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自走する集団作りに大切なことは…ポジティブ!ポジティブ!ポジティブ!

最近、自走する集団作りについて関心を持ち、様々な動画や書籍を読んでいます。そこで、ある本に出会いました。

著者である長尾健司監督は、名門香川県高松商業野球部監督を務めています。過去はトップダウン型の厳しい指導をされていたようですが、様々な経験を積み、現在は自走する集団作りで素晴らしい成績を収めているチームを創り上げました。

私も以前、ソフトボール部の監督を2年間していたこともあり、すぐに手に取り、読みふけりました。

指導者としての失敗や指導方針の転換、高松商業の監督としての奮闘ぶりなど、非常に中身の濃い内容でした。中でも、

練習メニューは、体力的な厳しさはあったとしても、精神的には前向きな気持ちで取り組めるようにサポートしていく。それが指導者の役割だ。

の内容に、今後の指導者として影響を受けました。

例えば、「走る」メニューに、より負荷をかけるためにジャンプメニューを入れてみたそうです。しかし、ただきついだけで具体的にどの部分が鍛えられるかが明確でなく、選手の表情は苦しいだけ…。
実際にあったそうで、これは、指導者側に責任があるので次の日からこのメニューは消えました。

また、持久走で
「ただの走り込み」と思うか
「回復能力を高めるためのトレーニング」と思うかで
その苦しさも変わってきます。
苦しそうに走っている選手に「ラスト頑張れ!」と声をかけるのも悪くないですが、「ここでがんばれば、回復能力が上がって試合で活躍できるようになるぞ!」と試合をイメージできるような言葉かけをしてあげると、選手自身で何のために走っているのかが明確になります。
より目的意識をもって頑張れます。

さらには、持久走は
「心肺機能を高める」と同時に、
「チームのつながりを強くする」意味合いもあります。
自分が苦しいときに仲間からの応援を受けたら、「今度はおれがあいつを助けてやりたい」と思うでしょう。レギュラーを争う選手が一生懸命に前向きに走っていたら、おれもやらなければ!といい意味でのライバル心が芽生えるものです。

学校でも、
算数の計算練習、国語の漢字練習など、
子供にとっては面白くない学習になりがちです。

しかし、ゲーム性を持たせたり、自分で問題を作って友だちに解かせたり、自学ノートに自分自身が覚えやすく、成長できる学習方法を工夫して取り組んだりして楽しいと感じる学習方法にするだけで、その成果は随分違ってきます。

昔ながらの

「漢字1ページ、単語のみ書く!」

では覚えきれない子どもが一定数います。
特に発達障害のある子、例えばADHDの子では同じ作業の繰り返しでは飽きてしまい、まさに苦行となります。
覚えるどころか漢字を毛嫌いしてしまい、「漢字は苦手」だと先入観をもってしまうことも…。

漢字を「1つの図形」としかとらえられない子は、
漠然と形で覚えてしまい、線が一本足りなかったり多かったりしただけで間違えてしまってそれこそ漢字を嫌ってしまいます。

「読むことはできるけど、書けないんだよね」
という子どもは、通級指導教室に通っているLD特性の子供に多いです。

ADHD の子どものなかには,
漢字の習得が遅い理由として
「練習するのが面倒くさいから」
と答える児童が多いようです。書字の練習中にかんしゃくを起こしたり、練習を避けたりする傾向あるなどの例が報告されています。

ASDの子どもは、特性の1つであるこだわりから、やる意味を見出せない活動にはてこでも動かずしない子がいます。
そんな子には、
「漢字って覚えていたら、こんな時に役に立つよ!」とか
「こんな風にやってみたら、覚えられるでしょ。そうしたら、漢字テストで100点が取れるぞ!」
など漢字練習する目的意識を明確にし、やれば確実に習得できる方法を示してあげることでやる気を出す子もいます。何も言わなくても自ら学習していくことでしょう。そのような姿を引き出す支援を行う…そこに、教師の腕の見せ所があるのではないでしょうか。

最後に、
「完璧を求めすぎない」ことが重要です。
ある程度で「よし!」と思わないと、ずっと苦手意識を持ったまま子どもも保護者も進級することとなってしまうでしょう。

できたことに達成感や成就感を持たせ、「できてるよ!」「本当に困ったら、調べて書けばいいから、少しずつ覚えていこう!」とポジティブフィードバックを与え続けることが大切です。結果、自分から進んで学習する態度が形成されていきます。

「お前はダメだ」
のネガティブフィードバックは発達障害のある子供たちにとって定型発達の子どもの何十倍の傷を心に追わせることになります。2次障害、3次障害を引き起こし、不安障害や対人恐怖症、反抗挑戦性障害に陥ることが考えられます。

実際に、高松商業の野球部の生徒には中学時代に「問題児」の烙印を押されていた子が入部してきたそうです。長尾先生はそのような意識を決して持たず、「味方」であることを態度で示した結果、信頼関係を築き、自走する集団が形成され、その子達が活躍して素晴らしい成績を収めたそうです。

何事にもポジティブに捉え、目的意識を持たせる関わりの大切さをこの本から学びました。
今後、何事にもポジティブ!ポジティブ!ポジティブ!
を忘れず、自走する集団作りを学校現場で取り組んでいきたいと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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