なかせい

神戸市在住。2人の息子を育てる主婦。灘区で不登校支援団体cuddleを、子育てを中心と…

なかせい

神戸市在住。2人の息子を育てる主婦。灘区で不登校支援団体cuddleを、子育てを中心とした対話会「子育て応援隊☆7番目の星」を運営中。何者でもない動いたわたしが動いたり、しゃべったりする事が大切なんだと友人が教えてくれました。

最近の記事

138億年の時間の中で☆第39話☆「子を守りたいのなら、まずは親から」               

 多少の後悔と反省を残しながらも18歳になった長男の子育てについては、よくがんばった!エライね、わたし!と高評価を下せるのですが、まだまだ、迷いが生じてしまうのは次男の子育て。  あーちに通いだす前の私は、いろんな出来事と負荷が積み重なり、心身の余裕を喪失。視野狭窄、神経過敏状態になっていました。  小さな生活音や、他人の言葉遣いなど、とにかく細かいことが気になりだして、ため息もイライラも止まらない。そんな私の負の影響を受けてしまったのは次男でした。 なんて表現すると、完

    • 138億年の時間の中で☆第38話☆「世界が広がる」             

      お店は買い物をするところ。学校は学ぶところ。公園は遊ぶところ。じゃあ、あーちは何のための場所なんだろう? 次男は小学校の数年間、学校へ行けなくなりました。読み書き計算的な勉強は次男にとっても私にとっても最優先項目ではなく、できたらラッキー程度の感覚でした。それなのにどうしても学校へ行って欲しいとジリジリした思いに囚われ大いに慌てふためき焦りまくった私がいました。だって・・・学校へいかないと、世界が広がらないでしょ。 長男の送迎生活が終わったのを機に、自宅内の長男のスペ

      • 138億年の時間の中で☆隣にいる人が違ってくると             

        例えばカフェで休憩しているとき。隣にいる人が困っている様子があって、その人が外国人だったら、私は下手な英語で「need help?」と声かける。 もし高齢者だったら、ゆっくりと少し大きめな声で、「大丈夫ですか?」と言ってみる。 ボランティアさんといる時と私といる時では、おしゃべりする内容や口数が全然違うらしいのが長男です。 私とはほとんどしゃべらないし、必要なことしか言ってくれないのに、ボランティアさんには、昨日見たテレビの話、今日の予定、忘れ物してしまったこと、パパがどう

        • 138億年の時間の中で☆第36話☆「9年間」           

           3学期に入ってから高等部卒業までの日数を数えるようになりました。9年に及ぶ通学、電車送迎生活も終わろうとしています。  いつの間にか私の前を歩くようになった長男の背中は、たよりなさそうだけどたくましくもあって、学校という自分の居場所に向かって歩みを進める姿は本当にまぶしく映ります。  1年目。電車の長距離移動が心配だった。先頭車両で車掌さんの姿のマネを楽しんでいたね。案ずるより産むが易し。通学の負担よりも学校へ行くのが楽しさのほうが大きくなっちゃった。  2年目。電車内の

        138億年の時間の中で☆第39話☆「子を守りたいのなら、まずは親から」               

        • 138億年の時間の中で☆第38話☆「世界が広がる」             

        • 138億年の時間の中で☆隣にいる人が違ってくると             

        • 138億年の時間の中で☆第36話☆「9年間」           

          138億年の時間の中で☆第35話☆まだまだ楽しい親子の休日

           2023年は兄弟二人の進路探しと新しい仕事で忙しく充実していたので、年末年始はのんびり過ごしました。おせちを作り、施設に入所している義父を外に連れ出し、初詣。遠出の予定もありません。時間があると、ついついデジタルに頼りがちになり、なんとかしようと思い立ち近くの山にハイキング、夜は夜景を見に掬星台までドライブ。それでもやっぱり時間を持て余す。私が動かなければ家の中でもそれなりに楽しそうにしていますが、やっぱりもうちょっと、外の世界とつながりたい。  高校を卒業したら、休日の過

