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豊嶋康子 発生法ー天地左右の裏表ーなんじゃこりゃ!

先週の記録。朝一に映画を見て美術館をはしご。最後に東京都現代美術館にて豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表 を見た。どっぷりと浸かって豊嶋さんワールドを体感した。濃密で新たな発見とユーモアに溢れた時間だった。

豊嶋さんの作品は、私たちが当たり前と思っている価値観や鮮度や事柄に対して、「本当にそうかしら?」と形を変えて、見せ方を変えて、もしくはたくさん並べて、「ほうらごらん、どう思う?どう見える?」と遊び心たっぷりに提示してくる。
人と社会の「発生」の仕方に光を当てているらしい。

最初に言っておくと、全然写真映えしない!写真はシックで地味。だがしかし、へ?これどういうこと?という不思議な展示が多く、近づいて解説を読んでぶったまげる、笑いだす、まじまじと目を見開いて(口も開いて)釘付けになる、という感じ。
これ、ほんとに面白くて行って良かった!!となりました。

この日はキース・ヘリング展も見る予定だったので、当初は疲れるんじゃないかと迷ったけれど、noteでフォローしている薪さんの投稿記事を見て、行くっきゃないな!と前のめりで足を運んだ。

(展示の魅力が伝わる投稿で、いつも楽しく読んでいます。そして美術館へ出かけるときの参考にしています。)

今回たまたま行ったタイミングで、ガイドツアーに参加できた。
参加できるなら参加してみよう、と軽い気持ちで参加したのだけれど、
さまざまな展示についてガイドスタッフの楽しい解説を聞けるのは、とてもわかりやすいし楽しさ倍増だったと思う。


数ある作品の中でも大規模でわかりやすく楽しかったのがこれ。

どどーん!

しばらく口を開けて上を眺めた。
これ、ちまちまやっている作業を想像するのも楽しい。
線を作ってピースの端と端をはめ込んで、突き当たったら方向転換してはめ込んで、を繰り返したそうな。
どのくらい時間かかるものなのか。スタート地点を好きに決めて、あとはその時はまるピースを選別して進んでいく作業がなんだか楽しそう。

こちらの壁にも。
今回使用したパズル
最初の写真の壁に使ったのは、きっとサグラダ・ファミリアだね。

物を測る役割のものたち。オーブントースターで加熱し、ぐにゃぐにゃ。
目盛りが歪み、物の価値もぐんにゃりしてしまいそう。

真ん中よりちょい上の、ぐにゃぐにゃボールみたいなの、私も作りたい。

解説を聞いて衝撃を受けたのがこちら。

人の名前がたくさん書き連ねられている。どこか軽視できない雰囲気を感じる作品。

作品名は「前例」。
日露戦争・日中戦争・太平洋戦争時期の、主に日本が占領した地域、戦地の領域の地図が和紙に描かれている。そして地図には、渡航した(兵士として招集された他、プライベートな旅行のものまで含むらしい)日本画家の名前、その地に赴いた年と理由を書き出している。
この和紙は豊嶋さんの地元、埼玉県比企郡小川町で作られたもので、
戦時中に風船爆弾としても使われたそう。

作品から受けた印象が、どこか重く、軽視できない雰囲気を漂わせていたので、解説を聞いて納得した。

随分器用なことするなあ。

鉛筆の中心を削って、先が向き合うようにつながっている。これ、削っていたらポキっと折れないギリギリを攻めたくなりそう!
この作品を見ていたご夫婦が顔を近づけて「ありゃあ!これはこれは!」と言っていた(七十代らしき男性)のが、楽しかった。
わかるよ、おとうさん!

真ん中にそろばん。線路のよう。
これ豊嶋さんが手作りしたそろばんらしい。
そろばん続くよ どこまでも
ここにも走るよ どこまでも

そろばんがだんだんおしゃれなインテリアの一部に見えてくる。これもどのくらい時間かかったのだろう、と作る過程を想像して笑った。

ガイドさんのお話を聞いて楽しさ倍増したのはこちら。くす玉!

