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デザインは吸って吐いてのくりかえし

はじめまして! 生まれも育ちも鳥取県大山町、日本海より大山派、あゆなです。

そんな私は春から念願の鳥取大学生デビューを果たしました。所属は地域学部で、地域づくりや国際について学んでいます。

以前からデザインなどのクリエイティブに興味があり、7月から広告×教育の領域で動く「TENG(テン)」という会社でアシスタントを始めました。

クリエイターとしてはまだまだな私ですが、クリエイティブ入門者としての私の学びが誰かの学びに繋がるといいなと思いこのブログを書いてみます。


なめたらあかんぞ、メディアリサーチ

研修では、毎回いくつかの課題を与えられます。一番最初の課題は、webメディアの「リサーチ」でした。

「ローカルメディア」と「学びのメディア」のテーマに合わせて、それぞれ既存メディアを調べてまとめていきます。一見、ただ調べるだけに思えるこの課題。しかし、私はここで最初の壁に直面します。

そもそもローカルメディアとは何なのか、学びとはどんな学びなのか、その定義に戸惑います。

何も考えず闇雲にリサーチをした結果、見つけたいサイトが一向に見つかりませんでした。なんとかサイトが見つかってもそれが何のメディアに分類されるのかもよく分かりません。そんな時、ある助言をもらいました。

「地域と人をつなげるものがローカルメディアと捉え直してみたらどう?」
「もっと広義的な意味で学びを捉えるといいかもね」

このアドバイスを受けて、自分の中で“学び”とは何なのかを再定義してみることに。今までの私にとっての「学び=学問」でしかありませんでした。例えば国語や数学など学校の授業で教わるようなことです。しかしもっと広い視点で学びを捉え直してみると、学問以外の、日常の身近な「料理」や「本」、「アート」など幅広いジャンルも学びであることに気づきます。

私の中で、狭義の“学び”から広義の“まなび”へと定義が変わりました。

すると、自分にとってのまなびの入口が広くなり、調べるときの選択肢も増え、求めてた情報ががどんどん見つかるようになりました。

リサーチはただ調べるだけの簡単なものではありません。

リサーチをするときのコツは、関連するキーワードをできるだけ挙げてそれを絞っていくこと。キーワードを出せたら後はもうこっちのもんです。どのキーワードを組み合わせれば調べたいものが見つかるのかを考え、組み合わせを変えながらリサーチしていけばいいのです。

リサーチには今挙げたこと以外にもたくさんのコツがあります。日常生活のリサーチ(ex.近くに美味しいお店はあるかな?)でも複数のキーワードを意識してみることで、新たなコツが見つかるかもしれません。

継続は力なり。私がメディアキュレーターになれる日も遠くない、はず!(ちなみにここでいうキュレーターとは専門的な情報を収集、整理する専門家のこと)

大後悔の「私の広告」デザイン

四苦八苦していたメディアリサーチと並行して、次の課題として「自己紹介をデザインする」が与えられました。

ずっとデザインの仕事がしてみたかった私は、そりゃもうウキウキでデザイン案をいくつも考えてみたわけです。「自分ってどんな人間なんだろう」「どうやったら「私」という人間が伝わるだろう」と。そして、〆切ギリギリまで悩んでようやく決まったデザイン案ですが、いざ形にしようとすると壁にぶつかります。

「どうやったらこのデザイン案通りの広告が作れるんだ?」

クリエイティブ入門者の私には当然ながら、デザインの考え方や技術がほとんど備わっていません。どうやってコンセプトを絞るか、どんなデザインツールを使えばいいのか、綺麗にトリミングをするためにはどうすればいいのか、悩んでいる間に制限時間が来てしまったのです。

その結果、100点満点中20点クオリティ(自己採点)の広告ができあがりました。

実際に作成した「私の広告」デザイン

正直めっちゃ悔しかったです!!!!!!!

最初にイメージしたデザイン案は申し分ないくらい納得できるものだったのに、今の自分にはそれを100%形にできる力がないことを思い知りました。そんな私にまたまた助言をもらえました。

「まずはリサーチして、自分のイメージに近しいデザイン(パターン)を見つけることが大切だよ」

私は、「デザインは創造するもので自分が思いついたものならば他の人が思いつくはずがない」という謎の自信を持っていました(今考えるとどんな自信だよとツッコミたくなりますが)。

だからこそ、デザインをリサーチするという概念が自分の中にまったくありませんでした。しかしこの課題を通して、自分のデザインを差別化するためには、リサーチは欠かせないプロセスだと学びました。

もし私からみなさんに共有できる教訓があるとすれば、「デザイン案を考えるときは、まずリサーチから始める癖をつけましょう」です。

デザインについてもう一つ、気づきがありました。

「トンマナを考えてみよう」

そもそも「トンマナってなんだ? 初耳!」と思う人もいるのではないでしょうか(ちなみに私は最初、豚に関する何かかと思ってました笑)。

トンマナとは「トーン&マナー」の省略で、「デザインにおけるコンセプトや雰囲気に一貫性をもたせること」を指すそうです。その商品らしさ、ブランドらしさを保つ重要な役割を果たしています。

これはデザイン相談をしてくれているクライアントからのヒアリングによって調整や提案するもので、デザインの目的やターゲットを考えながら設定していきます。

今回の「私の広告」デザインは、振り返ると、トンマナに配慮していないデザインとなり、伝えたいことが何なのか分かりにくくなってしまいました。次回からはそこも意識しながらデザインしていきたいです。

