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138億年の時間の中で☆第35話☆まだまだ楽しい親子の休日



 2023年は兄弟二人の進路探しと新しい仕事で忙しく充実していたので、年末年始はのんびり過ごしました。おせちを作り、施設に入所している義父を外に連れ出し、初詣。遠出の予定もありません。時間があると、ついついデジタルに頼りがちになり、なんとかしようと思い立ち近くの山にハイキング、夜は夜景を見に掬星台までドライブ。それでもやっぱり時間を持て余す。私が動かなければ家の中でもそれなりに楽しそうにしていますが、やっぱりもうちょっと、外の世界とつながりたい。
 高校を卒業したら、休日の過ごし方は重要な課題になることは分かります。おそらく楽しいだけでは済まない卒業後の生活。休日に体力気力を充電させることも大事。
 昨年から月に一度、移動支援サービスを利用してヘルパーさんと散歩やランチを楽しむことにチャレンジしていますが、本当はもっと長男の好きな事で充実できればもっといい。
 長男はミュージカル「モーツアルト!」が大好きで、DVDを何年も繰り返しみています。リアル
で見に行きたいけど、なんせ東宝のドル箱ミュージカル。チケットはお高いうえに争奪戦は必
至。3時間を超える長丁場の演目に耐えられるかな?中座したとしても、非常に残念なの
は私たちだけで済めばいいけど、少しでも物音を立てると気分が台無しになるくらい、多くの
観客はどっぷり劇の世界に浸かっているから迷惑になっちゃうかも・・・怒られちゃうかな・・・。
いつか、いつか、と思いながら過ごして何年すぎてしまっただろう??
 しかし思わぬところにチャンスは巡ってきました。灘区民ホールで目に留まったのは、見慣れた「MOZART!」のタイトルロゴ。なんと、アマチュア劇団が区民ホールで、しかも無料で公演するというではないですか。長男に伝えると、「行く」と即答。さっそく問い合わせの電話をしました。もしかしたら中座するかもしれない、落ち着いていられないかもしれない・・・などの事情を伝えたところ「ぜひ、そのような方たちにこそ見に来て欲しい」とのお返事が。これはとっても嬉しい!。冬休みの最後の日におもわぬ幸運が。
 結果、舞台に釘付けになりながら、3時間通して落ち着いて観劇できました(好きってすごい・・・)。おまけに役者さんのお見送り付きで、用意していたメッセージカードもお渡しできました。役者さんから勇気をうけとった長男は数日後、ライブハウスに自らマイタクトを持参し、沢山の見知らぬ大人が見ている前で指揮をするというミラクルまで起こしたのだから、ワクワクしてしまう。
 体育館に入ることすら怯えていた子が、初めてコンサートホールに入ったのは宮川アキラさんのコンサート(特別支援級・校に通う生徒とその家族に招待される)。5年生の時。それからはジブリコンサートには何度も、音楽の授業でおなじみのオペラ「森は生きている」を見に行って、芸術鑑賞を楽しめるようになったのだった。
 高校を卒業すると一緒に登下校がなくなるぶん、長男との時間が少なくなることにホッとするのと同時に一抹の寂しさを感じていたけれど、これからも休日をこんな風に過ごせたら、程よい親子の距離感でまだまだ一緒の時間を楽しめるではないかと嬉しい発見をしたのでした。

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