          138億年の時間の中で☆第35話☆まだまだ楽しい親子の休日

          プリズム(6)およそ8メートル

          およそ8メートル。前をあるく彼とわたしの距離。目測で測ってみる。多分、そのくらい。 一体いつから?。わたしの後ろをトコトコと歩く子が、私を追い越し、前を歩くようになり、「ママ大丈夫?」と窺うようにこちらを振り返るようになったのは。 9年前。彼の身長は私の肩くらいだった。登校の準備は全部してあげていた。改札口を通る時もスムーズにできるかな?電車内では荷物が邪魔にならかな?と見守っていた。あの頃、距離は0メートル。 6年前。いつのまにか登校の準備は自分でするようになった。

          プリズム(6)およそ8メートル

          138億年の時間の中で ☆第34話☆「光の差す方へ⑤」       

          「散歩がしたい」とボソリとつぶやく長男。「どんなことして暮らしたい?」と友人に問われたときでした。  生業を表す職業ではないし、スポーツとか芸術活動とかでもない。もしかしたら、その時だけの刹那的な答えだったかもしれない。  身近な公園で遊ぶことが難しかった彼は、小さい頃からとにかくさんぽをしていました。季節がいいと山にハイキング。どんぐりや落ち葉をひろって楽しんだ・・・なんてステキな思い出もエピソードはあんまりないけど、とりあえず歩く。 学校でも近くの公園へおでかけした

          138億年の時間の中で ☆第34話☆「光の差す方へ⑤」       

          138億年の時間の中で☆第33話☆「光の差す方へ④」           

          いよいよ結合実習が始まりました。3日間のうち2日が電車とバスを使っておでかけ。集合場所も時間も変わります。事業所の受け入れ条件として、現地集合、現地解散を一人でできる人とありましたが、ここはフレキシブルに。サポートするときと距離を置くときの調整が必要だと感じています。  いつも利用するバスと反対方面のバスに乗ることができた  降車するバス停を理解していた  信号をまもることができた  待ち合わせ場所で大人しく座ることができた  スタッフさんと合流できた 出来たことを数え上

          138億年の時間の中で☆第33話☆「光の差す方へ④」           

          138億年の時間の中で☆第32話☆「光の差す方へ③」            

          2学期が始まるとまもなく、進路担当の先生と11月の結合実習先を決定する話し合いをしました。結合実習とは、進路先を決定する最終段階に位置する取り組みです。一般的な就職活動の最終面接にあたるか、またはインターンかな。夏休みの体験を通して、本人の反応が一番よかった事業所にしました。この事業所がいいとかいやだとか言葉で表現できなくても表情や身体が正直に反応してくれるので、私はそれを拾い上げるだけ。普段の生活の中での彼の表現にアンテナを張っているから判断はすぐにできました。こんなにあ

          138億年の時間の中で☆第32話☆「光の差す方へ③」            

          138億年の時間の中で なかせい☆第31話☆「光の差す方へ②」          

          2023年8月。学校が大好きすぎる長男にとって近隣の事業所を見学したり体験実習するチャンスの夏やすみ。自立訓練事業所へ3日間の体験、2か所のB型作業所にそれぞれ1日づつの体験と、もう一か所、B型作業所を見学した1か月。本当にがんばりました。 B型作業所は市内だけでも沢山あって、本人に一番合う場所がみつかればいいとは思うけど、それはすべてじゃない。仕事は生活の一部分。自立心が強い彼にとっていつまでも私の付き添いを必要することの方が良くない気がする。学校が遠いことで地元との縁

