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「虹」より完成度をあげた「銀河」 HIDIZS MS1‐Galaxy

こんにちは、あら50りっぷです。まだまだ懲りずにイヤホンレビューです。

好物は『寒色カリカリ系サウンド』と自称する割には、ウォーム系のイヤホンの中で唯一所有しているのが Hidizsのエントリーモデル  MS1-Rainbow。うまく説明できませんが、これだけは音が好きなんですよ!

そして2023年、同社のエントリーモデルとして新たに追加された製品が「 MS1-Galaxy」です。価格はさらに安価な設定になったのに、スペック的には MS1-Rainbow よりも優れた点がいくつもあるため、さっそく試聴してみることにしました。Amazon価格でなんと2,299円! 大人気で発売開始と同時にあっという間に品切れになってしまいました。

以前のエントリーモデル 「MS1-Rainbow」 については下記のレビューをご覧ください。

「Galaxy」のパッケージは MS1-Rainbow と比べるとコンパクトな簡易化粧箱に変更になりました(というか MS1-Rainbow のパッケージが異常に豪華すぎた・・・)。Amazonサイトで購入できる「レッド」「ブルー」「透明」のカラバリの中から、今回は Galaxy という名前に一番イメージの近い「透明」シェルを選ぶことにしました。

内側の格子模様がギラギラと反射する透明シェル。プリントはロゴとHIDIZSの文字だけ

Galaxy のボディーにはドイツ製Makrolonレジンを使用しています。Rainbowと同じ3Dプリンター技術ではなく、より精度の高い射出成形でデザインされています。耳入れが優しいのはMS1シリーズの特徴で、さらに軽量ということもあって長時間でも快適にリスニングできます。透明なフェイスプレートの内側にギラギラ光る格子模様のシートを挟みこむことで Galaxy 感を演出しています。

フェイスプレートの内側に光る格子模様のシートを挟みこんでいる

若干太めのノズル部がアルミ合金製なのも、金属フィルターを使用しているのも MS1-Rainbow と同じで、音質に良い影響を与えていると思われます。最近は廉価モデルでも金属シェルを使用したモデルが多く発売されるようになりましたが、軽量で耳入れの良い樹脂シェルにはまだまだアドバンテージがあると思います。

スペックを見ると、Galaxy は10.2mm 二重磁気回路ダイナミックドライバー×1基の1DDモデルで、振動板には樹脂系PU+PEEK の複合高ポリマーを採用しています。高域の伸びやディテール表現力に優れています。二重磁気回路を採用しているのも、中華イヤホンではもうすっかりおなじみになりましたね。

付属の純正ケーブル(0.78mm 2pin仕様)もアップグレードされています。MS1-Rainbow では無酸素銅ケーブルでしたが、Galaxyからは2芯銀メッキ線ケーブルに変更になって音の輪郭と中高音域の明瞭さに貢献していると思われます。付属のケーブルで物足りない場合には、より高純度の純銀線などにリケーブルすることももちろん可能です。

音質について
最初に聴いてびっくりしたのが重低音の厚み。
弱ドンシャリながら低音域がパワフルで、ベースが下から突き上げてくるようなバランス。ボクが常用している遮音性が高く、低域強調のイヤピース Sedna Earfitlight Short だとベースがさらに強くなって全体のバランスを崩してしまうので、Galaxyにはむしろベースを減衰させる効果のある、最新KZイヤホンに付属してくる純正シリコンイヤピース(ホワイト・M)を装着して試聴してみることにします(いろいろ試してみた結果、これが最もバランス良くまとまっていた)。

イヤピースはTRN Tips を試したあとで、最終的に最新KZの純正シリコンイヤピースに交換
10.2mmのダイナミックドライバーが覗ける。エントリーモデルながらノズルは金属製

Hidizs Acoustic Laboratory の高度な技術を持つ音響エンジニアによるチューニングは、量感のあるパワフルな低域を中心に中高音域もより明瞭なものになっています。先述の通り低音域がかなり重たいので、低域強調のイヤピースを選ぶと全体のバランスが崩れてしまうため注意が必要です。
Galaxyに付属してくる白いイヤピースは素材がフニャフニャ柔らかくて音質も不明瞭。絶対に交換が必要です。

Galaxyの中高域は、Rainbow よりも明らかに明瞭になっています。この点がニューモデルの最も優れた改良点といえるでしょう。
音の傾向はフラット基調というよりは弱ドンシャリですが、決して刺激的な音ではなく、Hidizsらしい大人しいサウンドにまとめられています。解像度も分離感も十分で、籠もった感じのないクリアで見通しの良い中高域と、重低音好きをも唸らせるパワフルで量感がある低域がこんなに安価に手に入れられるなんて! すでに Rainbow をもっているボクのようなユーザーでも、まったく別物として楽しめるイヤホンになっています。

しかし重低音の響きは厚いものの、アタックやキレが重視されるいわゆるスピード系イヤホンと比べれば全体的に落ち着きすぎているので、ハードロックやメタルを聴くのには向かないでしょう。むしろポップスやサントラを聴いたり、長時間チルタイムを楽しむにはこの味付けがいいのかもしれません・・・。耳疲れすることなく、ストレスフリーで気軽にリスニングが出来るのが Galaxy の大きなメリットでしょう!でもそれでもちょっと低音域が強すぎるような気もします・・・。

JS HiFiのShadowにリケーブル。「バランス接続」したら全音域のメリハリがさらに上がった

ものは試しと、低域を若干減衰し、高域のキレをアップさせる JS HiFiのShadow にリケーブルしてみると(特に3.5mmアンバランス接続から2.5mmバランス接続に変更してみたところ)「これだ!」

それまで強すぎると感じていた低域が抑えられ、中高域とのバランスが良くなりました。音全体の解像度もさらに明瞭になって、なるほどGalaxyはバランス接続で聴くイヤホンなのだと納得。ようやく狙っていた音色に落ち着いたのでした。
 

カラーバリエーションも豊富。でも一番 Galaxy 感があるのは透明かな

さらにその後

2.5mmバランスケーブルだとなかなか普段使いできないので、Nicehck RedAg 3.5mmにリケーブルしてみたところ、バランスケーブルほどではないものの、かなり上質なバランスが得られるようになりました。見た目は結構派手になってしまいますが、普段使いとしてはこの組み合わせで行こうと思います。

Nicehck RedAgの3.5mmケーブルだとバランスが良いことがわかった

Hidizs MS1 Galaxyというわけで「Hidizs MS1-Galaxy」は、Hidizsのエントリーモデルでありながら、派手さを抑えた聴きやすいサウンドで、全体的にウォームよりの滑らかなディテール感と豊かなボーカルが楽しめる「聴きやすい」リスニングイヤホンにまとまっていました。前作のRainbowでやや気になっていた高域の曇り感も解消され、明瞭クリアな音にアップグレードされています。

気軽なリスニングには最適で、クールなキラキラデザインとカラーバリエーションも含め、使いやすい製品といえるでしょう。分析的で神経質なリスニングには向きませんが、チルタイムを一緒に過ごすのに、ストレスのない本機はよい相棒になってくれることでしょう。アンバランス接続で直挿しするより、バランス接続でポテンシャルの高さを引き出してあげるとさらに楽しめると思います。
アマゾンで安価に購入できますし、多くのユーザーにお勧めできるイヤホンだと思います。

ギャラクシーっぽい魅力的な「透明」外装と高音質。エントリーモデルながら非常によくまとまっている

【Hidizs MS1 Galaxy】
Amazonで購入の場合
(大人気のため現在品切れ中)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0CF1WWQTT/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

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