サプライズが好きな男と嫌いな女

「付き合っている男がどうにかしてサプライズをしようとしてくる」

「仕掛けていいか、薄く確認してくるのがウザい」
「ヤダって言ってんだけど」

目の前の女はポテトをグサグサとフォークで刺しながら怒っていた。

私はそれを聞いて、(室内のあらゆる場所でクラッカーを鳴らすのもそれに入るのかな…)と考えていた。

当の彼氏はサプライズが好きらしい。
他人を巻き込んだりするようなタイプの…

一方彼女は、第三者が関与するサプライズが苦手なのだという。
よくありがちな、店員がケーキを持ってくるサプライズ、彼女に言わせれば
「その場の他人に急に参加させることでのストレス発生と店員のお手間」
が懸念とのことで、考えると胸が苦しくなるそうだ。

前に一度デートでドレスコードが必要な店に連れて行かれたことがあり、(靴も服も相応のものを身につけたいから事前に言え)と指導したのだという。

その手のサプライズは無くなったものの、なにかの折につけ、ちょっとした演出を挟もうとしてくるらしい。
駅でデカい花束を渡すとか、そういう類のもの。


「サプライズの確認はしてくるくせに、クリスマスプレゼントは忘れてたの」
「プレゼントのすり合わせしたのに」
「忘れてたって何?逆に何を覚えてんの?」

サプライズが好きな男と嫌いな女、
それぞれが全く別の方向を見ていて面白い。

喜ぶ(はずの)姿が嬉しい俺、
企画力のある俺、
ありふれた表現でない方法で愛を伝える俺、
人からの視線が気になる私、
仮にフィーが発生していたとしても店員の心を読んでしまう私、
演出を愛と受け取れない私、

男女問わずサプライズ開催について意見を求められることがあるけど、
「とにかくお泊まり系はキケンだよ」と伝えておく。

2人はこれからも共に歩んでいくのですから…
仲良くね

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