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【今さら聞けない!】Cookieとは?仕組みやCookie規制についてわかりやすく解説

最近あらゆるWebサイトで、
「Cookieを許可しますか?」
って聞かれるけど、

正直訳もわからず、なんとなく
許可(同意)している方いませんか?

Cookieの同意を求める画面

そういう私も社会人になるまでは、
なんとなく許可していましたが笑 

ちなみに今は、
サイト毎に「同意する / 拒否する」
を意図的に選択しています!

先日、友だちとマンガ喫茶に行った時、
共用PCでNetflixにログインした友達が、

何も考えずに、Cookieを許可し、
さらにPWとIDをその共用PCに
保存してる所を見てドキッとしました笑

(なんでドキッとしたのか
ピンとこなかった方は、
この後も絶対読み進めてください!)

ということで今日は、ネットを使う上で
超必須知識のCookieについて、
解説していきたいと思います!

【この記事が解決する疑問】
✅そもそもCookieってなんなの?
✅Cookieって許可したほうがいいの?
✅Cookie規制が話題だけど、何が問題なの?

【この記事の最終ゴール】
🚩初心者がCookieの基本からCookie規制について人に説明できるレベルになる


Cookieとは?意味や仕組みを解説

Cookieの受信と送信の流れ

すごく大雑把に、
わかりやすさ重視で書くと、
Cookieとは「会員証」みたいなものです!

少しむずかしく言うと、
Webサイトがブラウザ(Safari・Chrome等)
に対して発行する小さなテキストファイルがCookieの正体で、「Cookieを許可しますか」に同意したユーザーだけに発行されます。

だから
「Cookieを許可しますか?」というのは、
「当サイトの会員証を受け取ることを許可しますか?」とほぼ同じ意味になります!

学校や会社に初めて行った時も、
学生証(社員証)を発行されますよね!?

それと流れは同じです!
学生証には氏名や住所、生年月日など、
生徒の個人情報が記載されています!

Cookie(会員証)はネット版の学生証で、
主にこんなことが記載されます。

  • 使用したブラウザ名

  • ログイン情報や会員情報

  • ページ滞在時間、訪問回数、訪問日時

Cookieは、Webサイトがアクセスしてきた
ブラウザ(ユーザー)に発行し、

受け取ったCookie(会員証)を
ブラウザが一時的に保持します。  

つまりCookieはサイト単位で発行され、
みなさんが使っているブラウザには、
有効期限さえ切れていなければ、

複数サイトのCookie(会員証)
が記録されていることになります!

そして、ブラウザが
再び同じサイトにアクセスした際に、
保持していたCookieを
Webサイトに再送信し、

Cookieをブラウザから受け取った
Webサイトは、Cookieに書かれた内容から、
以前訪問したブラウザ(ユーザー)
と同一であるかどうかを判断します。

つまりユーザーにCookieを付与する目的は、
Cookie情報を基にサイト運営者(企業)が、
ユーザーを識別するためであることが
お分かりいただけだと思います!

Cookieとキャッシュの違い

Cookieとキャッシュの違い

ちなみにWebの業界に関わっていると、
Cookieと同じくらい「キャッシュ」といった言葉を耳にするのではないでしょうか?

キャッシュとCookieはどちらも
ブラウザに情報を記録するため、
よく混同されがちですが、
記録する情報に明確な違いがあります!

Cookieはユーザー情報
(ブラウザ名や会員情報)を記録し、

キャッシュは訪問したサイトのページ情報(HTMLや画像)を記録します。

キャッシュのメリットは、
一度訪問したサイトを再び開くとき、
初めて訪問した時よりも
ページ表示速度が速くなることです。

キャッシュの例

例えば、ブラウザの「戻る」ボタンを押した時、非常に早くページが表示されるのは、
キャッシュを利用しているからです!

一度表示したページに戻るため、
サーバーにリクエストする必要を省ける
のがキャッシュの大きなメリットです!

