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なんでイライラしちゃうんだろうな(3月エッセイ①)

出社してデスクに着くなり、先輩社員から「資格取った?」と聞かれた。
その人は顔を合わせる度に資格を取ったか確認してくる。僕がまだ取れてないですと言うと、「ヤバいんじゃないの?」、「え、遅くない?」、「自分はこの時期にはもう取ってたけどな」と煽り散らしてくる。
取得する期限自体はかなり先だが、必要な資格は1年目以内に取るのが当たり前という社内の風潮があるので、僕も負い目があり、何度いじられても強く言い返すことはできない。そのためなるべく早く終わるようにいつも適当にあしらっている。

先日、社内で顔を合わせた際にまた「資格取った?」のいじりが始まった。その日は出社直後からバタバタとしていて、適当にあしらう余裕すら無かった。すると、「無視すんのはやめてくんない?」と言われた。
やってしまったと内心思いつつ、ここで普通に返していたらまだまだ続くと思い。「いや、長いなと思って。」と返した。もちろんその場の空気は重く、その次の言葉が出るまで長い一瞬が流れた。
無言の時間の中で、なんでいつもいじられてる側が空気を乱しているような雰囲気になるのだろうと思った。空気が悪くなった時に、いじった側の人間は特に自分で何とかしないし、なぜか偉そうだ。

資格勉強をしていない自分が悪いというのは前提として、煽られて、焦らされて頑張るというよりも自分のペースでしか頑張ることのできない自分は、圧力をかければかけられるほど頭の中が重たくなるだけで、勉強から手がどんどん離れていく。
むしろ仕事に集中している僕に横からいつも圧力をかけてくるというのは、パワハラなんじゃないか。そういうやり方をされて業務を妨害されている、顔を合わせるだけ委縮してしまう、と上司に相談しに行くかという考えが頭をよぎる。イライラからすぐに怨みへとエネルギーが転換しているので恐ろしい。

“まぁ、君のためを思って言ってくれてるんだよ”とか、“客観的に見たら相手の方が正しいよ”とか、“そういうこと昔にあったけど、今ではあれがあったおかげで頑張れたよ”とかその場に残った側の意見はどうでもよくて、当人同士の中だけで起きている出来事として見れば、常に気分は最悪である。
その会社を辞めた人からしたら資格など関係ないことかもしれないし、自分のペースで
やって期限さえ守っていれば問題ないと考える人だっているはずだ。

「そんなに煽るなら受かった時に飯奢ってください」とかユーモアで返すことができればいいと思うけど、そんな先輩とご飯に行きたいという気分にならない。
たまたま一緒に仕事をする人ではないので良かったと思うと同時に、先輩社員は仕事で僕を手助けして恩を売ることができないので、これから関係性が良くなる可能性は低いのだと思うと、自分が先輩社員になった時に、自分の部以外の後輩との関わり方は気をつけようと肝に銘じた。

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