          138億年の時間の中で なかせい☆第31話☆「光の差す方へ②」          

          138億年の時間の中で☆第30話☆「光の差す方へ①」         

          カフェで働きたい、パン作りをしたい・・・。労働意欲満々な長男は、いよいよ本格的に支援学校卒業後の進路について考える時期になりました。 本人の希望で決めるのが一番だよ、親の意向と全然違ってくるから、卒業直前まで子どもは成長するからね、と先輩ママ達からありがたいアドバイスをいただいて、いざ、事業所探しに動きだしてみると、候補をどうやって絞り込めばいいのか迷います。 そもそも、福祉サービスの種類が多く、事業形態や活動内容もわかりずらい。 みんな、卒業後は「はたらく」って言うけど、働

          138億年の時間の中で☆第30話☆「光の差す方へ①」         

          138億年の時間の中で☆第29話☆「T‘scaféオープン」          

          高校三年生になってから学校でも進路の話がちょこちょこ出ているのだと思います。ある日、突然「卒業したらどうするの?」と長男がボソリ。 「さあ。君はどうしたい?」と私が質問返しすると、きっぱりハッキリ「カフェの店員さんになりたい」と答えました。 給食の配膳を喜々として取り組んでいたようだし、毎朝、私の為にコーヒーを淹れてくれる長男。 小さい頃はレストランの店員さんごっこが大好きだった。その時の楽しみや憧れが残っているのかな? せっかく希望を表明してくれたのだから気持ちが冷めな

          138億年の時間の中で☆第29話☆「T‘scaféオープン」          

          プリズム(5)雨と涙

          雨が降る様子を眺めながら涙に擬えて‘誰かが泣いている‘なんて感傷的に捉えるのはマンガかおとぎ話の世界。 でもそんなふうに現実的な方向により戻そうしようと心が動いていること自体、十分感傷的な証拠。おかしくって笑っちゃう。 地球上の水分量は一定で、水が水蒸気になり、雲になり、雨になり、また水になる。 ぐるぐる循環する現象の一つでしかない雨。 じゃあ、涙はなんなのだろう? 悲しさとか悔しさとか喜びの粒が、心という地球の中で一定の重量を超えた時に涙として落ちてくるのだとしたら。

          プリズム(5)雨と涙

          138億年の時間の中で☆第28話☆「味わいながら」         

          4月に高校三年生になった知的障がいの長男。気が付けば・・とか、あっという間に、というような月並みな言葉しかでてこない。身長は私よりも10センチ高くなった。 前を歩く背中は、細くて頼りない印象は残るものの、それなりに大人の男性の逞しさも漂わせている。 時々、振り返ってこちらをを確認するけれど、「どこに行けばいいの?」というような迷いからじゃなくて、「ママ、大丈夫?ちゃんと僕についてきている?」というようなメッセージ。 大きくなったんだな、きっとこれからも大きくなるんだなぁなんて

          138億年の時間の中で☆第28話☆「味わいながら」         

          プリズム(4)tryとtest

          試す。英語ではtryまたはtest。 つくづく、試されたくなんかないと思う。 あなたは何者? 何ができて、何ができない? この場に、我々と共にあるのにふさわしいのかしら? おはようからおやすみまでの間に、何度、誰かに、何かにわたしたちは試されているんだろう。その誰かは、時にわたし自身だったりするからうんざりする。 試された結果、何かを得ることができたのなら「わたしはOK」となるわけで。 何も与えられなかったら「わたしはNG」。 つまりは、あなたは我々が求めている技量

          プリズム(4)tryとtest

          プリズム(3)悩みをあじわう

          悩み、苦悩。 生きていれば誰でも抱えるもの。子どもも大人も男も女も、住む場所、属性、人種を問わず。 夕食の献立や、起床時間など日常の中に点在するものから、何故わたしは生きているのだろう?彼女の苦しみに寄り添うにはどんな声かけをしたらいいのだろう?そんな沼にハマるような重い問いだったりすることもある。 悩むこと。それは行為。動詞なのだ。 悩んでいるのか、悩まされているのか。誰が、何によって、何を求めて?。 悩む事をやめる選択肢はあるはずなのに、大なり小なり、いちいち悩むんだ

          プリズム(3)悩みをあじわう