ちなみにキャッシュはCookieとは違って、
ユーザーの会員情報やログイン情報など
プライバシー情報を保持しないので、
キャッシュ規制みたいなのはないんです。

Cookieのメリットとは

Cookieを利用する主なメリットは
次の3つがあります。

  • ログインの手間が省ける

  • カートに入れた商品を保存できる

  • 効果的なアクセス解析を実施できる

ログインの手間が省ける

右画像がCookieを許可した場合

Cookieを利用するメリットの1つ目は、
会員登録サイトにて、
一度入力したログインIDやパスワードを
再入力する必要がなくなることです!

例えば、洋服にお金を頻繁に使う人なら、
一日に何度も同じサイトを訪問することは
今や普通ですよね?👕👔

でも、サイトを訪問する度に
ログインIDとPWの入力を求められたら、
非常に面倒に感じませんか!?

Cookieはユーザーが過去に入力した
ログイン情報を保持してくれるため、

Cookieの内容から会員登録済みの
ユーザーであることがわかると、

IDやPWが予め入力されたページを
表示してくれるメリットがあります!

カートに入れた商品を保存できる

Cookieを利用する2つ目のメリットは、
カートにいれた商品を保存してくれること。

読者の方の中に、
商品をカートに入れたものの、
その時点では購入せずに、
一度サイトを離脱した経験はありませんか?

おそらく多くの人が、
💡他社商品と比較したい
💡価格を比較したい
💡口コミを見てから購入したい
といった理由で、商品をカートにいれたまま、サイトを閉じた経験があると思います。

Cookieはログイン情報だけでなく、
カート情報も保持してくれるため、

再訪問したユーザーがスムーズに
買い物の続きができ、買い忘れた商品を
再びカートに入れ直す必要がなくなります!

つまり、知らない間にCookieの恩恵を
みなさんは受けているのです!

なので、ECサイトでCookieを拒否すると、
毎回ログインIDやパスワードを入力したり、

カートに入れた商品が消えたり、

申し込みフォームに過去に入力した
住所や名前が自動で候補案として、
表示されなくなったり、不便が発生します!

効果的なアクセス解析を実施できる

Cookieがもたらす3つ目のメリットは、
Cookieに保存された情報を
企業のマーケティング活動に活かせること。

最後のメリットは一般ユーザーというより
企業のWeb担当者やマーケターにとっての
メリットって感じですね!

実際、Googleアナリティクスなどの
サイト分析ツールは、Cookieに保存された情報を使って、サイトの人気ページや滞在時間を可視化しています。

おさらいですが、Cookieに保存される内容は
主に下記のような項目が挙げられます。

  • ブラウザ名

  • ユーザー属性

  • ページ閲覧情報

  • サイト滞在時間

  • ログイン情報

  • カート情報

  • 訪問回数

そのため、Cookieを利用することで、
訪問してきたユーザーAが初回訪問なのか、
リピーターなのか把握することができます!

また自社のどんなページをどれくらいの時間閲覧したのかもCookieに保存された情報から、サイト運営者は知ることができます。

このようにCookieを利用することで、
ビジネスに直結する情報を確認できます!

Cookieのデメリットとは

ここまで読んだ方の中には、
「Cookieは許可したほうが便利じゃね?」
「Cookieを拒否するデメリットとかある?」
と思われた方もいるのではないでしょうか?

もちろん、Cookieを許可すると、
インターネットをより便利に使えます!

ただ、世界的にはCookie利用について、
制限をかける動きが主流になっています。

実際Cookieがもたらす主なデメリットに
以下の2つがあります!

  • 個人情報漏えい・不正利用のリスク

  • リタゲ広告の配信対象になる

個人情報漏えい・不正利用のリスク

1つ目のデメリットは、
Cookie利用による個人情報漏洩や
不正利用のリスクが挙げられます。

例えば、スマホを紛失・盗難された際、
読者の方が普段からCookieを許可してると、

スマホを拾った他者がCookieを利用して、
自分のSNSやECサイトに自動ログインし、
勝手にモノを購入する恐れがあります。

そのため、もしスマホを頻繁に失くす、
忘れてしまうといった方は、

あらかじめCookieを拒否しておくと、
万が一盗難されたとき、
Cookieを不正利用される心配はありません。

冒頭で、マンガ喫茶の共用PCで、
友達がNetflixにログインした時、
IDやパスワードを保存してしまったことに
危機感を覚えたと言いました。

ここまで読まれた方は、
なんとなく理由はわかりましたでしょうか?