「読むだけプレゼン」を卒業したい

リサーチ、デザインときて3つ目の課題として与えられたのは、「自分の興味をもとに企画をつくろう」でした。

「自分の興味ってなんだっけ?」と自分の根っこから考えるため、一番頭を悩ませた課題となりました。

今回は、課題をはじめる前に助言をもらえました。

「企画書は設計図(構成)があるとつくりやすいよ。5W1Hを意識してまずは一枚に言いたいことをまとめてみるといいかも」

この言葉がなければ、私はまた闇雲にスライドを作って苦労していたに違いないです...…。

5W1Hは企画の具体性を考えるとき重要になってきます。また、その整理方法の一つとしてある「ゴールデンサークル」を今回は意識してみることにしました。

ゴールデンサークル:相手から共感を得られる物事の順番

今回は、「自分の興味から始める企画」ということで、だれ→なぜ→どうやって→何を→いつ→どこでという順番で考える流れに。

大学生になってからの新生活に目を向けながら、自分の興味関心をジャムボードにまとめながら、何が企画の軸になりそうかを整理していきます。最初はぐちゃぐちゃだった付箋も関連づけながら整理していくと、それぞれのつながりが見えてきました。

実際に企画を考えた際に作成した図

一人暮らしが始まり、自炊が増えたなかでさらに芽生えた「料理」を軸に、「自分が学びたい」と地域資源をどう組み合わせていけるかを自分なりに練ってみることに。

「信州のおばあちゃんたちに聞いた100年後も残したいふるさとレシピ100」や「おばあちゃんの幸せレシピ」」など調べたことをもとに、「おばあちゃんレシピのおすそ分け」という企画にまとめました。

企画案は指定のあった「スライド10枚以内」で資料作成し、10分プレゼンを行うことに。

結果、あまり納得のいくプレゼンにできませんでしたが、ありがたくも叱咤激励をもらえました。

「自分の体験や経験をプレゼンに織り交ぜられると、『なぜ』やるのかに深みが出るし、もっと具体的になっていいかもね。あと少しだけキャッチーになるよう、プロジェクト名を捻ってみるとか」

本当にその通りです。プレゼン後の質疑応答タイムで伝えることのできた自分のエピソードをプレゼンに入れていたらもっと具体性が出ていたはず......。スライドに書かれたことを読むだけでなく、もっとオリジナルなエピソードを即席でも言えるようになることが今の私の目標です。

つながるインプットとアウトプット

ここまでリサーチ(インプット)とデザイン&企画(アウトプット)の3つの課題をやってきましたが、その過程で掴んだインプットとアウトプットの具体的なイメージを共有できたらと思います。

ずばり私のイメージは、“掃除機”です。

まず、みなさんの頭の中に一台の掃除機を思い描いてみてください。その掃除機は、あなたで吸い込んでいくのはゴミでなく、情報です。日々私たちの周りにはたくさんの情報が散らばっていますよね。その散らばっている情報を吸い込んで自分の中に取り込んでいくことが「インプット」です。

ここで気を付けることは掃除機の“フィルター”を活用することです。落ちている情報を手当たり次第に吸い込むのではなく、フィルターを使って自分が今必要としている情報を精査して吸い込むこと

しかし、吸い込んでばかりいると中がパンパンになってしまってそれ以上吸い込めなくなるときがきますよね。そうならないために「アウトプット」するのですこれまで吸った情報を外に吐いてみます

吐き方は2パターンあります。

1つは「形にすること」。企画、デザイン、記事、どんな手段でもいいので取り出して見える化します。そして、もう1つは「整理すること」。調べたけど形にするのに使わなかった情報もあるはずです。それらを放置せず、今後のアウトプットに備えて分類しておきます(パソコンのフォルダ整理に似ているかもしれません)。

そうすることで、散らかっていた情報もスッキリし、また新たな情報をごちゃごちゃすることなく取り込むことができます。

情報を吸い込む(インプット)→①形にする ②整理する(アウトプット)

このようなインプットとアウトプットを繰り返してきて私が気づいたことは、「デザイン(&企画)することはリサーチすること」ということです。

私が研修を始めるまで、「デザイン&企画は一からつくること。リサーチは学びの中で調べること」と全くの別のことであり、つながりが分かっていませんでした。だけど課題を通じて、やっとつながった感覚があります。

例えば企画を考えるとき、

研修前の私:「う〜ん、こんな企画がしたいな。とりあえず、同じような企画がないかリサーチしてみるか!」→「同じようなことしてる人見つかんないし、自分で一から考えればいいや」

今の私:「こんな企画やってみたいな。よし、まずは同じような企画の事例をリサーチしてみよっと!」 →「お!見つけた。何個かあるから...この企画を参考にして企画書作ろうかな!」

例えばデザインを考えるとき、

研修前の私:「デザイン案完成した。このままデザイン作成に入っちゃおう」→「既に同じようなデザインがあって没になってしまった」

今の私:「今考えてるデザインと同じようなものがないかリサーチしてから デザイン案作ろう」→「同じようなデザインあったけど、リサーチしたおかげでちゃんと差別化できたデザインになったな」

二つの例を挙げましたが、過去と今の私どちらの例でも違いは一目瞭然ですよね。

企画を考える際に、リサーチとその情報整理がしっかりしていればアウトプットに生かすことができます。逆にリサーチがきちんとできなければ、アウトプットにつながらないためリサーチをした意味がなくなってしまいます。

企画でもデザインでも、調べることで、自分がやろうとすることと比較ができる。比較ができると、差別化する方法を考えやすく、それが独創性につながっていく。

リサーチをせずにいきなりデザインや企画を考えることは難しいです(←本当に)。まずは求める情報を見つけ出すことができるリサーチ力と、それらの情報を整理する力を磨く。そこを経てようやくアウトプット、つまりはデザイン&企画は始まるのです。

「デザイン(&企画)はリサーチから」

以上、私から共有できる一か月の学びでした。

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