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大塚国際美術館にどっぷりと。【前編】(1772字)

行ってきました、初めての大塚国際美術館。

総歩行距離約4km、4時間かけてじっくり堪能しました。

名画の数々が佇む様はまさに圧巻でした。
感想を覚書として書こうと思います。

長くなりそうなので、今回は前編。


やっぱり圧倒的、お目当て名画

①システィーナ・ホール

入場して1番に目に入るこの迫力。
本当に壮観です。
ここで米津さんが歌ったのももう4年ぐらい前だったんですね。

20分程度の説明も聴かせていただきました。
この天井の「天地創造」はミケランジェロがたった5年で仕上げたそう。すっごい。

太陽と月より大地が先にできたのってちょっと不思議、なんて思ってみたり。
ラのつくコンビの「人類創世」を思い出しちゃったり。

ものの数十分見上げただけで首が痛いのですが…ミケランジェロの首どうなってるの…

正面の「最後の審判」。
一人一人の躍動感に圧倒されます。
イエスの右下、バルトロメオの持つ人皮はミケランジェロ自身の自画像だそう。
初めて知りました。そんなところに自虐的描写があったとは。

②アテネの学童

世界史、倫理、美術を選択していた身には見覚えがありすぎる一枚。

ルネサンスを象徴する遠近法構図により、画面の広がりと賑やかさを感じます。

天を指すプラトン、地を指すアリストテレス。
赤と青って直感的に対立を示すように捉えがちだけど何でなんだろう。

中央の階段でだらんとしているのはディオゲネス。彼の堂々たる姿が語られた逸話、好きです。
背筋を正しておらずとも、本当に芯のある者の誠実さは伝わったりするものなのかもしれません。

③最後の晩餐

修復前
修復後

向かい合わせになっている修復前後の二枚。
右も左も最後の晩餐、すごく不思議な気分でした。

天地の交わる点に佇むイエス。
世界の中心に神が存在するという教義の象徴です。

④モナ・リザ

ルネサンスが続きます。
流石の貫禄という感じでしょうか、空間自体に優雅さが漂っていました。

顔の陰影から服の袖のしわ、遠景の霞み方までなんとも言えないニュアンスがあって見とれてしまいます。

背景の川や大地の流れからどっしりとした生命力も感じました。

⑤夜警

バロック時代から。
これも世界史で出会って印象深かった作品。

はっきりした陰影によって目立つ人物と目立たない人物が描き分けられており、沢山の人が描かれていながらリズムと動きのある画面になっています。

美術館の照明をそのまま受けて絵の中に影が落ちているように見えて面白かったです。

⑥真珠の耳飾りの少女

私が油絵を描く中で1番使うのが好きな色、ウルトラマリン。

ウルトラマリンといえば、ラピスラズリ、フェルメールブルー。高貴で純真な落ち着きを感じる大好きな色です。

やっぱりこの青は吸い込まれるような美しさがあると感じました。そして少女の瞳にも引き寄せられるものがありました。

⑦睡蓮

縦2mで楕円状に広がる様は圧巻。

印象派が好きな私としては、この特設スペースはお目当ての1つでした。

このぼーんやりとした色合い、空間ごと溶けてしまいそうなグラデーション。筆のタッチ一つ一つに目を向けてしまいます。

日本人は印象派好きが多いと言いますが何故なんでしょう。ジャポニズムとかの影響も大きいのかなぁ、

⑧皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠

世界史でよく見たやつ。大きい…!

とにかく緻密。マントなどの刺繍や柔らかい布地をリアルに感じられます。

ナポレオンとその後ろの教皇との表情の対比が良いですね。教皇、不満げ。

ナポレオンのいる辺りの左奥、暗くなっている座席の手前から2列目左から2人目が作者ダヴィドだと言われているそうです。と先生に教えてもらいました。

⑨グランド・ジャット島の日曜日の午後

この水面が大好きなんです。

私の1番大好きな作品。これを目当てに来たと言っても過言ではありません。

この点描の筆致がとにかく好きなんです。
鮮やかで、色の持つ個性を全面に生かす描き口。
日差しの元の穏やかな休日を思わせる画面の中に、所々皮肉のようなじっとりと怖い描写が含まれていたり。

見れば見るほど好きだなぁ、と思いました。

あとがき

ゴッホとかピカソとか、他にも書ききれないほどあるけど一旦このへんで。

名画に囲まれる休日というのはなかなか乙でした。充足感。

開館25周年を記念して新たにゴッホの「夜のカフェテラス」も飾られています。
みなさんも是非足を運んでみてください。


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