というのも、もし他の人がその共用PCで
Netflixにログインしようとした場合、

友達が過去に入力したログインIDや
パスワードが表示されるため、
自動ログインできてしまったり、
IDやパスワードを悪用されかないのです。

また、同じIDやパスワードを
複数サービスで使い回している場合、

NetflixのIDやパスワードを使って、
アマゾンや楽天などで、
買い物されてしまう危険性があります。

これは、Cookieがブラウザ単位で、
保存される仕組みであることが原因です。

そのため、パソコンのブラウザと
スマホのブラウザで同じサイトを
訪問しても、同じChromeを使っていても、

デバイスが異なるので、
別々のCookieがそれぞれのブラウザに
付与されることになります!

リタゲ広告の配信対象になる

2つ目のデメリットは、
Cookieに保存されたWeb上の行動履歴や閲覧履歴をもとに広告が表示されることです。

読者の方の中にも、
ついさっきまで見てたサイトの商品が、
別のサイトの広告枠に表示される、
といった経験をはないですか?

人によっては、
全く関係ない広告が表示されるよりは、
「自分の興味がある広告」が
表示されたほうが良い
と思う方がいるかもしれません。

でも、人によっては
行動履歴や閲覧履歴を
Googleや広告主に把握されることに
嫌悪感を抱く方もいると思います。

広告主にとっては、
行動履歴や閲覧履歴をもとに、
より効率的に自社のターゲットに
広告を出せるメリットがありますが、

ユーザー側の立場に立つと、
自分の行動を監視されている感じがするため、正直気分がいいものではないですよね。

1st Party Cookieと3rd Party Cookieの違い

1st Party Cookieと3rd Party Cookieの発行者の違い

Cookieの基本的なやり取りは、
WebサイトがCookieを発行し、ブラウザがそれを受け取り、再訪問する際にCookieをサイトに送り返すといった流れを取ることはすでに述べました。

ただし、一口にCookieといっても、
実は大きく以下の2種類に分けられます。

  • ファーストパーティクッキー

  • サードパーティクッキー

主な違いは「誰が発行したCookieか
この一点のみです。

そして、昨今問題となっているのは
後者のサードパーティクッキーです。

ここでは、
1st Party Cookieと3rd Party Cookieの
違いについて説明します。

ファーストパーティクッキーとは

ファーストパーティクッキーとは、
訪問したWebサイトのドメインから
発行されるCookieのことで、

今までの説明はファーストパーティクッキーを想定しています。

つまり、訪問したWebサイトのドメインとCookieを発行したドメインが一致するのが
ファーストパーティクッキーの特徴です。

例えば、noteをアプリではなく、
ブラウザで開いてる方は、
noteからCookieを付与されます。

この時のCookieは、訪問したサイト、
つまりnoteから発行されているため、
ファーストパーティクッキーです。

そして、noteを開くたびに、
ブラウザがnoteから付与されたCookieを

noteに送り返し、noteがCookieの内容を確認し、会員であればログインした状態のページを返します。

サードパーティクッキーとは

一方、訪問したサイトのドメイン以外の事業者が発行したCookieをサードパーティクッキーと呼びます。

こちらはファーストパーティクッキーと
比べて理解しにくいかもしれません。

例えば、架空のABC株式会社が運営する
abc.comのTOPページには、

広告事業者X(www.adserver.jp)から配信されるバナー広告が掲載されていたとします。

その際、広告事業者Xは
TOPページにバナー広告を掲載する際に、

TOPページを閲覧したブラウザ(ユーザー)は、自動的に広告事業者Xのサーバーにも
アクセスすることを要求する
広告タグを埋め込みます。

それによって、
abc.comにアクセスするユーザーは、

自動的に広告事業者Xのサーバーにも
アクセスすることになり、

広告事業者Xは、
アクセスしてきたそのユーザーに
Cookieを発行するのです。

この第三者が発行するクッキーこそが、
サードパーティクッキーです。

サードパーティクッキーは、
ファーストパーティクッキーとは異なり、
サイトを横断してユーザーを
追跡(トラッキング)する特徴があります

ここでは、サードパーティクッキーのトラッキングについてイメージしてもらうために、
下記の事例で説明します!

