私が会社で出会った器が小さい人
その人の器はとても小さいものでした。
ある会社で働き始めたころ、一本の電話がかかってきました。
私はもともと人の名前を聞き取るのがとても苦手な人間なので、電話を受ける際は常に全神経を集中して相手の名前を聞き漏らさぬようにしていました。
しかし、私にとってその人は非常に名前が聞き取りにくいタイプの人でした。
全神経を集中しましたが、その人の名前を聞き取れませんでした。
ある程度長く働いている人なら、仮に名前が聞き取れなくても声で誰かを判別できると思うのですが、まだ会ったことも、声を聞いたこともない人だったため、声の情報から名前を認識することもできませんでした。
そして、不幸にも、その人が取り次いでほしいといった相手は不在でした。
こうなってくると、当然、その電話の主の名前を把握する必要があります。
「電話はかかってきたけど、誰だかわかりませんでした」
というのは最悪です。
なんとなく悪い予感はしましたが、
「大変申し訳ありません、お名前を聞き取れなかったので、もう一度お願いできますか」
といいました。
すると、その人は突如として激怒し、
「ご存じないですよねっ!!」
と言って電話を切りました。
「あ~やってしまった。申し訳ないことをしたな。。社会人の基本みたいなことで失敗をしてしまった。はずかしいな」と、ちょっと自己嫌悪になりました。
しかし、一方で、ちょっと器が小さすぎるのではないかとも思いました。時期的にも4月ですし、新しく入った人間であることは容易に想像ができたはずだからです。
この人が激怒した理由は簡単に理解できました。
「新しく入ってきた人間だろうと誰だろうと俺のことは知っていて当然」という価値観を持っている人だったということです。
言い換えれば、「誰もが知っているはずの偉い自分のことを私ごときが知らなかったことが気に食わない」ということです。
私が名前を聞き取れなかったことが悪いのですが、一方で、このような人間には絶対にならないでおこう、そう強く決意した瞬間でした。
新社会人のみなさん、会社ではこうしたこともあるかと思いますが、気にする必要はありません。
みなさんの日々がよいものでありますように。
もし、私が会社で出会った他の癖の強い人についても知りたいという方がいらっしゃいましたら、以下の記事も読んでいただけると嬉しいです。
読んでくださいましてありがとうございました!