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【脱・小学生の日記】形容詞を使わない大人の文章表現力(著:石黒圭)

  • 文章に説得力を持たせたい

  • 大人の文章表現力を身につけたい

  • 小学生の日記みたい、と言われたくない

「すごい」「やばい」「かわいい」
これらは使える場面が多い便利な形容詞です。しかし、意味が広すぎるがゆえに正しく伝わりません。

そんな伝わらない文章から卒業したい方には、『形容詞を使わない大人の文章表現力』がオススメです。著者は日本語研究者の石黒圭さん。

特に重要だと思った内容を3つ紹介します。ひとことで言ってしまえば「具体的に書け」です。

■限定表現

形容詞を使わない大人の文章表現力(著:石黒圭)限定表現

「すごい」「やばい」では抽象的であいまい。「どの部分が」と限定し、「どうすごいか」を表現すると、伝わる文章に。

「あの映画はすごいと思いました」

これでは情報ゼロ。なにも伝わってきませんよね。映画を評価する要素は、ストーリー、俳優、スタッフ、音楽、制作費など、たくさんあります。こんな小学生の文章も「限定表現」を使えば…

「あの映画の主人公の弟が泣きじゃくるシーンは、見ているこちらがつらくなりました。」

たったひとつのシーン、ひとりの登場人物に限定したことで、「すごさ」がクッキリしました。それに、こちらの紹介のほうが観たくなりますよね。

■数量化

形容詞を使わない大人の文章表現力(著:石黒圭)数量化

「多い」「少ない」「さまざま」は書き手の主観的な基準。数字や具体例を挙げると認識のズレがなくなり、伝わる文章に。

「コンビニにいっぱいひとがいた」

東京に住んでいれば「20人以上」を想像するひともいるでしょう。ですが、人口の少ない地方に住んでいれば、「8人くらいかな」と思うかもしれません。

「コンビニに10人くらいひとがいた」

当然ですが、これなら住んでる地域も関係ありません。誰もが10人を想像します。

■比喩

形容詞を使わない大人の文章表現力(著:石黒圭)比喩

読み手が「知っているもの」でたとえると、伝わる文章に。自由な発想で表現すると、自分だけの文章に。

「かなり熱い」
「小さめのメモ帳」
「死ぬほど退屈だ」

イマイチ伝わってきませんよね。「死ぬほど」は、使い古された陳腐な表現です。「比喩」を使った方が伝わりそうです。

「真夏のアスファルトくらい熱い」
「スマホサイズのメモ帳」
「独房にぶち込まれたかと錯覚するくらい退屈だ」

「真夏のアスファルト」を触って、「アツっ!」と慌てて手を離した経験は、多くの人がしているのではないでしょうか。「独房」の経験は普通はありませんが、なんとなく想像できそうです。

>>形容詞を使わない大人の文章表現力

SNSで「書くことがない人」にオススメ

旅行に行っても「すごかった」「おいしかった」しか書けないとお悩みの方にオススメです。「小学生の日記みたい」と思われたくないあなたを救ってくれます。

今回は「限定表現」「数量化」「比喩」を紹介しました。本書では他にも「オノマトペ」や「あまのじゃく」など、大人のテクニックであなたの文章力を強化してくれます。


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