洋服好きの佐藤さんが、ファッション通販サイトAで閲覧したTシャツが、後日他のニュースサイトBの広告枠に表示され、「なぜ関係のないニュースサイトに昨日自分が見たTシャツが表示されたのだろう?」「自分の行動が誰かに見られてるんじゃないか?」と不安に思う。

①ファッション通販サイトAを訪問

ファッション通販サイトAを訪問

洋服好きの佐藤さんは、
いつもファッション通販サイトAで
ショッピングを楽しんでいます。

ある時、佐藤さんはサイトAで
気になってるTシャツの商品ページを見て
購入しようか迷っていた所、

突然友達から電話がかかってきたため、
その時は買わずにサイトを閉じました。

ちなみに、佐藤さんが訪れたサイトAには、広告事業者Yが広告タグを仕込んでました。

②サードパーティクッキーが付与される

サードパーティクッキーが付与される

そのため、佐藤さんがサイトAを訪問した
瞬間、広告タグが起動します。

その結果、佐藤さんは
知らぬ間に広告事業者Yのサーバーに
アクセスする段取りを取ってしまいます。

アクセスしてきた佐藤さんのブラウザに広告事業者Yは佐藤さんのブラウザを識別する固有のユーザーID(サードパーティクッキー)を付与しました。

当然佐藤さんはそんなことは知りません。

③ニュースサイトの広告枠にTシャツが表示

ニュースサイトの広告枠にTシャツが表示

翌日、佐藤さんは通勤中にいつも確認する
ニュースサイトを開きました。

スポーツ記事を読んでる時、
文章と文章の間に、
昨日ファッション通販サイトAで見ていた
Tシャツが広告として表示されました。

佐藤さんはその時、広告をきっかけに、昨日Tシャツを買い忘れたことを思い出した。

でもそれと同時に
「なぜニュースサイトに自分が
昨日見ていた商品が表示されたのだろう?」
「自分の行動が他人に見られてる?」
「個人情報が流出してるんじゃないか?」


とすごく不安にも思いました。

実際皆さんも似たような経験ありませんか?

ニュースサイトに見覚えのある商品が表示
された原因はサードパーティクッキーです。

つまりこのニュースサイトには、
通常のコンテンツとは別に、
広告配信枠が用意されており、

佐藤さんがニュースサイトを訪問すると、

昨日ファッション通販サイトAを訪問した時に広告事業者Yに付与されたユーザーIDをもとに、広告サーバーに広告配信をリクエストします。

広告サーバーはユーザーIDの内容から、
ファッション通販サイトでTシャツを閲覧した履歴を確認し、ニュースサイトの広告枠に
Tシャツを広告として表示したのです。

このようにサードパーティクッキーは、
ファッション通販サイトからニュースサイトに移動したユーザーを横断的に追跡します。

先ほどのファーストパーティクッキーは、
ログインの手間が省けたり、
カートの中身が残っていたり、

ユーザー自身がメリットを
感じやすい特徴がありました!

しかし、サードパーティクッキーは、
ユーザーの行動や閲覧履歴を追跡し、
そのデータを企業のマーケティング目的に
利用するケースが多いです。

特にユーザーとしては、訪問したサイト以外のサイト(サーバー)にアクセスしていることを知りません。

ここまでサードパーティクッキーと
ファーストパーティクッキーの違いを
できるだけわかりやすく伝えてきました。

そして世界では、
このサードパーティクッキーを
プライバシーの観点から規制しよう
とする動きが本格化しています。

最後に現状のCookie規制について
お話したいと思います!

