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日本での飼育のはじまり。毛織物生産の黎明と挫折

その後時代は進み海外との交易が盛んになると、貴族や戦国武将の贅沢品として羊毛製の布製品が輸入されはじめ肉よりも羊毛の需要が高まりました。

しかし、羊を飼おう!という機運はそれからしばらく立った江戸後期まで起こりませんでした。
飼育の始まった記録を見ると、
1805年長崎奉行の成瀬因幡守が肥前国浦上村(長崎県西海市付近)へ羊を輸入し飼育を試みますが、失敗。同時期、幕府の奥詰医師であった本草学者の渋江長伯が巣鴨薬草園に中国から羊を輸入、繁殖させ数百匹まで増やしましたが大火により衰退してしまいます。残った羊は1857年、函館奉行所に送ったそうです。北海道の羊のはじまりはこの巣鴨の羊たちで、つまり中国原産で江戸育ちの羊たちだったと考えられているそうです。
ちなみに羊毛から羅紗織の試作なども行っていたので、この巣鴨薬園は「綿羊屋敷」とも呼ばれており、

日本の羊毛産業の発祥は巣鴨

ということになります。長崎の飼育も毛織物を作ることが目的だったそうです。


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