月だけはしっかりやるだけ。

運動習慣は最低でも90日はかかると思っていい。

だからコツコツやるしかない。

運動はただ漫然としていても
*体力がつく
*動きやすくなる
*痛みが和らぐ
ことはあっても見た目や機能はあまり変わらない。

自分が取り組んだ結果を見える化するには
*やせる
*筋肉をつける
*可動域を広げる
*姿勢がよくなる
とこの4つくらいだ。

上の2つは数値化しやすく、下の2つは感覚的になりやすい。

初心者にはやせるか、筋肉をつけるかがおすすめだ。

僕は長い目で見てやせながら、筋肉をつけていく。

というイメージをし、戦略を立てることにした。

体脂肪量なのか、体脂肪率なのか?

☆Step2
現状把握

僕は筋肉量が少なく体脂肪量が多いため、体脂肪率が高くなりやすい。

カロリーアプリを付けてみると脂質の摂取量が増えやすいタイプのようで、たしかに脂質の高い食事は好きだ。

また、血糖値をリブロで計測すると血糖値スパイクを起こしているのでたべ方も意識した。

そこから
①脂質を抑え、タンパク質を増やす
②食物繊維の摂取
③炭水化物を食べるタイミング

この3点を改善することにする。

やめられるものを減らす

やせることを目標にするなら、単純に摂取カロリーが活動量を下回ればいい。

すごく乱暴な言い方をするならば、食べなきゃやせる。

僕も自身の実験として1日1500kcal未満で2~3週間過ごしてみたら、1日数分の運動でも2~3kgは落とせる。

同時に筋肉量も落ちるので体脂肪率は思ったほどは落とせない。

だが、体重は減る。

僕の場合は脂質を減らし、甘い飲み物を辞め、ラーメン、パンを控えた。

白米は玄米に変えた。

このくらいの食生活の変化でも体重は落ちる。

しかし、ある研究データに-2.5kgで飢餓感を身体は感じるため、ここがリバウンドや習慣化の障壁になるといった事が書かれている。

そこで僕は体重は2kg減までを少しづつ重ねていくようにしている。

脂質を減らしすぎて老ける

年齢も体重管理ではかなりポイントになる。

ある患者さんが体脂肪量を減らすために食事制限と有酸素運動で1ヶ月くらいの間で8kgくらい落とした。

40代の男性だが、結果的には見た目がとても貧相になってしまった。

肌ツヤもよくない。

ダイエットは健康面で長い目で見れば必要だが、短期では不健康な要素もあることを知っておきたい。

体重を減らし過ぎずに身体を絞る必要があるので、運動しながら、筋トレをしながらというのが必要なのだと分かった。

昨今のダイエットは食事からと考えるか、運動からと考えることが多い。

でも、簡単な食事の見直しと少しづつ続けていく筋トレで1~2年かけてやればそこそこ見栄えする身体になるのではないか?

いよいよ筋肉量が気になってきた

☆Step3
負荷を増やす

運動の何が嫌かっていうと

キツイ、ツラい、苦しい

という体感とイメージがあるからだと思う。

僕も正直、これが本当に嫌でならない。

そこに汗をかくことが加わると最悪だ。

これを越えるメリットや快楽がないとやる気にはならない。

その1番のモチベーションになるのが"見た目"でしかないのではないか?

ある程度の身体になったら、もう以前の自分には戻りたくない。

運動習慣もついた

食事も考えて食べている

体脂肪率も測っている

あとはパワーをつけるだけだ。

急にやれば怪我をするだけ

僕のところによく来る患者さんの中にパーソナルトレーニングをやっているけど、腰や股関節に痛みを訴えているような人。

自分で自己流トレーニングをやって痛めてくる人。

運動不足を解消しようと思ってトレーニングをはじめたけど、身体を痛めてしまった。

というようなケースは割とある。

フォームが安定していなかったり、オーバーウェイトになっていたり、自分の運動知能や筋力を過信していることが根っこにある。

そもそも、身体は使ってなければ数ヶ月で鈍っていく。

だけど、自身の記憶や認知ではできると錯覚してしまっている。

だから、まずは運動習慣をつけ、自分を数値化して、生活を見直すというStepをおすすめしたのだ。

いきなりやれば怪我のリスクは当然高まる。

筋肉量がなかなか増やせないのは

運動初心者であれば1ヶ月で1kg筋肉量を増やすのは、週に2回以上トレーニングすると意外と達成できる。

しかし、運動経験が長くなると2年くらいの運動経験がある場合で、1ヶ月で0.3kg増くらいしか見込めないと言われている。

運動だけでやせたり、筋肉量を増やすことには限界があり、やせるということは体重が減る。体重は生命のバロメーターでもあるから、カロリーを消費しすぎれば身体はその負荷に合わせてカロリー消費を抑えようとする。

筋肉量を増やすにしても筋肉の材料である食事が疎かであれば、いくら運動しても活動と回復に回され、筋肉の成長には届かない。

運動して筋肉量を増やすなら、食べて鍛えることが必要になる。

今より2500kcal食事を増やして、40分以上のストレングストレーニングを週2回と考えたらやる気を失う人も居るだろう。

パーソナルトレーニングでトレーナーが付かないと出来ない理由が分かると思う。

自己流では限界がある

身体の知識もなく、Youtubeの動画だけでなんとかなるのは最初のうち。

見た目を変えたいなら、パーソナルトレーニングにいくのが一番早い。

ただ、運動する事が習慣化されれば一番は体調が良くなるし、気分が良くなる。

毎日、歩くだけだっていい。

そして、運動を始めたことで様々な健康習慣に目が行くようになる。

昨今では目を惹くためだけの動画などもあるが、実践したり、仲間が増えれば情報も精査されていくだろう。

しかし、何より分からないうちは自己流では限界がある。

誰かが支えてくれたり、指導してくれないと身体は変えられない。

痛みをなくそうと運動しても

やせたり、かっこよくなるために運動しても

最初はなんか良くなった気にはなる。

きっかけはYouTubeでもいい。

でも、そこで変化に乏しくなる壁が現れ、大体そこで辞めてしまう。

勿体ない…その先はプロと一緒にやってみてほしい。

環境と人は何かを続けていくために最も必要なパーツだ。

お金をかけるという行為でスイッチも入る。

人は誰かの視点があってこそ成長がある。新しい発見や可能性が見えてくると思う。

その学びはいくつになってもかけがえのない体験になると思う。

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