どうなる?今後のCookie規制

ここまで、クッキーには、
ファーストパーティクッキーと
サードパーティクッキーの2種類が
存在することを説明してきました!

そして前者のファーストパーティクッキー
については、皆さんも恩恵を受けていることを認識できたのではないかと思います!

一方後者のサードパーティクッキー
については、プライバシーの観点から不安に思われた方もいるのではないでしょうか?

実際サードパーティクッキーは
広告主やマーケターに都合が良い一方、

一般ユーザーにとってはメリットよりも、
個人情報の観点から不安視する声の方が
大きくなっている現実があります。

ここではサードパーティクッキー規制
の最近の動向について解説します!

世界のCookie規制の現状

世界では日本よりもCookie規制は厳しく、
すでに代表的な法律が存在します。

正直マーケターや企業のWeb担当者なら、
以下の2つは必ず覚えておくべきです!

①GDPR(一般データ保護規則)
2018年に施行されました。
対象はEU域内の各国に適用されますが、
日本企業もこちらを無視できません。

GDPRの適用対象は、
EU域内に拠点を持ち、
個人情報を収集・処理する組織や個人です。

でも、超大事な点は、
例えEU域内に拠点を持ってなくても、
EUに居住する人の個人情報を収集・処理する組織もGDPRの適用対象になるのです!

つまり、もしECサイトを運営し、
かつ日本国外にも商品やサービスを提供している場合、商品の購入者にはEU居住者が含まれている可能性があります!

その場合、それらの企業は、彼らEU居住者の個人情報を収集・処理する組織として、GDPRへの対応が必要になります!

ということは、
今やネットで商品を販売する企業が
当たり前になっているため、
多くの企業はGDPR対応が必要になります!

そして、
GDPRのCookieに関する項目の中で、
絶対に覚えておくべきことは、
オプトインの義務化です!

つまりGDPRの下では、サイト運営者は、
ユーザーがサイトを利用する前に、
Cookieを許可するかどうかを
事前に尋ねる義務が生じるということ!

GDPRについては、
これくらいを押さえておけば、
オッケーだと思います!

②CCPA
(カリフォルニア州消費者プライバシー法)
2020年に施行されました。
米カリフォルニア州で適用される州法です。

GDPRがEU圏内の居住者のプライバシーを保護する法律でしたが、CCPAはカリフォルニア州民のプライバシーを保護する法律です。

そのため、仮にカリフォルニアで
事業を展開していなかったとしても、

カリフォルニア州民の個人情報を扱う
可能性のある事業を行っている企業は、
CCPA対策を行う必要が生じかねません。

CCPAでは個人データの定義が広く、
当然Cookieも個人データになります。

ただGDPRとは異なり、
Cookieの受け入れを事前に求める
事前同意取得(オプトイン)は不要です。

このようにGDPRとCCPAは、
趣旨や方向性は似ていても、
具体的な内容に多少差異があるため、

それぞれの法律に丁寧に
対応していく必要があります!

日本のCookie規制の現状

日本のCookie規制については、
正直欧米と比較すると、
現状そこまで厳格ではありません!

Cookieに関する法律は以下の2つを
最低限覚えておけば大丈夫です!

①改正個人情報保護法
2022年4月に施行されました。

大前提として個人情報とは、
今現在生存する個人に関する情報で、
例えば「氏名・住所・生年月日」など
個人を特定できる情報を指します。

あるいは、
それ単体では個人を特定できなくても、
他の情報と組み合わせることで、
特定の個人を識別できる場合も、
個人情報になります!

例えば、「佐藤」という名字だけでは、
個人を特定できませんが、
「〇〇県△市〇区△町〇〇番地」在住
といった情報が追加されると、
個人を特定可能になり、
個人情報になってしまいます!

では、Cookieが扱う情報は
個人情報なのでしょうか??

結論から言うと、
Cookieの情報で特定の個人を
識別できる場合は個人情報に該当します

ちなみに、この改正個人情報保護法では、
個人情報とは異なる「個人関連情報
という概念が新設されました!

