【連載小説】アナザー・ガール アナザー・プラネット #53.0
「さすがです、食井さん。私が見込んだだけあります。ありがとうございます」
気がつくと「Moonage Daydream」は終わっていて、次の曲に変わっていた。食井さんは針を上げ、盤をプレーヤーから取り上げ、皿を回すように盤の具合を目で確かめてからスリーヴに戻した。そしてジャケットに綺麗に収めてから僕たちに言った。
「とりあえず1曲だけでもわかってよかったよ。まぁ、いま店にあるボウイのレコードを一枚一枚聴くのもなんだし、家でゆっくり調べてみたらいいんじゃないかな。高校生に全