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開催!世界史サミット/地政学でわかるわたしたちの世界 12の地図が語る国際情勢 (読書記録)

はじめに

「まえがき」と「あとがき」が好きです。
著者はどんな人なのだろうか、どんな気持ちで書いたのだろうか、などと思いを馳せる。
だから「まえがき」と「あとがき」は、わたしにとって前菜でもデザートでもなくメインディッシュなのです。


外国生まれの本
他言語の本は和訳されていても違和感を持つことがあります。
それはなぜか。
その言語のなかでは違和感のない表現でも、和訳されることで元のものとは違ったものになってしまうからかもしれません。
他言語の文字に置き換えるために、削ぎ落とされてしまうなかに置き換えがきかないニュアンスや景色があるように思います。
わたしには違和感があるように感じる物言いも、その国では至って普通な表現なのかもしれません。
言葉の成り立ちを知りその言語を扱えるようになること、そしてその国の歴史や時代背景を知れば、すくいきれないニュアンスを理解できるようになるのでしょうか…
そんなことを考えたりしています。

開催!世界史サミット

同年代を生きた偉人たちが国境を超えて大激論!

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図書館の本は表にシートが貼られていて、本を味わいきれなくて少し残念な気持ちになります。
本それぞれに個性がある。
本には触れて楽しむ、そんな面白さがあります。

いい大人ですが子どもみたいな学び方をしています。
ためになることよりもワクワクする本を。
そのなかに知っている言葉が出てくると、「おぉ!」とうれしい気持ちになる。
そこから新たな繋がりが生まれる。
わたしは頭だけで理解することがむずかしいので、小さな理解でも花丸💮にしています。
続けるために、理解よりも楽しさをいちばんに♪


 同じ時代に生きた歴史上の人物たちが、直接会ったらどんな話をするのだろうか?どうせなら会うだけでなく、議論をさせてみたらどうだろう。きっと新しい発見があるはずだ……。

開催!世界史サミット 浅野典夫 はじめにより


歴史を横軸で輪切りにしてみると、意外な人物が同じ時代に生きている。
学校で習ったときには味気ないただの文字情報にしか思えなかったけれど、この本を読むことで実際に生きていた人物なのだと実感がもてました。
 

対談内容がときおりぶっ飛んでいたりするので、クスっと笑えて楽しく読めます。
わたし自身知らなかった人物が、この本には何人も出てきます。
対談のほかにも補足情報ものっているので、その人物に興味をもつ良いきっかけにもなります。

当初はルイ1世からルイ16世までを集める ”ルイ大集合サミット” のような案もありました。書けるわけがありません。18人のルイが喋ったらわけが分かりません!

思わず笑ってしまったあとがきの言葉。
物事よりも人物に興味がある人は楽しく読めるそんなすてきな本です。


地政学で分かるわたしたちの世界
12の地図が語る国際情勢

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長男と大きな本屋さんに行って、ふらっと子ども向けのコーナーに足をふみいれて見つけた本。
わたしのノートパソコンくらいの大きさがあります。

全体的にざらっとした心地よい手ざわりなのに、国旗の部分だけペタっとした手ざわりで、そのさわり心地の変化がおもしろいです。

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実際のアフリカ大陸の大きさ

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こんなにアフリカ大陸が大きいなんて!
家にある地球儀で改めて見てみると確かに大きい!!!
何度も見たことがあるはずなのに自分のなかではもっと小さいイメージでした。
「あぁ、自分の見ている世界は、自己の勝手なイメージによってねじ曲げられたものなのだ」と気づき、ハッとしました。


なぜチベットがこれほど重要なのか?

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人口約14億の中国と人口約13.5億のインド。
ヒマラヤ山脈は中国にとっては自然版の万里の長城であり、その山脈が両国を切り離し、どちらからの攻撃も困難にしています。
それに、中国を流れる大河の水源の存在も影響しています。

だからこそ中国からしてみれば手放すことができないチベット。
独立を望むチベットの人たちの状況を思うと、複雑すぎてなんとも悩ましい問題です。


おわりに

地図上では平たんに見えていても、そこには山があり谷がある。
気候の変化や土地の性質によっても大きく左右される。

その土地その土地がもつ特徴。
この本にはたくさんの「なるほど!」がつまっていました。

それにわかりやすい説明と、イメージがつかみやすいイラスト。
刺すような色づかいではなく、柔らかい優しい色づかいなので、ゆっくりじっくりと読み進めることができます。
穏やかな雰囲気をまといながらもガツンと衝撃がある、考えるきっかけをくれる本です。


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