「個人関連情報」とは、
個人情報ではないけれども、
個人に関連する情報のことです!
(めっちゃ紛らわしい、、、)

Cookieには、WEB上の閲覧履歴や行動履歴
などが記録されることはすでに述べました!

それらの情報で個人を特定できない場合は、いわゆる個人関連情報にあたります!

でも、他の情報と照合した時に個人を識別できてしまう場合は個人情報にあたります!

そのため、改正個人情報保護法では、
例えば、会社Xが保有するCookie情報を
会社Y(第三者)に提供する際、

会社Yが保有する情報と
会社XのCookie情報を組み合わせることで、万が一個人を特定できてしまう場合、

会社Yはその個人本人から同意を得る必要があり、会社Xは会社Yが本人から同意を得たことを確認しない限り、

会社YにCookie情報を
提供できなくなったことが、
改正個人情報保護法で押さえる内容です!

②改正電気通信事業法
2023年6月に施行されました。

改正電気通信事業法は、
サードパーティクッキーを狙い撃ちした、
日本で初めてのCookie規制の法律です!

改正電気通信事業法が適用される対象は
基本的にオンラインサービスを提供する
事業者全般で、範囲はかなり広いです!

そして、この法律のもとでは、
サイト運営者はユーザーのCookie情報を
第三者(サーバー等)に提供する時には、

ユーザーに対して以下の①〜④の情報を事前に「公表」あるいは「通知」する義務が課されました。

  1. Cookieの利用目的

  2. Cookieで取得する情報

  3. Cookieの送信先

  4. 送信先(第三者)での利用用途

「公表」のやり方としては、
プライバシーポリシーや個人情報保護方針
のようにサイト内で専用ページを設けたり、

「通知」のやり方としては、
サイト訪問時にポップアップで知らせる
方法で問題ないのではと思います!

以上が、欧米と日本のCookie規制に関する
主要な法律や取り組みです。

次はCookieを受け入れる主体である
ブラウザを提供する各社の取り組み
について簡単に説明したいと思います。

特にブラウザのシェア率が高い
Safari(Apple製)とChrome(Google製)
でCookie規制が進んでおり、

事実上のCookieless時代に突入しています。
なぜなら、Cookieを受け取るブラウザ本体がCookieを拒否する仕組みを採用すれば、

サードパーティクッキーを付与しても、
無効化されてしまうからです。

AppleのCookie規制の現状

結論から言うと、
Apple社のCookie規制は厳格で、
2023年11月時点でサードパーティクッキーは
すでに全面的に廃止されています

またAppleの場合、
ファーストパーティクッキーも
規制の対象となっています。

AppleのCookie規制は、
2017年にSafariに搭載された
ITPによって本格化したと言えます。

ITPはIntelligent Tracking Prevention
の略で、直訳すると「賢く追跡してくるものを防止する機能」みたいな感じですかね笑

つまり、サードパーティクッキーのような
サイト横断的にユーザーを追跡する仕組みを
Safariは規制することが宣言されました。

そして段階的に始まった規制が、
2023年9月に完結し、Safari利用者に対する
サードパーティクッキーは全面的に無効化されてしまいました。

ちなみに、ITPはプライバシー保護を
目的として実装された機能ですので、
サードパーティクッキーに限らず、

今後ユーザーのプライバシーを脅かす
仕組みや機能は規制対象になります!

これはApple社の
プライバシーを守り、自分の情報をコントロールできるように製品を設計する
という理念が影響していると思います!

GoogleのCookie規制の現状

次はGoogleのCookie規制について
見ていきたいと思います。

結論から言うと、
GoogleはCookie規制に対して消極的で、
2023年11月時点では、

サードパーティクッキーに対する
具体的な制限はありません

またファーストパーティクッキーに対する
規制も特にありませんし、今後も制限する
動きはないみたいです!

消極的な理由としては、
Googleの稼ぎ頭である広告ビジネスが
サードパーティクッキーに大きく依存
しているからに他なりません!

また後述するクッキーの代替技術である
プライバシーサンドボックスの開発が
遅れていることも理由の一つと思います!

