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マスカサーティ(ー)ン

秋になると、懇意にさせてもらっている長野県千曲市のぶどう農家さんから、お任せでぶどうを送ってもらっている。

その農家さんは、様々な生食用品種を試しており、シャインマスカットやクイーンニーナを主力としていながらも、お試し品種を毎回みつくろってくれる。

長野県では珍しい「瀬戸ジャイアンツ」や、シャインマスカットの交配に起点になっている「カッタクルガン」など、一風変わった品種を送ってくれる。

今年、その中には「ヌーベルローズ」と「マスカサーティ(ー)ン」が入っていた。

「ヌーベルローズ」は皮まで食べられる赤ブドウ品種の旗手で、ウチの近所の農家も試しているがまだ5年目でやっと食べられる域に達してきたという新しいもの。もちろん美味しいが、黒ブドウの「長野パープル」もそうだけど、若干、皮にえぐみと渋みが感じられてしまうところが、高級品種とは言え、買う人を若干選びがちなんだろうと思う。

そして、「マスカサーティ(ー)ン」である。

美味そうに見えないのは申し訳ない

子どもらに出すために、一個味見してみたら、あのシャインマスカットよりも皮のほどけがよい。口の中に皮があまり残らないのだ。

シャインマスカットはすっかり市場を占有し、秋になると、見ない店舗はないというほどの人気ブドウ品種となっている。皮ごと食べられる簡便さと、すっきりとした甘さが特徴の白ブドウだ。

このマスカサーティ(ー)ンは、シャインマスカットに「ロザリオロッソ」という品種を掛け合わせてできた新品種のようだ。「ロザリオロッソ」を食べたことがないのでわからないが、シャインマスカットの甘さがより増しているように感じる。

シャインマスカットに比べるとやや実はこぶりだが、これは個体差なのかもしれない。色が悪いのはしばらく冷蔵庫においてしまったからだ。

皮がぷよっとして、口のなかでうまくほどけるため、シャインよりも口の中で皮が残らない。そして、何よりも、クイーンニーナのような和三盆系の上品な甘さが感じられる。

「マスカサーティ(ー)ン」。わざわざシャインを進化させる理由ってある?と思ったけど、これは美味いな!バカスカ食べるんじゃなくて、一個一個お茶と一緒にたしなみたい。

まだ市場ではそれなりの値段すると思いますけど、もし見つけたら試してみてください。

*名前は実際は「マスカ・サーティーン(13)」っぽいのですが、送ってくれた方の誤記の「マスカサーティン」の方が語呂として心地いいので、残しておきます。


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