自分のルーツを探る


私には2歳上の兄がいる。

兄は思ったことはすぐに口に出し

自分のやりたいことができないと不機嫌になり私に八つ当たりしてくるような兄だった。

そんな兄は学生時代に手の掛かる人だった。

親も兄の将来を心配していた。

そして、いつしか弟の私は

親にとって良き相談者のような立ち位置になっていた。

自分がどうしたいのか

ではなく

どうすれば家族がうまく行くのか

兄が良い方向に向かってくれるのか

親と一緒によく考えていた。

それは確か中学生くらいの頃からである。

当時の私はその立ち位置に

不満を持つことはなかった。

むしろ家族が良い方向に向かうための役割を担っているようでやりがいのある立場だと思っていた。

自分と30歳ほど年が離れた

親の目線で考えなければならない

いつしか私は、俯瞰でものを見るようになっていた。

それは一見、大人で落ち着きのあるような響きだが

若いながら冷静かつどこか冷めたような人間になっていった。

これまでたくさんの次男、次女たちと出会ってきたが

ほとんどの人は長男長女に憧れを抱いていた。

自分は兄のようにはなれない

自分は劣っている、と劣等感を抱いている人がほとんどだった。

しかし、私はというと

兄に対して劣等感はなかった。

だから、そういう人たちにはなかなか共感できなかった。

しかし、今だからこそ思うが

次男次女は長男長女に憧れて当たり前なのだと思う。

自分が生まれた時からたくさんのことを知っていて

先に大人になっていく

いわば自分の道標のようなものだ。

しかし、自分にはそれがなかった。

それは良いのか悪いのか

分からないが。

人格の形成には

家庭環境や人間関係が大きく関わっている。

なぜ自分はこんな性格なのだろうか

そんな風に疑問を持ったのであれば

記憶がある限りでいいから昔を思い出してみると良い。

今の自分のルーツは必ず過去にある。

そして、

未来の自分にとってルーツになるのは今の自分である。

誰も未来のことはわからない。

計画を立てたって思い通りにいくことの方が少ない。

だとしても、

信念だけは貫けるのだ。

やることは変わっても

好きなことが変わっても

住む場所が変わっても

信念だけは変わらないままでいられる。

しかし、時にその信念が自分の成長を邪魔していたりする。

そんな時は信念も壊して良い。

信念こそ壊した方がいい時もある。

そうして自分をどんどん変容させられる人だけが

何年経っても成長し続けられる。


#自分のルーツ
#自己理解
#信念とは


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