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青年悟飯やベジットは超サイヤ人2?~超サイヤ人の形態定義~ 【ドラゴンボール考察】

ドラゴンボール劇中では超サイヤ人の形態について、3形態の存在が説明されている。

出典:ドラゴンボール完全版32巻
出典:ドラゴンボール完全版32巻

■超サイヤ人
髪や眉毛が金色になり、目の輪郭の内側の線が繋がる。髪が逆立ち、金色のオーラを纏う

■超サイヤ人2
さらに激しく髪が逆立ち、毛束が細かくなる。オーラにスパークが混じる

■超サイヤ人3
髪が腰のあたりまで伸び、眉毛が消失し、スパークがさらに激しくなる

それぞれの見た目の定義としては上記になるだろう。
しかし、この中で超サイヤ人2はやや描写があやふやだ。

具体的には、超サイヤ人2になれるであろう状況なのに、普通の超サイヤ人で戦っている場面が複数存在するのである。

例えば原作漫画内の最強の戦士、ベジットのシーン。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

登場時はスパークが発生しており、超サイヤ人2の形態に見える。しかしその直後、ブウのエネルギー弾を弾き返した後のシーンではスパークが消えている。以降も復活することは無い。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

書籍やゲームの設定では、ベジットは超サイヤ人2ではなく、ただの「超サイヤ人」と表記されていることが多いが、実際のところどうなのだろうか?

本記事では原作の状況を確認しながら、超サイヤ人の形態について掘り下げて考えていきたい。


青年悟飯は超サイヤ人2になっている?なってない?

超サイヤ人2が初めて登場するのはセル編。少年悟飯が覚醒する。

出典:ドラゴンボール完全版28巻

特徴として激しい髪の逆立ちと細かい毛束、スパークが確認できる。省略されているコマもあるが、格闘時もほぼ全編に渡ってスパークが確認できる。

出典:ドラゴンボール完全版28巻

しかし、ベジータを庇って被弾した際、髪の逆立ちはそのままだがオーラとスパークは消失した

出典:ドラゴンボール完全版28巻

そして、かめはめ波を放つために気合を入れた際、オーラとスパークも復活する。

出典:ドラゴンボール完全版28巻

これらの状況から、オーラとスパークは常時発生しているが、ダメージ等の要因で気が下がった際は消失すると考えて良いだろう。

次に登場するのは青年悟飯、天下一武道会のシーンだ。

出典:ドラゴンボール完全版30巻

悟飯は変身前に以下のように発言しており、

・・・超サイヤ人・・・、おまけにさらにその壁を超えた超サイヤ人にまでなってあげましょうか?

出典:ドラゴンボール完全版30巻

青年悟飯は自分の意志で超サイヤ人2になれると言い切って良いだろう。しかしその後の悟飯の戦闘シーン、対ダーブラ戦ではスパークは出ていない

出典:ドラゴンボール完全版31巻

悟空はダーブラについて以下のように発言している。

7年前にセルってやつがいたんだけど・・・あいつぐらいの強さかなたぶん

出典:ドラゴンボール完全版30巻

あいつおもったよりずっとつえぇじゃねえか

出典:ドラゴンボール完全版31巻

セルと同等以上の強さということは、超サイヤ人2にならずに勝てる相手ではない。戦闘中の悟飯の表情に余裕はなく、力を温存しているとも考えにくい。

そしてその後の魔人ブウ戦でもスパークは確認できない。

出典:ドラゴンボール完全版31巻
出典:ドラゴンボール完全版31巻

ただ微々たる差ではあるが、髪の逆立ちは超サイヤ人より激しくなっているように見える。
以下は超サイヤ人で修行中のシーンだ。

出典:ドラゴンボール完全版29巻


この時は前髪が2束であるが、ダーブラ戦、ブウ戦の悟飯の前髪は1束であり、より逆立ちが激しくなっていると言える。

これらの状況から判断すると、ダーブラ戦、ブウ戦の悟飯は超サイヤ人ではなく、超サイヤ人2の状態で戦っているが、十分に気を高められないためスパークが出ていないと考えられるだろう。ベジータは悟飯について「修行をサボっていた」と言及していたが、修行が不十分だった結果、スパークが出るほど気を高められなくなったのだ。

超サイヤ人2の「体作り」

少年悟飯が超サイヤ人2に覚醒する前、精神と時の部屋での修行の際、悟空は以下の提案を行っている。

これからは寝るときいがいはなるべくいつも超サイヤ人でいてそれがあたりまえの状態にもっていくんだ

出典:ドラゴンボール完全版26巻

以降、悟空と悟飯は常に超サイヤ人の状態で過ごし、その結果、怒りをきっかけに超サイヤ人2へ覚醒できた。

続いて青年悟飯が天下一武道会に向けて修業をするシーンだ。

出典:ドラゴンボール完全版29巻

修業は当時と同じように超サイヤ人の状態で行われている
その後もビーデルが来ている時以外は、超サイヤ人状態で修業をするような描写が見て取れる。

出典:ドラゴンボール完全版29巻

つまり、超サイヤ人2になるための前提条件の一つが、常時超サイヤ人状態でいられるような体づくりができていることなのではないだろうか。

そして、青年悟飯は体づくりの期間が足りず、なれることはなれるが不完全な超サイヤ人2にしかなれなかったため、気の高まりが不十分=スパークが出ない状態だったのと考えられるだろう。

しかしそうなると一つ謎が残る。悟飯はキビトと対峙した際だけきちんとスパークが出ていた。これは何故だろうか?

