(生きた心地しねぇ)

めぐみの連帯債務者となったみつるは、あまりの辛さに胃が腐っていた。
そして今日がこの世界での初のクエストを受注する日なのにめぐみの都合で比較的死にやすい場所に向かうらしい

「よし歯ブラシと枕と…みつるは支度できたの！？」
「うぎゃああああ、行きたくない！行きたくない！」
「お前も私と同じ債務者として責務を全うするのよ！！」
「一睡もしてないっす、やだやだ」
「そんなに楽しみだったの？ちゃっかり荷物も準備してるし」
「なんも楽しくない、むりむりむり」
「ほらさっさといくわよ」

めぐみの怪力に引き摺られてその巨体を思わせぬスムーズさでみつるが運ばれていく

「片手でその余裕顔は笑っちゃいますね、ゴリラ神様」
「あ''？」
「ああああああ熱い熱いむりむりむり」

骨が高音で軋む音が聞こえ、バターのように腕がぐちゃぐちゃになる
みつるは自ら回復するが、その痛みの記憶は脳みそに焼き入れられている

「レベル1の勇者相手にそんなんじゃ保たないわよ？」
「ステータス関係なくこの怪力なら十分怪力……いやなんでもないないない、おもむろに腕掴まないでえええええ！！」

なんてやりとりをしている間に隠れ家の正門へやってきた
活気が溢れていて、ここにいる奴ら全員が成功者(異世界チート野郎)だと思うと腹が立ってくる

「おぉーよう逃げんで、きたのぉ〜」
「あ、どうも先日は」
「ｱｾｱｾ^^;」
「めぐみちゃんはそんな緊張するなかでもないやろw、ほなはよ受付ならんどこか」
(エセ関西弁め)

みつる達は『ひよこ組はこちらへ』と書かれた受付へと並ぶ

~~▽▽~~

約10分ぐらいしてみつるたちの順番が呼ばれた

「はいでは緑のリングなどの身分証明書を提示してください」

スマイル金融のおっちゃんとみつるが緑のリングを機械にかざす

「あれ、ないやば」
「あれれれれれれ？あれれ？めぐみちゅわん？」
「身分証ないオワタ＼(^o^)／」
「めぐみちゃんまた再発行〜？とんだ天然やな」
「あのー早くしてもらえますか〜？ﾋﾟｷﾋﾟｷ( *｀ω´)」
「あの、おっちゃんがめぐみちゃんの借用書持ってるんでそれでいいですか？」
「あっもうそれではい、早く」
(めぐみちゃんは多分こういうところが抜けてて借金がetc…)
「ではこれが皆様分の番号札となっております、こちらでメンバーが揃いあちらのモニターにてお知らせさせていただきます。あとえー、みつる様は今日が初めてのご利用ですので受付の右手にあります装備点検窓口から装備をお受け取りください」
「はーい」

~~▽▽~~

「あれこれだけですか？」
「はい(さっさと帰れ)」

みつるが渡されたのは、ミルキーな色をしているメリケンサック一対と、なんか分からん普通のサングラスのみだった

「あのー防具とか」
「防具とか相当な業物じゃない限り機動力を損なうものにしかなりませんし、もし''新人類''の攻撃が防げる防具が新人類に鹵獲されたらまずいでしょ」
「あっ、はい」
「あとそのメリケンサック、ピュア魔石使われてるから」
「…と申しますと？」
「それ一点ものだから失くしたら交換とかないので、貴重だから失くさないでください、あとサングラスも無くしたら破産寸前ぐらい金をむしり取ってやるんで、本来そんぐらいお値段するものですから」
「なんだこの店員(なんだこの店員)」

~~

「なんですかあの店員？」
「何もらったん？おっちゃんにみせてみ」
「メリケンサックです」
「まぁ見た目はアレかもしれんけど、この世界の魔力から作られた魔石は凄いでぇ、ピュアな魔力でズドーンよ、常軌を逸した存在じゃなければ大体殴れるで」
「ふっwメリケンサックってw」
「おいそこ、そこの怪力女」
「お兄ちゃんあとサングラスは？」
「ありますけど、これなんですか？」
「それ超高性能サングラス、最新型？ねぇねぇそれ最新型？」
「おっさんうざいっす」
「それはあれや新人類と戦うには必須アイテムやな」
「えー気になるぅみつる気になるぅちょっとかけてみるぅ」

ふっつーのサングラス
暗っ見づら、めぐみやおっさんを見ても別に詳細な情報？(iofo?)とかが見えるわけでもない

「あれか？初心者からかうだけのアイテムか？」
「いやwちがくて隠れ家内だと使えないだけで、外出たら使える様になるよw新人類は基本透明だからそのサングラス必須なのよ、思ったより高性能だから期待しててw」

『404番の番号札でお待ちのお客様〜』
気づけばデッカいモニターに自分達の番号札の数字が出ていた

「おっ呼ばれたで、にいちゃん！めぐみちゃん！いくかぁ！」
「「おー」」

~~▽▽~~

自分達の番号札が回収されドキドキワクワクの顔合わせとなる


「あっよろしくお願いしますぅ」

みつる、おっさん、めぐみ、ほか2匹を合わせた、5人パーティイエイ！

「よろしく(੭ुᐛ)੭ु⁾⁾」

「よろしく( ͡~ ͜ʖ ͡°)」

(なんか…不安なメンツだな)

次回とうとうみつる初陣！！！！！ようやく戦い！！！！こう御ご期待！！