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【エピソード】子どもを「信じて待つ」ということ。

「夜にコーヒーを飲んでも睡眠に全く影響がなく、スッと眠りにつくのが特技がゆえに、学生時代コーヒーを飲んで勉強しようと思っても全然効果がなく結局健全に眠り、テストの日の朝を迎えていました。」

どうもこんにちは、保育士めぐです。

今日は先日私と子どもとの間にあったエピソードをお伝えしようと思います。

※これまでの、Aちゃんの発達の様子を理解した上で、私とAちゃんとの信頼関係が成り立っている上での話です。

ある日のお昼ごはんでのこと。

いつものように仲良しの友だちと一緒のテーブルでごはんを食べようとしていたAちゃん。


私たちの園では、食事はランチルームで食べていて、手を洗った人から順番に席に座っていくスタイルです。
前の席から順番につめていくので、好きなお友だちと隣になれるとは限りません。
(タイミングを見計らってうまいこと一緒に座っている子もいますけどね)

で、Aちゃんが手も洗わず遊んでいる間に、仲良しの友だちが先に食事の席に行っちゃったんです。

Aちゃんは焦りました。

「早くいかないと○○ちゃんの隣がとられてしまう…!」

手は洗わないまま、席に直行。

それをスタッフは見逃しませんでした。

「Aちゃん、その席誰も取らないから先に手を洗っておいで」

はい。Aちゃん大パニックです。


甲高い叫び声とともに大号泣。

こうなると無理やり抱っこしても暴れるだけです。

「Aちゃん、大丈夫だよ。」

と声をかけても届かぬ声。 

なので本人が自分から私のところに来てくれるまで

手を差し伸べて待ちました。

「こっちくる?」

「ちょっと気分転換行ってこない?」

するとようやく落ち着き、ゆーっくり私のほうに体を傾け

(抱っこして)のポーズ。

抱き抱えて外の空気を吸いに行きました。

あくまで自分でどうするか決めたいんですよね。

「おいで」

「お外行こう」

無理やり抱き抱える。

じゃ、彼女にはだめなようです。

その後はすぐに落ち着いて、手も洗い、自分の席について

食事をとることができました。

が、これで終わりじゃないんです。

その日は私も一緒のテーブルでごはんを食べたのですが

食べ終わって他の子どもたちのところへ行こうとすると

Aちゃんは私の元にやってくる。

「Aちゃんまだ食べ終わってないよね?」

黙って私を見つめ、離れようとしないAちゃん。

これはヤバい。

多分ね、卵から孵ったヒナが、最初に見た人をお母さんだと捉えるような
そんな目をしていた。

私も自分の意思をめげなかった。
というか、ほかの子もみなきゃいけないの私は。

だから必死で説得した。

「Aちゃん、めぐさんは今からお部屋に戻るからね。一緒に戻りたかったらパパっと食べて一緒にいこう?」

Aちゃん「…。」

「ねえ、めぐさん他の友だちもごはん食べれてるかなって見なきゃいけないの。協力してくれる?」

Aちゃん「…。」

「ごめん、ほんとにどうする?一緒に上がるなら早く食べようよ。めぐさんは行かなきゃいけないの。」

Aちゃん「…。」

2、3分くらい待って めぐさん ついに しびれをきらす。

「何も言ってくれないからわからない。みんな待ってるからめぐさんはもう行くね。」

はい、Aちゃん再び大号泣。

ここはもう、他のスタッフにお願いしました。

関わる人を変えることで
Aちゃんもなんとか気持ちが切り替えられた様子。

私の前ではまたちょっとぐすぐすゆってましたが

パニックになることはなくお昼寝。

そして夕方。(まだ続くんかい)

何人かで簡単な糸通しの遊びをしていたんです。

それを見たAちゃんも「やりたい」と。

しばらくやっているうちに糸がこんがらがってしまい、
Aちゃんイライラ。

「できいない」と泣きはじめました。

「すぐ直るから持っておいでよ^^」

と声をかけました。

そうしている間にAちゃんどんどんヒートアップ。

私のところにやってきて泣き怒るAちゃん。

「泣かないで怒らなくてもすぐ直るから、
そういうときは“直して”って言えばいいんよ」

と伝えたけれど、怒って私を押してきた。

めぐさんも 怒った。

「そのお願いのし方はないでしょう。

押されてすごく嫌だよ。」

Aちゃん座り込んで奇声を上げながら大号泣。

「直したよ」

と、ぶっきらぼうに糸通しを直す私。

「直ったから自分のところ戻って続きやりなよ」

なんて、Aちゃんにゆっちゃう私。


けど、Aちゃんはずっと私のそばから離れませんでした。

泣くけど、叩いてはこない。逃げもしない。

そこで私は考えました

Aちゃんは私になにか伝えたいんじゃなかろうかと。

言葉にしたい何かを泣くことで表現しているけど
けどやっぱり何かを言葉で言いたそうな感じがした。

だから私もここで思いを曲げちゃいけないなと思いました。

大人だって嫌なことは嫌。

それはちゃんと伝えたい。

癇癪を起しやすいAちゃんだけど

腫物に触るように関わるのも違うじゃないですか。

もちろん敏感な分、配慮してあげないといけないこともあると思います。


けど、今のAちゃんならきっとわかってくれているはずだと思ったので
ひたすら横で泣くAちゃんが落ち着くのを見ぬふりして待ちました。

しばらくして

小さな声で

「…ごめんね。」

って。

もう私涙がでるかと思いました。

思わずぎゅっと抱きしめた。

自分が選んだ選択が正しかったのか

もっといいやりかたがあったのかもしれないけれど

私はその経験を通して

より彼女との絆が深まったのを感じたし

なにより、彼女の成長を間近で感じられた。

今まで誰かがそばにいることで、声をかけてもらうことで

気持ちを切り替えたり、思いを口にすることができるようになっていたけれど

自分でコントロールして、自分の言葉で…。

はあ。

子どもたちは自ら成長する力を持っています。

信じて待つ。ひたすら待つ。

これにつきますね。

大人も、負けてらんないですね。

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