データドリブン・コンサルティング

楽天、国内大手ゲーム会社、トライトと3社で20年以上CMO/マーケティング責任者を歴任…

データドリブン・コンサルティング

楽天、国内大手ゲーム会社、トライトと3社で20年以上CMO/マーケティング責任者を歴任してきた堀内公博が立ち上げたコンサルティングファームです。 マーケティング、特に、デジタルマーケティングに関する情報を発信します。本物のマーケティングを知りたい方にはきっと役立つと思います。

マガジン

  • データドリブンマーケティング成功のために疑うべき常識

    データドリブンマーケティングを成功させるためには、一見正しそうに思えるいくつかの常識を疑ってみる必要があります。 その5つの常識の打破により、PDCAの高速回転を実現し、競合を上回る洗練されたマーケティングを実現します。

最近の記事

中長期視点でのオペレーションとリスクコントロール

市場と自社の成長スピードのバランスを確認する今回は、デジタルマーケティングにおける中長期的なオペレーションとリスクコントロールについて詳しく説明したいと思います。 まず、デジタルマーケティングの成功には、小さな失敗を素早く行うことが重要ですが、中長期視点で現状のPDCAが適切なスピードで回転し、そのために適切な失敗が行えているのかをマーケティング責任者は正しく見極めなけなければいけません。また、マーケティングの効率は需要と供給によって決まるため、事業計画の実現性を高めるため

    • 中長期のマーケティング戦略を考えるうえでの現状分析

      オークション型広告の基本構造を理解するデジタルマーケティングの中長期戦略を考える際に重要な視点は、マーケティング環境の現状分析です。まず、デジタルマーケティングの基本的な仕組みを理解しましょう。マーケティングは、いつ、誰に、何を伝えるかをコントロールすることで成り立ちます。この効率を決定する要素は、これらの要素に加えて、どれだけコストをかけるかも重要です。たとえば、ターゲットユーザーが少ない状況で大量の広告費を投下すると、顧客獲得効率が低下します。具体的な例を見てみましょう。

      • ROASは最強の運用KPIか?

        ROASという運用KPIが登場した背景デジタルマーケティング領域において、最も頻繁に利用されるKPI(Key Performance Indicator)の一つとしてROAS(Return on Ad Spend)が挙げられます。ROASは広告費に対する収益の割合を示し、具体的には広告投資に対してどれだけのリターンが得られたかを示す指標です。ROASが100%を超える場合、広告投資が利益をもたらしていると判断されます。 同様に、マーケティングにおいては、LTV(Life T

        • KPI設定を誤るとPDCAが台無しに!

          KPIを設定するマーケティング部門が広義のゴール設定・KGIの設定を行ったら、当然次はKPIの設定である。話の流れに一貫性を持たせるために、ここでも引き続き、人材紹介ビジネスを事例に話を進めることにする。 まず考えるべきことは、マーケティング活動と売上・利益を連動させるということだ。この事例では、前回同様、そのポイントを「求人提案数の最大化」ということで考えることにしよう。そして、この項では、どのようなロジックで、求人提案数を選ぶのかという点について説明したいと思う。ポイン

        中長期視点でのオペレーションとリスクコントロール

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        • データドリブンマーケティング成功のために疑うべき常識
          7本

        記事

          マーケティングのゴールを設定する

          マーケティングとは?狭義と広義のマーケティングマーケティングという言葉は多義的で、その定義は人によって異なることがあります。コトラーの定義に従った広義のマーケティングと、宣伝部的な狭義のマーケティングの区別は重要です。広義のマーケティングは、顧客価値の創造から顧客獲得、維持、育成までを包括するビジネス機能として捉えられます。一方で、狭義のマーケティングは、主に広告や宣伝活動に焦点を当て、顧客の獲得と維持に限定されます。 両者の違いを理解することで、マーケティング部門が取るべ

          マーケティングのゴールを設定する

          マーケティングの2大潮流

          【この文章は以下の文章のライトバージョンです。より詳細な議論はこちらでご確認ください】 フィリップ コトラー大先生 フィリップ・コトラーの「マーケティング・マネジメント」は多くの学生にとって馴染み深い教科書で、伝統的マーケティング手法を紹介しています。一方、デジタルマーケティングはインターネットやモバイルデバイスを活用し、オンライン広告やソーシャルメディアマーケティングなどのデジタルチャネルを通じて顧客との関係を構築します。 外資系消費財メーカー=伝統的マーケティングの洗

          売上最大化が唯一のゴールではない

          【この文章は以下の文章のライトバージョンです。より詳細な議論はこちらでご確認ください】 網羅的で正確なデータがあることは当然ではない 今回はは、ビジネスにおける売上最大化のみが重要ではなく、データ収集とその活用がビジネスの成長と競争力の鍵となることを議論したいと思います。そもそも、データドリブンな経営、マーケティングを行うにあたり、正確で活用可能なデータが存在することが大前提になりますが、事業環境や組織文化次第で、それは当然のこととは言えない場合があるからです。 売上>デ

          売上最大化が唯一のゴールではない

          User Insightの調査って本当に重要?