実際Googleはサードパーティークッキーの
廃止の決行を何度も延期しています。

現状Googleは2024年後半に
サードパーティクッキーの完全廃止を
目指しており、

2024年第1四半期には、
Chrome利用者の1%を新技術プライバシーサンドボックスに移行し、サードパーティクッキーを無効にする段取りになっています!

こうしたGoogleのスケジュール感を見ると、
プライバシーサンドボックスが完成するまで
サードパーティクッキーはまだ機能し続けるんではないかと思います!

Cookieの代替技術はある?

ここまでCookie規制に対する
世界と日本の動向、
そしてブラウザの動向を見てきました!

そして世間的に、
Cookie規制とは主に
サードパーティクッキーを規制する

世界的なムーブメントであることが
実感できたと思います!

とはいえ、現状ほとんどの企業が
サードパーティクッキーを利用して、
マーケティング活動を続けています。

そのため今後は、
サードパーティクッキーを卒業し、
代替技術に頼ることで、

自社に興味を持ってくれそうな
潜在層や見込み客の発掘に
取り組む必要があります!

ただ、結論からいうと、
現時点ではサードパーティクッキーの機能を
直接的に代替できる技術は存在せず


ユーザーが見ている
コンテンツや検索キーワード、

あるいはユーザーの興味関心をベースに
トラッキングすることで、
広告やターゲティングの精度を
担保しようとしているのが昨今の様子です。

そしてGoogleが提唱している概念の
「Privacy Sandbox」がまさにCookieの
代替技術として現在絶賛開発中であるため、

こちらについて最後
簡単に概要を説明したいと思います!

おそらく周りの方で「Privacy Sandbox」
をすでに知っている方はまだ少数派だと
思います。

Googleの「Privacy Sandbox」とは?

Privacy Sandbox
(プライバシーサンドボックス)とは、

簡単に言えば、
これまで軽視されていたユーザーの
プライバシーを保護しつつ、
従来のように個々のユーザーに適した
広告を表示する仕組みや概念
を指します!

でも具体的に、どのようにプライバシー保護とターゲティング広告の両立を実現したのか気になりますよね!?

従来のCookieとPrivacy Sandboxの違いは、
取得したユーザー情報の保管場所です!

従来のCookieで得た情報は、
企業側のサーバーでも保持していました。

しかし、Privacy Sandboxはブラウザ側で
個人情報を保持するため、企業側に個人情報を追跡される心配はありません。

もう一つの違いは、
ターゲティングの対象が個人から特定の興味関心を持ったグループに変わったことです。

方法としてはブラウザに搭載されたAIが、
多くのユーザーの閲覧履歴を分析・学習し、同じ興味関心を持ったユーザーを例えば、

・「ファッション・トレンド好き」層
・「スポーツ・アウトドア」層
・「エンタメ・旅行」層

のようなグループに分類し、
そのグループに対して広告主が
ターゲティングする流れに変わるため、

個人を追跡する重要性が低くなります。

そのため、Privacy Sandbox時代では、
ブラウザの果たす役割が
非常に大きくなるのではないかと思います。

Privacy Sandboxについては、
個別で改めて解説したいと思います!

まとめ

ここまでお読みいただき、
ありがとうございます!

今回はIT知識に明るくない方を対象に
Cookieの基本から最近のCookie規制の動向
について解説しました。

本記事の最終ゴールは、
「初心者がCookieの基本からCookie規制について人に説明できるレベルになる」
でしたが、みなさんいかがでしょうか?

結論、下記の5点を簡潔に説明できれば、
この記事を一読された価値があります!

✅Cookieとは何なのか
✅Cookieのメリットとデメリットは何なのか
✅3rd Party Cookieが問題視されていること
✅3rd Party Cookieの問題点は何なのか
✅Cookie規制の現状はどうなっているのか

Cookie規制については、
現在進行中の問題ですので、
今回の内容も時間の経過と共に
古くなってしまいます。

ですので、特にWeb担当者やマーケターの方は引き続き情報をキャッチアップしていただければと思います!

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