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子育て内省日記17 〜見て学ぶ〜

秋の休日。サッカーコートの芝には小学生の足で踏まれた跡が残っている。所々いたんでおり、先程までの死闘の激しさを感じる。グラウンドの中央に置かれた運営事務局の前に試合を終えた選手たちがチームごとに整列し、その周りを輪の形にチームのコーチや保護者が並び見守っている。

表彰式。下位から上位の順番にチームが呼ばれる。チーム名が呼ばれる度に、その場にいる全員が拍手で健闘を讃える。息子は同じチームのメンバーと笑顔で話をしている。たくさん走って暑いのか、頬が赤い。

「優勝は〇〇チーム!代表者は前へ!」一番大きな歓声と拍手でその場が包まれる。息子が所属するチームのキャプテン、副キャプテンがトロフィーと表彰状、記念品を受けとる。息子も達成感に満ちた表情をしている。

チームメンバーでの話合いの結果、センターバックのポジションを任された。体格も技術も優れているわけではなかった。しかしながら、持ち前の観察眼で相手を確認し、相手にボールが入ればすぐに寄せられるよう、距離を保っていた。

相手の左サイドにパスが通る。息子が寄せにくる。相手はゴールの方向にスピードを上げ、ドリブルで突破を試みる。しかし、息子はくらいつきスライディングでボールを外に出す。「ナイス!」もう一人のセンターバックが息子に声をかける。

片方のセンターバックが攻撃に入れば後ろに残り、守備のラインをあげ中盤で相手のボールが奪えるようポジショニング、最終ラインから攻撃へ転じるパス、どれも周囲の動きを確認しながら、全ての試合でプレーしていた。

練習試合や大会は必ず同行し、全ての試合を動画におさめた。息子はそれをタブレットで何度も確認し、見ることで振り返っていた。時には一緒に紙に書き出し、ケーススタディも行った。子供と一緒に考え、学ぶ、理解する姿勢を大事にした。それが今日の大会に活きた。

表彰式後、チームメンバーとコーチで、さらに個人でトロフィーと賞状を持って写真をとった。少し男らしく自信に満ちた表情をしていたが、携帯のカメラを向けると満面の笑みをうかべた。

その日の夕方、息子はいつものように試合の動画を振り返っている。なぜか大会のパンフレットも何度も見返していた。パンフレットで何を振り返っているんだろう。今日も息子の成長を垣間見て、幸せだった。

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