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第四十七話 二人でお話②「姫のここ、綺麗?」

 玄関から、回廊に向かう間、三の姫は下を向いたままだった。姫付の女官、あかつきが、その様子に、心配を隠せないでいる。

「姫様、どうされました?何やら、お元気が・・・」
「・・・」
「ああ、それは、これから、俺が聞くので、暁、お願いがあるんだけど、・・・」
「はい、なんでしょうか?」


「いちごたっぷりのパフェ、イチゴアイスのせたやつ、厨房に頼んでもらえるかな?」

 俺は、暁の耳元に囁いた。別に、サプライズでもないんだけどさ・・・。

「わかりました。姫様のお部屋にお持ちしますね。二つですね」
「あ、いや、俺の分はいいんで、お願いします」
「はい、承知致しました。では、よろしくお願いしますね」

 それから、三の姫様の部屋に、そのまま、直行した。
 元気ないのと、不服そうな顔をしてるのと・・・、まあ、今日は、仕方ないね。酷いこと、言われちゃったんだから・・・。

「こそこそしてた」
「え?誰が・・・?まだ、意地悪言う奴、いるのか?」
「違うよ、さっき、数馬、暁にこそこそしてた」
「あああ、ちょっと、用事、頼んだだけ。気にしないで」
「ふーん」

 その後、暁が、姫の部屋に、冷たい紅茶を出してくれた。

「秋になりましたが、まだ、暑いですね」
「熱いよね。なのに、制服、やってらんねえ。あ、姫、着替えてきていい?」
「・・・」
「どうされましたか?姫様。ああ、転んだのでしたよね。大丈夫ですか?応急処置して頂いたのですよね。ああ、傷は・・・大丈夫そうですね。柚葉様と慈朗様も、心配してましたよ」
「お洋服、カメリアに、また、頼むのでしょう?」
「そうですよ。どんどん、お身体が女性らしく、変わる時期ですから。一の姫様も、二の姫様も、同じ頃がございましてね。これを機会に、少し、エレガントな大人っぽいドレスを新調されたら、いかがですか?」
「・・・暁、お仕事に行って。数馬と二人きりになりたい」
「まあ、・・・はい、わかりました。では、数馬様、お願いしますね」
「よろしく、例のやつも」
「はい、間もなく」

 暁がいる間に、着替えてくれば、良かったな。ついつい、やり取り見ちゃったんだけどさ。
 
 服の話も嫌なのかな?・・・うーん、こういう時、どうすれば、いいんだろうな?柚葉に、もう少し、アドバイス、聞いておくべきだったな・・・。とにかく、いつもの我儘で、元気な三の姫に戻ってほしいんだけどな。・・・言われたことは、ショックだったろうからな。

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