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夢の中を生きる私。それを見つめるもう一人の私。

夢の話。

よく、夢の中で動く私とその私を見ている私、という構造の夢を見る。
つまり「分身の夢」。
俯瞰ショットとPOVショットを交互に繋げたような夢ですね。

この夢がどうして起こるのか?

これを現象学の観点から分析した本があります。
渡辺恒夫著『夢の現象学・入門』。
(この本の第5章で解説されています)

まず前提として私たちは日常で無意識的にある思い込みをしています。
それは、自分という姿を「客観的に」見ている、つまり、自分の姿を「俯瞰」して見ているという思い込みです。

これは、ある実験から明らかになっています。
それは、被験者に、鏡も写真も参考にせず、目に見える通りに忠実に、自分と他人の姿を一枚の画面の中にスケッチしてもらうという実験。

この時ほとんどの被験者は自分の姿を第三者視点で見た姿を描いたのだそうです。(下図参照)

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以上が実験内容です。
ここからは、著者の考察になります。

この実験で、ほとんどの被験者は自分の姿を第三者視点で見た姿を描きましたが、
本当に「目に見える通りに忠実に」描くとしたらこうなるはずなのです。

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これは有名な絵で「マッハの自画像」と呼ばれます。

よって私たちは普段から無意識的に「自分は自分の姿を俯瞰して見ている」と思い込んでいるのです。
本当はマッハの自画像のように見えているはずなのに。

今日はここまで…

続きはまた明日。


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