          【この文章は以下の文章のライトバージョンです。より詳細な議論はこちらでご確認ください】 ユーザーインサイトの重要性の変化 今回は、伝統的なマーケティング手法とデジタルマーケティングにおけるUser Insightの重要性について、詳細に議論したいと思います。伝統的なマーケティング手法においては、User Insightは顧客の行動やニーズを理解し、それに基づいて効果的な広告戦略を展開するための重要な要素として位置づけられてきました。顧客リサーチや分析を通じて顧客の心理やニー

          User Insightの調査って本当に重要?

          綿密な計画が必ずしも良いとは限らない!

          【この文章は以下の文章のライトバージョンです。より詳細な議論はこちらでご確認ください】 伝統的なマーケティングは計画(P)を重視する手法 今回は、伝統的なマーケティングとデジタルマーケティングにおけるPDCAサイクルの要素の重要性について、詳細かつ包括的に議論したい。伝統的なマーケティングでは、計画(Plan)段階において、市場や競合状況の徹底的な分析、顧客のニーズや行動の深い理解、戦略の緻密な立案が重視されてきました。これは、成功の鍵を握る重要なステップであり、事前にリサ

          綿密な計画が必ずしも良いとは限らない!

          結果責任重視はコンサバティブな部署を生む?

          結果重視 VS 失敗の奨励 ビジネスの人材の評価における結果重視は客観的で正しい考え方であるように思える。しかし、そこには弊害もある。今回は、「結果責任重視」と「失敗の奨励」の二項対立を、議論の焦点としたい。結果責任は目標達成を重視し、評価が容易ですが、失敗の奨励は新たなアイデアや改善を促進する一方で、リスクも伴います。デジタルマーケティングの世界では、失敗から学び、素早く改善することが重要です。しかし、近年は結果責任や数値目標の重要性が高まっており、多くの企業がこれを優先し

          結果責任重視はコンサバティブな部署を生む?

          責任領域の明確化の弊害とは?

          データドリブンなマーケティングを実践する上で、従来の経験やマネジメントのアプローチとの違い、そして生じうる問題点について、より詳細に探ってみましょう。 まず、責任領域や責任分担の明確化に関する考え方が挙げられます。多くの企業では、個人や部門間の責任分担を明確にし、業務の効率化や問題の切り分けを図ることが重視されます。しかしながら、マーケティングのデジタル化において、過度な線引きが実際の業務や意思決定に支障をきたすことがあります。例えば、マーケティング部門と営業部門の間でのブ

          責任領域の明確化の弊害とは?

          データドリブンマーケティングとは?

          20年前はマーケティングはデータドリブンではできなかった データドリブンマーケティングは、データを活用してマーケティング戦略を構築し、PDCAサイクルを通じて戦略の改善を行うアプローチです。以前のマーケティングは、主にテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などの4マス媒体を中心に展開され、デジタル広告は新しい試みとして扱われていました。しかし、デジタル技術の進化により、ウェブサイトやソーシャルメディアなどのデジタルチャネルを活用したマーケティングが一般的になり、データの重要性が増してきま

          データドリブンマーケティングとは?

          データドリブン経営とは?

          データドリブン経営の阻害要因 データドリブン経営の重要性は、現代のビジネスにおいてますます明確になっています。デジタル技術の進化やインターネットの普及により、我々の周りには膨大な量のデータが生み出され、蓄積されています。このデータは、顧客の行動パターンや嗜好、市場トレンド、競合他社の動向など、貴重な情報源となっています。データドリブンなアプローチは、これらのデータを活用し、より洞察深い意思決定を行うための手段として重要視されています。 しかし、データドリブンな経営を実現す

          データドリブン・コンサルティングについて

          データドリブン・コンサルティングは23年12月に立ち上がったばかりの新しい会社です。今日は代表の堀内公博のご紹介です。 堀内は、20人の楽天に学生バイトとして入社し、11年間で1万人を超える会社に成長する様をその中心で見てきました。 最初の3年は、スタートアップ企業にありがちな、困ったときに声がかかる何でも屋で、やっていないことを言った方が早くて、営業とプログラマーと管理部門以外の仕事はほぼ全部やりました。そんななんでも屋さんが三木谷さんに呼ばれで自分の意志と関係なく始め

          データドリブン・コンサルティングについて

          Strategy, Execution, Operation

          多くのベテランビジネスパーソンが同意してくれると思うが、新卒で始めて働いた会社がその人の仕事に対する姿勢や考え方に絶大な影響を与えることは相当に確かなことであると思う。個人的には、家庭環境や学校教育などよりも強烈なInputになっている感じがする。なぜ、この話をするのかというと、このコラムでは、マーケティングというよりも、もう少しGeneralなビジネスの話題についていろいろ書きたいと思っているが、はっきりいって、その多くが楽天時代の経験、特に、三木谷浩史という強烈な起業家、