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【神ゲー紹介】自我を分裂させるゲームで更に発展させている作品2つ「ICO」「Oddworld:Munch's Oddysee」の凄さを語る

こんにちは何するためすらぷるためじゃい。

今回は以前動画でも話した「ゲームの中のキャラクターとカメラ(カメラはプレイヤーである自分)の関係」という話の延長戦として、「ICO」と「Oddworld:Munch’s Oddysee」この2本のゲーム作品の凄さを「プレイヤーの自我を分裂させるしくみ」という点で語りたいと思う。

ゲームの視点には一人称の「FPS」三人称の「TPS」更に世界を上から俯瞰した「トップビュー」がある、そしてこのTPSとトップビューの間をとっているゲーム(第四の視点)が個人的に好きでハマっているのだが、自分はこの特殊な視点のゲームを「自我分裂系ゲーム」と勝手に呼んでいる。

今回はこの自我分裂系ゲームを更に発展させたと思うゲームを2つ語りたいと思う

「カメラのズーム機能」が半端なかった「ICO」

まず最初に紹介したいのは2001年に発売された知る人ぞ知る名作アクションアドベンチャー「ICO」である。同ゲームのディレクター上田文人氏の後2作「ワンダと巨像」と「人喰いの大鷲トリコ」と比較するとこのゲームの圧倒的なところはカメラ視点が固定でないことに加えて視点をズームインできる機能だ。

カメラがズームインすることで被写体がカメラを意識しない、隠し撮りをしているような演出がなされており(ジョナスメカスっぽい)プレイヤーがICOを操作しているというよりも「ICOとヨルダ(動画の白い女の子の方)が二人で城から脱出する様子をプレイヤーが覗いている」という感覚にさせてくれる。この演出のおかげで大袈裟ではなく本当にゲームの中の全ての存在が生きているような、霧の城が本当にあるかのように感じられるのだと思った。こういった「覗く」感覚というのは、例えると家の2階の窓から公園で子供達が遊んでいる様子を見たり、水槽の中の魚を観察するような感じだ。

ダッシュしたいのに「ゲップ」してしまうゲームOddworld:Munch's Oddysee

もう一つ自我分裂系ゲームで画期的だった作品に、Oddworldシリーズの「Oddworld:Munch's Oddysee」がある。日本でお馴染み「エイブアゴーゴー」シリーズの3作目だ。(日本未発売)


このゲームの内容は二人の主人公「エイブ」と「マンチ」を交互に操作してエリアを攻略していくパズルアクションというもの。このゲームの凄さは、キャラのアクションに「ゲップをする」「オナラをする」という、ゲームシステムには一切関係ない動きが導入されているということだ。一見無駄な動きのように見えるが、実はこのアクションが、キャラクターをプレイヤーの自我から離れさせて一人歩きさせるための絶妙な効果を生み出していると思う。

特筆すべきはゲップ(オナラ)をするボタンと、ゲームクリアに超重要な「走る」アクションのボタンが同じことである。

走るボタンのみ押すとキャラがゲップをし、左スティック+走るボタンの組み合わせで初めてキャラが走ってくれる仕組みになっているのだが、この仕様のおかげで「敵に追われている時やピンチの時に逃げようとするが焦ってゲップをしてしまう」ということが多々起きるのだ。

このようにプレイヤーの「走りたい」という意思に反した「ゲップする」という誤動作をキャラクターに起こさせることによりキャラが一人歩きして自我を持っているような感覚を起こし、そしてそれを観察しているプレイヤーという状況になることをうまく作り出しているのだと思う。

こんな感じでプレイヤーの自我が分裂し、一人歩きしているキャラクターをプレイヤーが刹那的に「鑑賞」する状態、この、映画を観ているような状態と自分の意思でゲームをしている状態がうまく同時進行しているゲームというのがたまらなく好きである。

というわけで他にも自我分裂を上手く起こしていて、そのアイディアが優れているゲームが自分は名作の一つだと思うので、他にも自我分裂をうまく起こしているゲームがありましたらコメントなどでぜひ教えてください。


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