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ステラおばさんじゃねーよっ‼️99.UMA(未確認動物)

👆ステラおばさんじゃねーよっ‼️98.破水 は、こちら。



🍪 超・救急車


「そろそろ、イキんでみましょう」

子宮口が開いてからさらに数時間が経過し、イキむのを我慢し続けたひかりの体力もかなり限界に近かった。

「ゆーっくり、深ーく、息を吐いてーーー、イキむ!」

助産師の合図とともに言われた通りの呼吸法で、ひかりは残された力を振りしぼり下半身に渾身の力を込めてイキんだ。

「ぬ、アぁーーーーーーー!」

ポーちゃんも同様に、少し遅れてひかりと一緒に叫んだ。

するとするりと抜け落ちるように、赤児の頭部が現れた。

がしかし、まだ終わりではない。

「頭が出てきたから、力を抜いてー。さあ、もう一度、目一杯イキんでー!もう少しだからね、お母さんになるんだからね!!」

助産師の言葉に背中を押され、呼吸とともに、

「グゥワアアアアアアアア!」

と絶叫しイキんだ。

ポーちゃんも同様、白眼を剥きながら叫んだ。

いつのまにやら赤児は助産師の手の中に収まっていた。

助産師が赤児の背中をポンポンと叩くと、赤児はこの世の終わりかの如く、絶叫し泣き出した。

「オンギャア、オンギャア〜」

実際はこの世のはじまりであり、これからたくさんの困難や試練をくぐり抜け、自分なりの美しさや幸福を見つけ生き抜かなければならない。

助産師が、ひかりにやさしく声をかけた。

「よく頑張りました。元気な女の子ですよ」

臍(へそ)の緒を切り、ぬるま湯で身体を浄めたばかりの赤児を綺麗なガーゼに包(くる)むと、ひかりの顔横辺りに助産師は赤児を寝かせた。

ひかりはそのぬくもりや息づかいに涙ぐみ、人差し指で赤児の鼻筋をやさしくなぞった。

「はじめまして。ありがとう」

と言い、それからポーちゃんを見た。

ポーちゃんは全身汗だくの、ぐしゃぐしゃに泣き腫らした顔をひかりへ向けて、

「お疲れ様。ありがとう!」

と感謝の言葉を述べた。

「抱っこ…してあげて」

とひかりが言うと助産師は、

「パパですよ〜」

と言いながら、抱きかかえた赤児をポーちゃんに渡した。

おっかなびっくりで抱くポーちゃんは目が開かない赤児を見て、

未確認動物…UMAのようだな。

口には出さなかったが密かに思った。

思った事をそのまま口に出さなくなったのも、ポーちゃんがパパだという自覚が芽生えた証でもあった。

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