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絶対性を掴みに行っている

こちらの動画を見て印象的だったことを書いておきます。

「動画大全」の著者、明石ガクトさん。
数年前には「動画2.0」という本も書かれていて、この道のエキスパートです。当時、この本を読み、記事にもしました。

あれから数年経ち、また世の中は変化してきました。

その明石さんがここ最近のAIの進化を受けての衝撃と、これからの先、AIとどのように付き合っていくのか?ということを語られています。

僕はこのお話の中で「相対」と「絶対」という話が一番印象に残りました。

AIは詰まるところ「相対」でしかない。膨大なデータから統計をとっているだけ。
それに対し、人間は「絶対」という感覚を持っている。
例えば、映像についても、「絶対にこの構図でなければダメ」という感覚はその人の絶対的なこだわり。訳も無く絶対これ!という感覚なのだと。

AIが相対的な存在として、わかりやすく振る舞ってくれるようになった(いか用にでも説明してくれる、オートメーション化してくれる)ことで、逆に人間の絶対的な存在としての価値が見えてきたと思います。

人間の絶対的な存在の価値とは、説明が出来ないけど、なぜか惹かれるとか、気になるとか、共感するとか・・・つまり感覚的なものなのでは無いでしょうか?

例えば、歌の上手さということについて語る時、最近ではAIによる歌唱判定というような指標もあります。そこでは相対的に上手いかどうかを推し量ることが出来ます。
最近は色々なものがデータ化されるので指標の相対化、数値化は身の回りに溢れています。
対して、誰か好きな歌手がいたとすると、その人が歌が上手いかどうかより、絶対的に好きという感覚が先に来るはずです。誰かと比べて好きとかでもなくて、絶対的な存在になるはず。理由もなくそうなります。

明石さんは動画の世界、クリエイターの世界の話を中心にこの相対と絶対について語られていましたが、今の時代、人間社会全体に浮かびかがっている感覚だと思います。

相対的な価値や比べられてしまうもの自体をもう人間は手放していて、絶対的な価値、比べられないものの価値を一人一人が求めているのだと思います。
AIの登場でそういった部分は徐々に切り離せるようになり、私たち人間一人一人は絶対性を掴みに行っているのでは無いでしょうか?

理由もなく惹かれることや誰とも比べることが出来ない自分の内面性、そういったものが益々重要になるのだと思います。

もう絶対これなんです!

そう言い切れるものを持っておいた方が生きやすくなります。

AIの登場で仕事の仕方は変わって行かざるを得なくなります。
それに合わせて、私たちの在り方も変わっていくのは必然です。

時代は急速に変化しています。

世界を激変させると銘打って「動画2.0」が出版されたのは2018年、それから5年経ち、また新たな変化を迎えています。

自分にとっての絶対性、絶対これ!っていう感覚。

それを誰もが持って良い時代に向かっています。

それが人間の人間たる価値になっていくのだと感じました。