お金降ってこないかなあ。
くす玉の柄ってこんなだっけ?手毬のようで可愛らしい。

無料配布されているリーフレットにも書かれているのだが、豊嶋さんは展覧会終了後にこのくす玉をご自分が自ら割るつもりでいらっしゃるそう。
だが、すでにお客さんによって割られたくす玉があって、笑ってしまった!
確かに、こうやって並んであってひもが垂れていると、つい引っ張りたくなる衝動もわかる気がする。悪気は無かったんだろうなあ。
リーフレットには、豊嶋さんが「私が(割る)」と2回も書いてある。
よっぽど展覧会終了の打ち上げに自分で割りたかったんだなあ、と思った。
ふふふふ、と一緒にガイドさんの説明を聞いている皆で笑った。

ガイドをしていただいた時間は40分くら。
またツアーガイドに参加の機会があったら、是非参加したい。
好奇心を刺激され、展示の奥を知れた気がしたし、作家豊嶋さんワールドを堪能できたように思う。

紹介した展示のほかにもたくさん作品があるので、ぜひリーフレットを片手に楽しんでいただきたい!
柔軟に掘り下げて考えてみると、案外私たちの目の前にあるもの(価値観や決まり事なども)は不思議で面白いのかもしれない。
私は、難しく考えずに「なんじゃこりゃあ!面白い!」と好奇心を刺激されました。心地よい刺激!!

この日は、新宿(映画)→六本木(キース・ヘリング展)→清澄白河(豊嶋康子展)の流れ。キースを見た後に六本木でランチ。


大好物

六本木でランチするならマイ定番はシェイクシャック Shake Shack -。ああおいしい。ポテトも大好き。シェイクシャックはシュルームバーガーという大きなマッシュルームをフライしたバーガーが大好きだったけど、オストメイト的には巨大キノコはあまり良くないだろう(しかも揚げてるし、消化に悪そう)と思い避けている。夫がオーダーする時は一口食べて、ううううううう!!と唸る。もちろん美味しくて。この日は二人ともシャックバーガーのシングル。
シェイクシャックのポテトってなんであんなにおいしいのか。ギザギザボディにも美味しさのヒントがある気がする。サクッとしていて、ホクっとしていて、良いバランス。
ハンバーガーはもうブラボーすぎて言う事ない。バンズもパティも大好き。
近所にあったら確実に通って体重が大変なことになるので、近所にできて欲しくないお店の一つ。
思いの外、シェイクシャックへの愛を語ってしまい、ちょっと恥ずかしい。
でも、おいしいよね!!レモネードとアイスティ半分ずつの飲み物も好きよ。

豊嶋康子作品を堪能した後。頭の中が踊ってた。

お気に入りのお店、二階のサンドイッチ - 東京都現代美術館で休憩。豊嶋さん作品を堪能して、どっと疲れた後のアイスアメリカーノ。夫が食べていたブラウニーが刺さったアイスは、一口もらい疲れた体に沁みた。おいしい。
夕方に行ったらいつものサンドイッチたちがほとんど売れていて、びっくり。
この時、展示を見て大興奮して楽しくて面白くて、疲れてるけど気持ちはとても潤っていたのを覚えている。

帰宅して、プシュッとしました。ごくごく。

充実した一日の締めくくりに、himitsu_beer - ひみつビール。夫がハマっていて私はちょっともらう。いろんな種類をよく見かけるけれど、どれもデザインが可愛らしくて目立つ。そしておいしい。でも高い。

今日は一月最後の日。先月って去年だったのよね?って、今朝改めて思い返し驚いた。時間の流れは早いな、と思うけれど、振り返るとそれなりに出かけてたくさん本は読んでるしそれなりに濃密に過ごしている。

いいぞいいぞ。
私はもう少し自分の「好き」に向き合って過ごす。
というのも、今日カウンセリングの日で、臨床心理士さんから「自分の好きなことをして自分の時間を過ごすこと」を勧められたのです。
これまでも、そのように過ごしてきているのだけれど、
私は考えの癖が抜けなくて、何かの拍子に自分を責め落ち込み、人と自分との境目が曖昧になってしまう。
今、自分の世界を構築(柔軟かつ強固に)している最中、らしい。

なんだか今更(40過ぎてるのに)厨二病のようなことを毎度毎度言ってぐるぐるしている気がして、臨床心理士さんに言ったら、力強くエンパワーメントされた。
ありがたいです。

落ち込むこともあるけれど、私は元気です。


今日の夕飯はトマトベースのドライカレー!あとサラダと卵わかめスープ。
食べるのが楽しみ!
運動してカロリー消費してからドライカレーに臨みたい。
自分で作ったごはんが楽しみだなんて、私はしあわせ。


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