見出し画像

「BSテレ東 『男はつらいよ』第三十八作『知床慕情』」/三船敏郎のプロポーズ、淡路恵子の泪が感動!そしてまたしても竹下景子が寅に可愛く色っぽい目で迫る、、、

第三十八作「知床慕情」

この作品は、昭和62(1987)年夏の公開作品で、北海道知床を舞台として、三船敏郎と淡路恵子の熟年の恋と二度目のマドンナとなる「りんこ」こと竹下景子と寅の恋がシンクロしながら展開していきます。
ベテランの超俳優、超女優の名演技が嫌が応にもこの作品を佳作にしています。

竹下景子の(二度目の)出戻り娘、世界の三船と淡路恵子の恋

今回も、別役ではありますが第三十二作『口笛を吹く寅次郎』に引き続き二度目の出戻り娘役を演じます。
その親父が世界の三船、男やもめの三船に恋するスナックのママ役に淡路恵子です。
美しい北海道知床の自然と、加藤登紀子ではなく作者の森繁久彌が唄う「知床旅情」、東京から出戻った娘と親父の間に入り、行違って固まった二人のこころを柔らかく融かしていく寅の存在、絶妙に絡んでくるスナックのママ、、、というストーリが流れていく。

三船敏郎と淡路恵子がかっちりとそのキャラクターをスクリーンに映して、観客はこの二人と寅の絡みに酔い痴れるように人間の喜び、哀しみを共にしていく、、、、
そして、夏の北海道に別れの予感が、、、、
淡路恵子が、不景気でスナックを閉めるため、妹の居る新潟に帰ると三船敏郎に告げる、、、不器用な三船は何も応えられない、、、、
寅は三船の恋を知る、、、そして「りんこ」に告げる、、、

知床の仲間が美しい丘の上でのバーベキューパーティに集まる、美しい「りんこ」と淡路恵子を囲んで寅も一緒に愉しい時間、ひとり岩の上でぶすっとウィスキーをちびちびとやる三船、、、
その中で淡路恵子が、皆にスナックを止めて新潟に帰ると突然の別れを告げる、、、、
三船は岩の上から、頭ごなしに反対だという、、、
そのタイミングを寅は捉えて離さず、三船についに本音を吐露させる、、
「俺が行ってはならないというのは、、、、俺が、、、惚れてるからだ、、、悪いか!」と。
淡路恵子はここで絶妙の表情で泪する、、、
こんな素敵な熟年の恋はない、、、
山田洋治監督は、「世界の三船に、プロポーズをさせたかったんです」と後日言っています。
素晴らしい名場面です。

このあと、なぜか、「りんこ」が寅の手を握りながら、皆と一緒に二人の仕合せを祝う知床旅情を唄う。

このあとはお定まりですが、
寅に、「りんこ」が愛を伝えようとするが、寅はこれまた気が付きながら無視をする。
この場面は、第三十二作『口笛を吹く寅次郎』のラストの、
「そこへ、着物の美しさから洋服の美しい女性となった竹下景子が柴又を訪れる。寅さんへの思慕を湛えた秘められた胸の内を、すべてわかっているくせに心が無視をしようとする寅さん。
”とらや”と柴又駅で繰り返される、竹下景子が寅さんの袖を引くシーンは、その表情とともに観客の胸を締め付けるようだ。竹下景子にこんなことされてあんな表情で見つめられて恋に落ちない男はいない。」
に限りなく近い。
これまた、色気たっぷりの竹下景子に観客はやられてしまう、、、、
竹下景子にこういう表情されたら、たまりません。


寅さんに関する記事は以下にまとめてわかるようにしています。ご興味ある方は是非ご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?