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英語教育の歴史から考えるプログラミング教育の未来

ジョン J レイティ医学博士の著者「脳を鍛えるには運動しかない」の冒頭は

古代ギリシャ哲学者プラトンの一説から始まる。

人生において成功するために、神は人にふたつの手段を与えた。教育と運動である。しかし、前者によって魂を鍛え、後者によって体を鍛えよ、ということではない。その両方で、魂と体の両方を鍛えよ、というのが神の教えだ。このふたつの手段によって、人は完璧な存在となる。

いわゆる文武両道ですね。

プラトンは、教育と運動、片方ではなくどちらも揃うことで初めて、人間は完璧な存在となると考えていた。

教育の立ち位置は、そのくらい大切なものだと捉えていた。

今回は、日本の英語教育の歴史から、

これから始まるプログラミング教育の未来を考えてみる。

英語教育はこうして始まった

軽くググってみた。

日本の英語教育の歴史は、明治維新まで遡るとのこと。

日本史で習った、あの「ペリー来航」。有名ですね。

1853年に黒船がやってきて、翌年1854年に日米和親条約が締結し、

それまで200年以上続いていた鎖国が終わりました。

これを機にドバドバッと西洋から様々な文化が入ってくるようになったんですね。

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その後、1886年の学校令(小学校例)制定で英語教育が推進されたものの、

第二次世界大戦、太平洋戦争に突入する頃には「敵国の言葉を使うことは禁止!」ってな感じで、いったん英語教育はなくなりました。

しかし、第二次世界大戦後に、再び中学校や高校で英語教育が始まり、

英語の学習時間が減ったり、「やっぱり増やそう」なんていいながら学習時間が戻ったりしながら、今に至る。

英語教育の問題

数学や国語に比べて、英語教育はまだ始まって100年〜150年くらいと歴史は浅いです。

浅いといいつつも、日本に英語が入ってきてから100年以上経つわけです。

どうでしょう。日本の英語教育は成功しているのでしょうか。

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日本で英語が話せる人は少ないです。

友達15人いれば、話せるのは1人いるか、いないか、

体感では、そのくらいのレベルです。

かくいう私も話せません。

過去に留学経験やバックパッカー経験があるので、日常会話程度なら問題ありませんが、

「日本の政治について」といった議題や、

「なぜ日本にはお盆という慣習があるのか」みたいなスピーチをしなさいと仮に言われたら、

全然話せないレベルです。

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逆に、英語を話せる人は基本的に、

・幼い頃海外に住んでいた

・長いこと留学していた

・彼氏、彼女が外国人だった

みたいなパターンが多数で、

「日本の英語教育のおかげで話せるようになった」という人は皆無だろう。

なぜなら、日本の英語教育は"読み書き"にのみ特化した教育だったから。

なぜ、日本の英語教育は"読み書き"に特化した教育だったのか。

それは、"話せる人がいなかったから"に他ならないと思う。

自分が話せないのに、英会話を教えることはできない。

だから、「できる範囲で英語教育を始めよう」という形でスタートした英語教育が、読み書きに特化したものだったということなんだと思う。

そのスタイルの英語教育が今も続いてるんでしょう。

多少リスニングやスピーキングに注力が注がれるようになってはきていそうですが、

話せない先生が教えている限り、大きな改善は見込めないと思います。

プログラミング教育はなぜ始まるのか

そもそもなぜプログラミング教育は始まるのでしょうか。

文部科学省が言うには、「思考力を身につけること」が目的とのこと。

文部科学省は、プログラミング教育を通して育成する思考力を"プログラミング的思考"と呼んでいます。

IOTやビッグデータなど、テクノロジーの発展に伴い、

他国に遅れを取らないために、必要な教育だと判断し、導入を決めたのでしょう。

逆を言えば文部科学省としても、現代日本人の多くは「考える力が不足している」と気づいており、その危機感の裏返しとしてのプログラミング教育なんだと、私は考えます。

プログラミング教育は成功するのか

英語教育が成功しているかと言うと、決してそうとは言えません。

英語教育を受けた学生10人のうち、2,3人でも話せるようになったのなら成功と言えるかもしれませんが、

0人に近い数がリアルな数字なんじゃないでしょうか。

英語教育が成功しなかったのは、

・読み書きに特化した教育であったこと

・そもそも先生が話せないこと

が大きな原因だと思います。

これをプログラミング教育に置き換えると、

・IT知識ばかり(暗記)の学習

・先生が「考えられない」人

になると思います。

いくら文部科学省が学生に「思考力を身につけて欲しい」と言っても、

そもそも現場の先生が「思考力」を持っていないと成功は難しいと思います。

また、英語の読み書きのように、非実践的な内容に特化するのと同様に、

「今後はIOTがうんぬんかんぬんで・・」とか、

「ネットワークはこう言う風に成り立っていて・・」みたいな

知識暗記型などの非実践的な内容ではなく、いかに考えさせる教育を提供できるか。

これにかかると思います。

上記を例にすると、

IOTが発達してきましたが、身近にあるIOTってなんだろう?」とか、

「ネットワークには電波局がありますが、電波局では何を受信していると思う?」みたいな、考えさせる授業にしないと、成功は難しい。

プログラミング教育の成功のためには、学生よりもまず先生の意識改革が必須。

先生がまず、「知識を教える人」から「(考えるための)疑問を提供する人」にジョブチェンジする必要があると、私は考えます。

なぜ、IOTが広まったのか。

なぜ、今5Gが広がろうとしているのか。

5Gのメリット、デメリットはなんなのか。

そもそも、なぜ学校では英語、数学、理科、社会、国語がメインで、

経済や健康、政治など、自分の人生に直結する内容の授業をメインに行わないのか。

あらゆることに疑問を持ち、自分で調べ、解決できない場合は周囲と助け合い、解決していく。

本当の意味での"プログラミング教育"が実施されれば、

英語教育とは違った結果になる可能性は大いにあると思う。

プログラミング教育を通じて、日本人全員がもっともっと考える社会になれば、もっともっとより良い日本になると思います。

私も大いに突っつきながら、プログラミング教育に関わっていこうと思う。

おじゅん




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