見出し画像

本質的な怖い先生とは、子供の成長を願う○○な先生だ

皆さんが考える「怖い先生」は、どのような先生でしょうか?
・体が大きく、筋肉ムキムキな先生
・目つきが鋭く、いつも顔つきが怖い先生
・声が大きく、よく怒る先生
・スキンヘッドで金色のネックレスをつけた先生

…こんな、怖い先生を思い浮かべましたか?

「とにかく仕組み化」 安藤広大さん著に
本質的な怖い人の定義が述べられていました。

怖い人とは、
- 仕事で求められる基準は高い。
- 的確なフィードバックをされる
- 中途半端な仕事では評価してくれない
 など、明確な判断軸をもって仕事における厳しさを見せる人が本質的に怖い人。そういう人は、手を抜いたことが見抜かれる。言い訳が通じないし、ルールを守らないと指摘される。

「とにかく仕組み化」 安藤広大

これを教員に置き換えると、
本質的な怖い先生を言語化することができます。

・評価における基準が明確で、子供によって差がない。
・ルールを守らないと誰であっても注意される。
・ノートの取り方、プリントの取り組み方、学習活動に対する姿勢など、
 手を抜いたことを見抜かれる。言い訳が通じない。

こういったところでしょうか。
初めに述べた怖い先生は、
・見た目が怖い
・よく怒る・怒鳴る
といった特徴を挙げましたが、
それらは表面上だけであって、
本質的に怖い先生ではありません。

表面上だけ怖い先生だと、
はじめは恐怖心から従うのですが、
指導に理不尽さや不平等さが見え隠れします。
ついには、子供にバレます。
いずれ、
「手を抜いてもバレないや」
「宿題しなくても、何も言われなくなったからいいや」
「怒られてもハイハイと言っていれば
 いいだけだから別にきちんとしなくていいや」
など、いずれ言うことを聞かなくなります。
要するに、子供の成長が止まってしまうのです。

本質的に怖い先生の特徴は、
「このまま成長しないで中途半端なままでいると、
 教室に居場所がなくなるかもしれない」
「とにかく現状を変えるために、
 何かを改善しないといけない」
など、正しい恐怖を子供に芽生えさせます。

それは、慣れあいの中では決して生まれません。
友達のようなコミュニケーションで、
少し手を抜いても
「しょうがないな~。今回だけ特別だぞ」
という関係性では、本質的な厳しさは生まれません。

適切な距離感を保ち、
先生と子供という線引きは厳密に敷く。
少し頑張れば達成できる目標を常に設定し、
緊張感やプレッシャーを与え続ける。
そんな先生が、本質的に怖い先生です。

これは、一筋縄ではいきません。
実際に、私は怖い先生ではなかったと思います。
「子供に好かれたい」
「子供を怒って嫌われたくない」
「指導しても、聞かずにパニックを起こさせたらどうしよう」
など心の中によぎり、
思い切った指導ができないことが度々あります。

自分の中に明確な判断軸がなく、
ブレブレの指導や学級経営を行ったこともあります。
それでうまくいくこともありますが、
うまく行かなかったときは信頼を失い、
学級が荒れ始めたことがあります。
苦い思い出です。

信頼のおける先生を中学生に聞いた調査では、
「叱るべき時に叱ってくれる先生」
が上位にランキングしたそうです。
そんな先生は、
子供に好かれる、嫌われるという
低次な思考ではなく、
明確な判断軸を持ち、適切な指導を行うから、
結果として子供たちから
信頼を勝ち取っているのでしょう。

学校や学級の中でどんな行いがよいのか、
逆に悪いのかをきちんと明文化し、
予め伝えておきましょう。
守れていれば褒める。
できていなければ指導する。

単純なことですが、
それができる先生が本質的に怖い先生であり、
本当の信頼を勝ち取ることができる先生なのです。

最後に、子供自身が成長を実感できたとき、
「この先生についていけば、成長させてくれる」
と信頼を勝ち得ることができます。

そのために、
「成長しないと、居場所がなくなる」
危機感を持たせることは非常に重要です。
例えば、周囲が
・聞く姿勢が向上した。
・宿題の提出率が高まってきた。
・忘れたとき、失くした時はごまかさずに報告できるようになってきた。
・テストの点数が上がってきた
など成長してきたとき、
まだまだな自分は当然焦るはずです。
そして、頑張らないといけないという危機感をもつでしょう。
「○○まで達成できれば評価するよ」
と、すかさず少し高い目標を設定してあげるのです。
もちろん、人によってその目標に差があっていいのですが、
「がんばれば達成できそうだ」
という目標を持つことで、
できなければそれまでの取り組み方について
先生は明確なフィードバックができますし、
達成できた際には賞賛すればよいのです。
「少し頑張っても評価されない、目標まで達成しないといけない」
という意識が正しい恐怖を生み、行動に移すことができるでしょう。

本質的に怖い先生は、子どもの成長を願い、責任をもって
教師という役割を全うしている本当に優しい先生なのです。
中途半端な優しさは子供の成長を止めてしまいます。
私も本質的な怖い先生を目指して、
日々精進していきたいと思います。

今日の記事は以上になります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?