エネルギーを吸い取られた影響が残っていた可能性もあるが、キビトが治療する際にきちんと完全回復するまで治療を続けている描写があるため、それも考えにくい。
その他、ダーブラの魔術で弱体されている可能性もあるが、死後も状況は変わっていないことからその線も薄いだろう。

この描写ついて辻褄が合うように推測すると、キビトとの対峙でスパークが出ていたのは、ビーデルが痛めつけられたことの怒りによるものだったと思われる。

出典:ドラゴンボール完全版30巻

ビーデルを痛めつけたのはキビトではなくスポポビッチだが、この時点でのキビトは、悟飯から見れば彼らと同じ「謎の怪しい人物」だった。そのためキビトの発言を挑発と感じ、怒りがトリガーとなったことで、この時のみ一時的にフルパワー超サイヤ人2に変身できたのではないだろうか。

なお、悟飯の戦闘の前後でフルパワーの超サイヤ人2状態で戦う悟空とベジータの姿が描写されるが、2人はスパークがきちんと出ている

出典:ドラゴンボール完全版31巻

悟飯のスパークは書き忘れではなく、意図的な描写と見て間違いないだろう。

ベジットは超サイヤ人2なのか?

さて、話を戻してベジットである。ベジットは超サイヤ人2なのかどうなのか。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

今回の考察における超サイヤ人2の条件を確認してみる。

●髪が激しく逆立っているか?
⇒【△】ベジータが混じっているため判別しづらいが、超サイヤ人の悟空を基準にすれば激しめに逆立っている

●毛束が細かいか?
⇒【△】かなり微妙だが超サイヤ人の悟空を基準にすればやや細かい

●スパークが発生しているか?
⇒【△】登場時は発生したが一コマで消えた。

●体作りはできているか?
⇒【○】超サイヤ人2に変身できる2人が元になっているため問題ない

条件だけを見れば断定はしづらいが、ここまでの考察を踏まえると、スパークは超サイヤ人2がフルパワー近くまで気を高めた時に発生するものであって常時発生するとは限らないと言えるため、一時的にでもスパークの出ているベジットは超サイヤ人2である、と考えたほうが妥当だろう。

初撃を受けた段階でブウとの実力差がわかり、以降はスパークが出現するほど気を高める必要すら無かったのだ。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

結論としては以下である。

  • 魔人ブウは気を上げるまでの相手ではなかったため途中からスパークが消えているが、ベジットは超サイヤ人2形態で戦っている。

ベジットは超サイヤ人3になれたのか?

ではさらに、ベジットは超サイヤ人3になることができたのかどうかも考えて見たい。

原作の描写からは憶測の域は出ないが、可能性を想像していくと、恐らく変身自体は可能。ただし気の消耗が激しく、一定の時間で合体まで解けて元の2人に戻ってしまうのではないだろうか。

事例としてはゴテンクスになる。
ゴテンクスは超サイヤ人3に変身しているが、元となったトランクスと悟天はいずれも超サイヤ人3に変身できない。(精神と時の部屋の修行でできるようになっていた可能性も否定できないが、普通に考えれば無いはず)

できない2人が合体したゴテンクスがごく短期間の修業でできたのだから、既に片方、悟空が会得しているベジットは、できると考えたほうが納得性はあるだろう。

一方で、ゴテンクスは超サイヤ人3に変身すると合体時間が短くなるデメリットがあった。
同じくベジットもポタラの合体は永続とされていたが、ブウの中の空気によって合体が解かれてしまっている。

出典:ドラゴンボール完全版34巻

この時の「ブウの中の空気」のメカニズムについては推測の余地がないが、何らかの強い干渉があればポタラの合体も解除されうるということは実証されている。

老界王神も超サイヤ人について以下のように言及しており、

出典:ドラゴンボール完全版33巻

「カラダにムリがありすぎる」ということを拡大解釈すれば、超サイヤ人3の気の消費が合体について何らかの悪影響を及ぼし、一定時間で合体が解除されてしまうことも十分考えられるだろう。

※なお、ドラゴンボール超ではエネルギーを消費しすぎたことでベジット状態が解除される場面が存在する。

続き

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